1 事業の目的・概要
肉用牛の枝肉価格が低落し、所得が低下した場合に交付金を交付して生産者の所得を確保しようとするもの。その財源である生産者積立金の一部を県が助成する。
2 主な事業内容
肉用牛肥育経営安定対策事業
肉用牛の枝肉販売価格が生産費を下回った場合、国の交付金(3/4)と生産者積立金(1/4)から補てん金を交付するもの。生産者積立金のうち1/3を県が負担する。
3 補正の理由
1.積立金単価の増
【積立金単価(R4当初予算)】
(単位:円/頭)
品種
| 生産者積立金単価
A | 県補助単価
B
A×1/3 | 加入見込頭数
C
| 要求額
B×C
(千円) | 補助率
|
肉専用種 | 5,000 | 1,660 | 3,400 | 5,644 | 県1/3、生産者2/3 |
交雑種 | 13,000 | 4,330 | 1,300 | 5,629 |
乳用種 | 11,000 | 3,660 | 2,600 | 9,516 |
合計 | 7,300 | 20,789 | |
(単位:円/頭)
品種
| 生産者積立金単価
A | 県補助単価
B
A×1/3 | 加入見込頭数
C
| 要求額
B×C
(千円) | 補助率
|
肉専用種 | 19,000 | 6,330 | 3,400 | 21,522 | 県1/3、生産者2/3 |
交雑種 | 19,000 | 6,330 | 1,300 | 8,229 |
乳用種 | 19,000 | 6,330 | 2,600 | 16,458 |
合計 | 7,300 | 46,209 |
2.「在庫牛」の再納付分
<対象牛>
肉専用種 1,700頭×6,330円=10,761千円(ア)
交雑種 400頭×6,330円= 2,532千円(イ)
乳用種 1,000頭×6,330円= 6,330千円(ウ)
(ア)+(イ)+(ウ)=19,623千円
4 要求額
単価改定後県補助額計46,209千円−令和4年度当初予算額20,789千円+在庫牛再納付19,623千円=45,043千円
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<事業目標>
生産者積立金の一部を補助し、生産者の経営安定に資することで引いては肉牛・子牛・肉豚の安定供給に繋げる。
<取組状況>
・生産者積立金の一部を県が補助することで、生産者の負担を軽減してきた。
(1)肉用牛肥育経営安定対策事業
H30年度 生産者負担 金77,624千円(25,836千円(県補助))
R1年度 生産者負担 金123,993千円(41,309千円(県補助))
R2年度 生産者負担 金258,391千円(86,105千円(県補助))
※令和元年から2年度にかけては新型コロナウイルスの影響で負担金単価が増額された。
(2)肉用子牛価格安定事業
H30年度 生産者負担 金19,080千円(4,770千円(県補助))
R1年度 生産者負担 金17,280千円(4,320千円(県補助))
R2年度 生産者負担 金21,438千円(5,360千円(県補助))
(3)肉豚経営安定対策事業
H30年度 生産者負担 金92,626千円(30,831千円(県補助))
R1年度 生産者負担 金64,286千円(21,375千円(県補助))
R2年度 生産者負担 金35,132千円(11,681千円(県補助))
※R1に単価と事業期間の見直し。県負担は233円から133円となり、R1の実績はH30度第4四半期+R1第1四半期〜第4四半期の合計額となっている。
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
(1)肉用牛肥育経営安定対策事業
・飼養頭数の大規模化が進む中で、枝肉単価の変動があたえる影響も大きくなっており本事業の必要性も高まっている。
・また、経済情勢の悪化、子牛価格の高騰により牛枝肉単価の利益がでにくい状況にある中で、本事業は肉用牛肥育農家の経営を守るセーフティーネットの役割を果たしている。
・特に新型コロナウイルス感染症に積立金単価の高騰に対しては、大幅な負担単価増額に対しても鳥取県は生産者負担の1/3を負担をつづけたことで、補てん発動時に財源が足りず補てんできないという状況をさけることができた。他県では積立金が不足し、発動できないという状況も招いたなかで、厳しい時でも生産者に寄り添い、畜産農家の経営の一助となった。
(2)肉用子牛価格安定事業
・肉用子牛の市場価格が一定の水準を下回った場合、肉用子牛の生産者に対しその価格差を補てんする当制度は、 肉用子牛の生産安定及に資する。
・近年子牛価格は高値が続いているが、子牛価格が低落した場合のセーフティネットとして、経営の一助となった。
(3)肉豚経営安定対策事業
・平成19年度からの単県事業の発動状況
20年度第3四半期 25千頭 補填額20,048千円
20年度第4四半期 24千頭 補填額30,570千円
21年度第1四半期 24千頭 補填額19,842千円
21年度第2四半期 24千頭 補填額15,803千円
21年度第3四半期 27千頭 補填額59,284千円
21年度第4四半期 26千頭 補填額39,639千円
・平成25年度以降、補填金の交付はないが、国の価格差補填事業は生産者の経営安定に不可欠である一方、生産者積立金の負担が大きく、生産者の負担軽減のため引き続き支援していく必要がある。