1 事業の目的・概要
○糖尿病予防対策連携強化事業
糖尿病診療の窓口となるかかりつけ医の養成や糖尿病専門医との診療連携等を図り、県民が安心してかかりつけ医療機関で糖尿病の初期治療等が受けられるようにする。
○慢性腎臓病(CKD)予防対策事業
CKDは早期発見・治療や生活習慣の改善により進行が抑えられることから、正しい知識の普及啓発を図り、もって県民の健康保持・増進や医療費の適正化を図る。
2 主な事業内容
(単位:千円)
 | 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 糖尿病予防対策連携強化事業(継続、国1/2) | ○鳥取県医師会に委託して、糖尿病診療の窓口となるかかりつけ医師(糖尿病医療連携登録医)や、良質な生活療養指導を提供する保健師等のコメディカルスタッフ(糖尿病療養指導士)を養成し、円滑な医療連携等を推進する。
○各圏域(保健所)において、糖尿病対策をより推進するため、関係機関との連携を深め、圏域の実情に合わせた対策を実施する。 | 2,000 | 2,000 |  |
2 | 慢性腎臓病(CKD)予防対策事業(継続、単県) | ○鳥取県腎友会と共催して、慢性腎臓病に係る知識の普及啓発のための県民向け講座を開催する。 | 50 | 50 | 特になし
(CKD患者への効果的な生活療養指導を実施するための人材育成(研修会)については、前年度に引き続き、国の『都道府県国保ヘルスアップ支援事業』(国民健康保険運営事業特別会計/保健事業費)を活用して実施する。) |
合計 | 2,050 | 2,050 |  |
背景
○糖尿病は、脳卒中や急性心筋梗塞の重大なリスク要因であり、市町村が実施した特定健診の受診者の情報から、糖尿病予備群及び有病者の数は平成24年度に大きく減少して以降は同様の水準を維持(横ばい状態)。
○糖尿病の「初期・安定期」は、合併症予防などのため、十分な患者教育が必要な時期であるが、かかりつけ医の適切な指導やフォローアップが十分になされていない。
○CKDは、腎障害を示す所見や腎機能低下が慢性的に続く状態で、放置したままにしておくと、末期腎不全となって、人工透析等を受けなければ生きられなくなってしまうが、県内の人工透析患者数は年々増加傾向にある。
○CKDは、早期発見・治療や生活習慣の改善により進行が抑えられるが、その認知度は低く、また腎臓病医の不足や偏在の中、CKDに関する基本的な知識を有する医療従事者の育成が重要である。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
●事業目標
糖尿病は、主要な死亡原因である脳卒中や虚血性心疾患等の危険因子であり、症状が出現した時には、既に病状が進行した状態となっており、糖尿病に関連した合併症は重大な問題である。
そこで、糖尿病の早期発見・早期治療や生活習慣の改善により進行が抑えられることから、糖尿病及び慢性腎臓病に関する基本的な知識を有する医療従事者等の育成や専門医に繋がりやすい対応を構築するために本事業を行う。
●取組状況
【糖尿病】
県民が安心してかかりつけ医療機関で糖尿病の初期治療が受けられる体制の構築を図ることを目的とし、平成24年度から鳥取県・糖尿病医療連携登録医制度の運用を開始。
※令和元年度末:149人
かかりつけ医や地域保健指導の現場で質の高い糖尿病療養指導を行える人材を養成するため、平成28年度から鳥取県糖尿病療養指導士の養成を開始。
※令和元年度末:151人
【慢性腎臓病(CKD)】
県民への普及啓発及び医療従事者への研修等を通して、より多くの人が腎疾患対策を実践する体制を構築することが必要であることから、平成24年度から従事者向け研修会、平成27年度から県民向け講座を開催。
※並行して、令和1年度にCKDリーフレットを改訂し、医療機関等の関係機関に配布(R1.7頃)するとともに、従事者向けの研修会を各圏域で実施(R1.11〜12)。
【県民向け講座(1回/年開催)】 ※直近3か年
平成29年度参加者数:約60人
平成30年度参加者数:約90人
令和元年度参加者数:118人
【従事者向け研修会(1回/年開催)】 ※直近3か年
平成29年度参加者数:悪天候により開催中止
平成30年度参加者数:80人
令和元年度参加者数:131人
これまでの取組に対する評価
<糖尿病>
○平成25年度から、圏域ごとに登録医の一覧が掲載されたチラシを作成。市町村や健診実施機関が健診結果を配付する際、血糖値が「要再検」「要指導」「要医療」の者の受診案内に登録医一覧表も同封して配布することで、広く周知できるようになった。
○医療機関や薬局、市町村などの現場で対象者の状況に応じた質の高い療養指導を実施することができるようになった。
<慢性腎臓病(CKD)>
○令和元年度県民向け講座の受講者アンケートから、病気のことや生活習慣の注意点などがわかった、との意見が多かった。
→透析患者が増加傾向にあること、何より早めの対応で進行が抑えられる病気であることから、講座を継続実施し、普及啓発活動を推進していく。
○平成25年度に作成・配布したCKD予防リーフレット(医療機関編)を国のガイドライン改訂に合わせて令和元年度に改訂・配布するとともに、医療機関等へのリーフレットの内容周知のため各圏域で研修会を開催し、発症・重症化予防に取り組んだ。