1 事業の目的・概要
家畜排せつ物を利用してバイオマス発電といった再生可能エネルギーとしての利用が全国に広がっている。県内の老朽化した堆肥施設の更新を検討するにあたって、バイオマス発電といった地域の家畜排泄物の適正処理および有効活用に向けた検討に対して必要な支援を行う。
2 主な事業内容
補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 備考 |
再生可能エネルギー等可能性調査(視察旅費、設計コンサル委託費)に係る経費 | JA等 | 1/2 | 3,500千円 | |
背景
・畜産業を営む者に対して、家畜排せつ物の適正な管理と利用の促進を目的に平成11年11月1日に家畜排せつ物の処理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第112号)が施行された。この法律により堆肥舎の整備が進んだが、法制化から20年以上たち、当時整備された堆肥舎は経年劣化が進み、その更新があまり進んでいないことが全国的に課題となっている。鳥取県でも共同たい肥センターの老朽化が問題となっており、対策が必要な状況にある。
家畜排せつ物をめぐる現状
・畜産農家の減少により、家畜頭数も減少することで、家畜排せつ物量が減少する一方で、散布に要する労力等の問題から耕種側(米や野菜を生産する農家)での堆肥利用も減少している。一方で、一戸当たりの飼養頭数の増加等により、家畜排せつ物発生量に地域的な偏りが生じている。これにより堆肥が余っている地域と足りない地域が発生している。メタン発酵による家畜排せつ物のバイオマス利用も行われているが、維持管理やコスト面での課題が残る状況にある。
・新型コロナウイルスの世界的な拡大により、重油をはじめ、資材、飼料や肥料価格の値上げや品不足が続いている。家畜排せつ物といった地域内資源を有効に活用し、循環させる仕組みの構築が求められている。
・水質汚濁防止法の暫定排水基準の見直しや悪臭防止法に基づく臭気指数制度の導入など、環境規制は年々強化されるとともに、悪臭問題に関しては全国各地で深刻なケースが散見され、家畜排せつ物については適正な処理施設の導入と管理運用が求められている。