1 事業の目的・概要
国の省エネ基準を上回る県独自の健康省エネ住宅性能基準を満たす高性能省エネ住宅(とっとり健康省エネ住宅)の普及を図り、県民の健康の維持・増進、住宅の省エネ化及びCO2排出量の削減を目指す。
2 主な事業内容
とっとり健康省エネ住宅の普及を図るため、新築又は既存住宅の改修において基準に適合する住宅を認定し、消費者向けの広報・普及啓発、技術者の養成のほか、認定住宅に対し助成を行う。
(1)新築住宅 (単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度
予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 未来型省エネ住宅特別促進事業 | 省エネ性能を有すると認定される木造戸建住宅(県内工務店が新築)に助成
[基本支給]※新設
対象 | 補助額 | 要件 | 制度 | 財源 | 県予算額 |
すべての世帯 | 最大50万円
T-G1:10万円
T-G2:30万円
T-G3:50万円
| 健康省エネ住宅
※太陽光設置 | 県制度
| 国10/10
(脱炭素交付金) | 88,400 |
[加算]※新設
対象 | 補助額 | 要件 | 制度 | 財源 | 県予算額 |
子育て世帯への加算 | 10月まで | 最大100万円
※国による直接助成 | ZEH
認定長期優良住宅
省エネ基準適合住宅 | 国制度 | 国 | − |
11月以降 | 50万円 | 健康省エネ住宅
※太陽光設置 | 県制度 | 国10/10
(脱炭素交付金) | 78,000 |
子育て世帯等以外への加算 | 50万円 | 健康省エネ住宅
※太陽光設置 | 県制度 | 国10/10
(脱炭素交付金) | 33,500 |
[とっとり住まいる支援事業(健康省エネ住宅分)] 62,100千円
・県産材を活用して新築する認定住宅に対して助成
対象:県内工務店が新築する木造戸建住宅
補助額(上限額):100万円
※補助要件は、住まいる支援事業と同じ。 | 262,000
| 0 | 新規 |
2 | とっとりグリーン住宅応援キャンペーン事業 | 国のグリーン住宅ポイントを活用する認定住宅に対して助成。
令和3年10月末までに契約した住宅が対象。予算は継続分のみ。
補助金額:最大40万円(県産材20万円+健康省エネ住宅20万円) | 6,000 | 34,000 | 令和3年度執行見込額を差し引いた額 |
3 | 施主への説明動画作成 | 健康省エネ住宅説明義務化に備え、健康省エネ住宅のメリット・意義を設計者が施主に説明するためのツールとして動画を作成する。 | 1,500 | 0 | 新規 |
4 | 設計・工務店の研修等 | 健康省エネ住宅の設計、施工ができる技術者の養成等を行う。
・技術研修(集会形式とEラーニング形式(録画を配信))の開催
・技術研修を修了し、考査に合格した者を技術者として登録 | 1,049 | 1,189 | |
5 | 居住者モニター | 健康省エネ住宅居住者にモニターアンケートを実施、効果を検証し、ユーザーレビューとして広報啓発を行う。
<居住者モニターアンケート調査項目>
室温測定、光熱費比較、健康状況・生活の変化(着衣量、睡眠等) | 550 | 895 | 温度測定機器は既購入分を利用 |
6 | 標準事務費 | − | 27 | 27 | |
小計 | 271,126 | 36,084 | |
※脱炭素交付金充当事業は、交付金の動向を踏まえ事業開始する。
(2)既存住宅改修及び賃貸住宅の高断熱化 (単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度
予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 設計・工務店の研修等 | 既存住宅の健康省エネ住宅改修『Re NE-ST』の設計、施工ができる技術者の養成等を行う。
・技術テキストの作成(Re NE-ST改修・ゾーン改修・部分改修)
・技術研修(集会形式とEラーニング形式(録画を配信))の開催
・技術研修を修了し、考査に合格した者を技術者として登録 | 3,215 | 0 | 新規 |
2 | 広報物作成 | 健康省エネ住宅改修基準や改修パターンごとのメリット等を伝える広報物を作成し、消費者向けの広報・啓発を行う。
・健康省エネ住宅改修基準『Re NE-ST』(リネスト)のロゴ、ポスター、 パンフレット、ホームページ、実物大カットモデル、PR動画、新聞広告等 | 5,000 | 0 | 新規 |
3 | 居住者モニター | 健康省エネ住宅化改修を行った住宅の居住モニターをもとに消費者向けの広報・啓発を行う。
<居住者モニターアンケート調査項目>
室温測定、光熱費比較、健康状況・生活の変化(着衣量、睡眠等)
<必要経費>
温度測定機器5戸分×3台、回答者への謝礼 | 395 | 0 | 新規 |
4 | 新規改修事業者への支援(Re NE-STスターター支援事業) | 健康省エネ住宅改修は、新築に比べ施工難易度が高いため、Re NE-STへの取組を促進することを目的として、Re NE-ST改修に新たに取組んだ工務店に対して支援する。
対象:既存住宅を、Re NE-STに改修した工務店等
補助金額:1事業者あたり20万円 | 4,000 | 0 | 新規 |
5 | 健康省エネ住宅改修等支援事業 | Re NE-ST 認定住宅など県の省エネ改修基準に適合する断熱改修を行う既存住宅に対して助成
対象:登録事業者が改修工事を行う既存戸建住宅
補助率:1/3
補助上限額:Re NE-ST 150万円、ゾーン改修 100万円、部分改修 50万円
※脱炭素交付金を充当 | 60,000 | 0 | 新規 |
6 | 賃貸住宅高断熱化モデル事業 | 賃貸集合住宅で健康省エネ住宅の普及を図るため、基準を満たす賃貸集合住宅を建設する事業者に対してモデル的助成。
対象:県内に建設される集合型賃貸住宅
補助金額:10万円/戸 | 3,000 | 0 | 新規 |
小計 | 75,610 | 0 | |
※脱炭素交付金充当事業は、交付金の動向を踏まえ事業開始する。
3 背景・現状の課題
・令和3年4月に国土交通省等が、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」を設置し、検討会のとりまとめを令和3年8月に公表。
・とりまとめでは2030年までに新築住宅はZEHを義務化、2050年の住宅ストックは平均でZEHの省エネ性能を確保することが示された。
・これを受け、県では住生活基本法に基づき、平成28年度に改定した住生活基本計画を改め、新たに「持続可能な住生活環境基本計画」(計画期間:2021年〜2030年)を策定し、2030年までに新築住宅ではとっとり健康省エネ住宅を標準化し、2050年の住宅ストックでは平均でZEHの省エネ性能を確保する目標を設定することとしている。
・新築住宅での健康省エネ住宅の標準化に向け、施主が健康省エネ住宅のメリットを理解した上で選択できるよう新築時における設計者による施主への説明義務化や、施主に新築前に健康省エネ住宅を体感できる機会を提供するなどの環境を整備する必要がある。
・既存住宅において確保すべき省エネ基準が無いため、県独自の基準を策定し、省エネ改修を普及していく必要がある。
4 期待される効果
・住宅の新築において施主が健康省エネ住宅の情報を入手しやすくなる。
・健康省エネ住宅改修『Re NE-ST』の普及により、新築と同等の高性能住宅を安価に入手でき、住まい選びの選択肢が増えるとともに、中古住宅の流通拡大につながる。
・新築に加え、既存住宅の省エネ化を推進することにより、CO2排出量の削減だけでなく、健康寿命の延伸による社会保障費の抑制などが期待される。