1 事業の目的・概要
鳥取県が進めている環日本海諸国との交流や、さらなるグローバル化にともなう幅広い国際交流や国際理解の促進を支援するために、環日本海交流室・国際交流ライブラリーの機能を生かし、広く海外情報を収集・提供することに努める。
また、英語教育や国際理解教育の推進等、世界で活躍する人材育成につながる情報収集・提供に努める。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 中国河北省図書館との交流 | 中国河北省図書館職員を招聘し、図書交換事業の内容見直し等の協議を進める。また、当館と河北省図書館双方が相互訪問し、それぞれ現地で図書館事情等の調査研究を行い、両館の発展に寄与するとともに、相互理解と友好を深めていく。なお、新型コロナウイルスの影響等を踏まえ、事業実施の可否を判断する。 | 0 | 922 | 中国側のコロナ対策のため、中国河北省図書館の来県なし |
2 | 図書交換事業(継続) | 図書交換等に関する協定を結んでいる韓国・中国・ロシアの図書館と資料、情報の交換を行い、交流を深める(韓国・中国・ロシアへ各60冊送付)。また、新たにモンゴル中央県立図書館との交流を開始する。 | 1,132 | 1,012 | モンゴル中央県立図書館との交換図書購入費を増 |
3 | 海外に関する資料収集整備・提供の促進(継続) | 特色ある資料収集等に努め、資料提供の向上、充実を図る。また、所蔵資料の目的別、言語別リスト化を進め、ホームページで公開していく。また、小学校の英語教育必修化に伴う多読資料を整備する。 | 3,351 | 3,351 | |
4 | 海外に関する情報発信(継続) | 県民に広く海外諸国に関する情報を発信・提供することにより、海外諸国に親しんでもらうとともに、資料の活用促進を図る。また、講演会を開催し、県民の国際交流の理解に寄与する。 | 493 | 506 | 講演会を1回に縮小 |
5 | 語学・歴史・文化等学習支援事業(継続) | 県民の海外諸国(地域)との交流や異文化理解を支援し、翻訳絵本、英語多読等の資料活用を推進する。また、県内在住の外国人が他の外国人や日本人と相互に交流できるよう普及啓発する。 | 86 | 74 | 講師謝金の増 |
6 | 環日本海交流室担当職員の配置 | 環日本海交流室室長を配置する。 | − | − | |
合計 | 5,062 | 5,865 | |
3 現状と課題
<現状>
環日本海交流室を機能拡充し「国際交流ライブラリー」を開設したことにより、さまざまな外国語資料や海外に関する資料に興味関心を持つ利用者が増加した。しかし、来館したことのない県民や県内在住の外国人への周知啓発はまだまだ必要である。
<課題>
・鳥取県が交流している環日本海の国々について、引き続き図書館としての交流や、国際理解のための活動を行う。また、新たにモンゴル中央県立図書館との図書交換を通じた交流を始める。
・国際理解のための講演会等を引き続き開催していく。また、教育現場での英語が注目されている中、市町村立図書館と協力し学校等への支援に取り組む。
・県内在住の外国人が他の外国人や日本人と相互に交流できるイベント等を開催し、図書館利用を普及啓発する。
4 期待される効果
・市町村立図書館との共催による講演会の開催や、翻訳絵本、英語多読等の提供により、異文化理解や資料の活用促進につながる。
・県内在住外国人及び留学生のネットワークを活用した情報発信により環日本海交流室・国際交流ライブラリーの利用促進につながる。
・変動する社会や利用者ニーズを反映させた図書交換が行える。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<事業目標>
○図書館機能の充実
『県民に役立ち地域に貢献する図書館』を目指し、「仕事と生活に役立つ図書館」「人の成長・学びを支える図書館」「地域文化を育む図書館」としての機能を充実します。
<数値目標>
環日本海交流室の貸出数
・令和2年度実績16,120冊(令和4年度目標18,700冊)
<取組状況>
平成7年4月:環日本海交流室開室(連続講座開始)
平成7年7月:ロシア沿海地方国立ゴーリキー図書館、沿海地方政府児童図書館と図書交換に関する協定締結
平成8年6月:中国河北省図書館と図書交換に関する協定締結
平成9年6月:韓国江原道春川市立図書館と図書交換に関する協定締結
平成11年:県内の図書館への貸出開始(その後、学校・大学等へも貸出開始)
平成13年:翻訳絵本の読み聞かせ開始
平成15年:河北省図書館職員(4名)が鳥取県立図書館を視察訪問、協定(修正)締結
平成16年:韓国図書館(春川市立図書館、韓国国立中央図書館、果川市情報科学図書館)IT化視察の訪問と図書館間交流(4名)
平成25年6月:「外国語で楽しむえほんのじかん」開始
平成26年8月:「国際交流ライブラリー」開設
平成27年8月:環日本海交流室開室20周年。国際交流ライブラリー開設1周年記念シンポジウム開催
平成28年8月:ロシア沿海地方との友好交流25周年記念事業の一環としてロシア沿海地方国立ゴーリキー図書館、沿海地方政府児童図書館を訪問
平成29年10月:鳥取県立図書館職員(4名)が河北省図書館を視察訪問、協定修正の協議
<環日本海交流室の購入冊数>
・令和2年度:購入冊数:638冊 金額:1,966,605円
・令和3年度:購入冊数:437冊 金額:1,528,497円(9月まで)
<改善点>
・令和3年7月には、「多文化を知るイベント『世界は広いぞ!知ろう!世界のあれこれ』」と題して、子どもも大人も日本人も外国人も一緒に、いろんな国の「あいさつ」「文字」「ことば」に触れるイベントを行った。
これまでの取組に対する評価
・県が交流をしている環日本海諸国の原書やその地域についての日本語図書の収集、提供等に努めている。また、英語教育や国際理解のための資料提供の向上、充実を図っている。
・所蔵資料の目的別、言語別リスト化を進め、ホームページで公開している。
・鳥取県から近く、歴史的に結びつきが深い環日本海諸国を中心に、海外諸国の歴史、文化等に関する様々なテーマの講座、講演会、「翻訳絵本の読み聞かせ」、多文化を知るイベント等による異文化理解の促進に努力している。
・環日本海諸国の図書館と相互協定を結び、毎年の図書交換、随時の相互訪問等を通じて交流を重ねてきた。今後当該諸国と鳥取県ひいては日本との経済的関係は一層強まるものと考えられ、当館の事業においても歴史、文化の範囲に止まらず、より今日的なテーマも取りあげる必要があり、ある程度定期的に相互訪問しながら協議し協定内容を修正していくことが求められる。
・講演会(3回)は、ロシア現代アート、日韓演劇、翻訳絵本(コロナの影響で中止)をテーマで開催したが、参加者の年齢層は子どもから高齢者まで幅広く、様々な世代が関心を持ち満足する内容となった。開催後は関連図書の貸出も多く、図書館利用の促進につながった。
・「外国語で楽しむえほんのじかん」、「多文化を知るイベント」等の行事、図書展示、出前図書館等を行うことにより、県民が国際理解や関心を深める機会を提供することができた。