令和3年度障害福祉サービス等報酬改定において、障害者支援施設(入所施設)に対して口腔衛生管理加算(注)等が新設され、事業者においても入所者の口腔状況に目を向けていただく良い機会となっていることから、これを契機に加算取得を通じた口腔機能向上に繋げるため、新規事業を実施する。
(注)口腔衛生管理加算(施設入所サービスを提供する施設の対応を評価し報酬を算定)
歯科衛生士が、医師又は歯科医師の指示に基づき入所者に対して口腔ケア(月に2回以上)を実施するとともに、施設職員に対して、口腔ケアに関する技術的な助言・指導及び口腔に関する相談等を行っている場合に加算取得可能。利用者1人につき1月あたり900円。令和3年度に新規制度創設。
障がい者の歯科診療においては、自身で歯の痛みを訴えられない、治療の必要性が理解できず協力的に受診することができない等様々な理由により、一般の歯科医では適切な診療を受けることが困難なケースが多く存在する。このようなスペシャルニーズ(特別な治療要望)への受診体制の整備等を目的とし、県としては、障がい者の歯科保健対策に現場で取り組んでいる県歯科医師会と連携し、それぞれの障がいに応じた歯科医療が可能な専門職の育成を推進しているところ。
また、令和2年度に厚生労働省で行われた有識者会議において、障害者等に対する歯科医療の実態が不十分であること、歯科サービスの提供状況も十分把握されていないという実態が指摘されていること等も踏まえ、県内の施設入所者の口腔環境の実態を調査を令和2年度から実施している。
この調査の中で実施した障害者支援施設等に対するアンケートでは、
・定期的な歯科検診や、口腔ケアの方法等の指導を受けたい
・職員が利用者の口腔ケアを行う上での注意点、観察項目など歯科保健指導をお願いしたい
・現在普通の歯ブラシ後、電動歯ブラシを使っているが推薦いただける品等あれば知りたい
などの意見があったため、事業内容の拡充・アップデートを続け、障がい者の口腔環境の向上に向けて取り組んでいる。