1 事業の目的・概要
県民の安全で安心なくらしを確保するため、広域的な消費生活に関する相談及び苦情等の対応を行う消費生活センターを設置運営し、市町村消費生活相談窓口等と連携して、県内の消費者被害の未然防止と解決を図る。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 |
1 | 市町村等相談支援 | (1)市町村消費生活相談オンライン支援(財源:国庫1/2)
市町村相談窓口へタブレット端末を貸与し、Web会議システムを通じて市町村窓口と県センターが常時連携できる体制を構築する。
<支援内容>
ア)市町村相談員に対する相談処理方針への助言
イ)配慮を要する消費者(例:県センター来所が困難等)への疑似面談による相談対応
ウ)広域的見地を要する相談の県への引継対応
エ)市町村相談員の技能向上への支援(研修の実施、国民生活センターのオンデマンド研修等への参加促進)
(2)消費生活相談員(国家資格者)確保事業
消費者安全法の改正(H28)により消費生活相談員が国家資格化されたが、県内の資格者が不足していることから、市町村消費生活相談窓口の従事者等の資格取得を促し、県内の相談体制の向上を図る。
〇補助対象者 :市町村消費生活相談窓口の従事者等
〇補助対象経費:受験料及び2次試験旅費
〇補助率:1/2 | 1,548 |
2 | デジタル消費者教育の推進 | 新しい生活様式の普及に伴い増加したインターネットを介した消費生活トラブルの被害防止のため、携帯電話会社及び市町村消費生活相談窓口と連携し、スマートフォンやネットの利用方法や注意点等、トラブルに巻き込まれない対処法を身に着ける対話型のデジタル講座を実施する。 | 1,833 |
3 | 消費生活相談事業 | (1)消費生活相談業務の委託(33,029)
県内3箇所の消費生活相談室に消費生活相談員(国家資格者)を配置し、消費者安全法に規定する広域的な見地を要する相談の対応及び市町村消費生活センター及び消費生活相談窓口への技術的支援を行う。
相談室名 | 開所日 | 配置人数 |
東部消費生活相談室 | 月〜金 | 1名(※) |
中部消費生活相談室 | 火〜土 | 1名 |
西部消費生活相談室 | 毎日 | 2名 |
祝日(中部は祝日及びその翌日)、年末年始(12/29〜1/3)は休所。
(※)令和4〜6年度は、1カ月につき8日について、さらに1名を配置する。
〇外部委託による
〇委託期間:令和4年4月1日〜令和9年3月31日(5年間)(別途、債務負担要求)
(2)多重債務・法律相談会の開催(849)
解決に法的見解を要する内容や、債務整理等を行おうとする多重債務等の相談について、県弁護士会及び司法書士会等と連携した相談会を開催し、専門家による助言を受け、消費者自らの解決を促す。 | 33,878 |
合計 | 37,259 |
3 今後の方向性
本県では、消費者安全法の施行とともに、H21年度にすべての市町村に消費生活相談窓口が設置され、県消費生活相談室(東・中・西部)は広域的見地を要する相談を中心に相談対応を実施している。
高齢化社会の進行に伴い、今後、配慮を要する消費者が増加することが予想されることから、住民に身近な市町村役場で消費生活相談を受けられ、必要に応じて介護や見守りなどの福祉施策と連携した問題解決につなげられる体制を強化し、県内の消費生活相談体制の連携と充実を図る。
県は、引き続き広域的見地を要する相談や、市町村消費生活相談窓口の補完(土日対応)を行うとともに、市町村への技術的な支援を強化する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<消費生活相談の実施>
〇引き続き、県内3箇所(鳥取市・米子市・倉吉市)に消費生活相談室を開設し、NPO法人への委託により、消費生活相談員による助言・あっせん等の消費生活相談業務を実施した。
・令和2年度相談室別受付実績 2,889件(R元:2,681件)>
(内訳)東部:1,014件、中部:319件、西部:1,556件
〇弁護士・司法書士等との連携による多重債務・法律相談会を開催し、法的助言により消費者自らのトラブルの解決を促した。
・令和2年度相談実績:69件(R元:95件)
これまでの取組に対する評価
〇引き続き、県内3カ所の消費生活相談窓口を運営し、消費者への適切な助言により被害を寸前で防止をするなど、関係機関とも連携しながら、県民のかたへ安心と安全を提供できた。
〇今後は、高齢化社会の進行に伴い、福祉等の複合した相談対応や配慮を要する消費者の対応として、市町村消費生活相談窓口を中心とした消費生活相談体制への移行を進めていく必要がある。
一方、情報化社会の浸透とともにさらに複雑化する消費生活相談案件に対応するため、消費生活相談員のスキルアップを図るとともに、デジタルの専門家や弁護士会等とも連携しながら相談連携体制を充実していく必要がある。