1 事業の目的・概要
幼児児童生徒等の教育上の問題や、発達、障がい等に係る学習上の困難や生活上の課題について、専門性を有する相談員及び専門指導員並びに専門医が、本人や保護者らに対してきめ細かな支援を行う。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 指導主事、相談員による教育相談 | 本人・保護者・学校関係者等からの相談に指導主事及び相談員が応じ、個別の状況やニーズに応じた助言・支援を行う。
(業務内容)
・指導主事…幼児、児童及び生徒の学習、生活等についての相談(電話、来所、訪問、メール)に応じたり教職員への講義・講演を行ったりする。当センターの幼児支援を終了した小学生のうち、読み書きのつまずきがある児童に対して個別支援プログラムを行う。
・相談員…幼児、児童及び生徒の学習、生活等についての相談(電話、来所)に応じる。
(対応時間)
・電話相談:月〜金曜、午前8時30分〜午後5時15分
・来所相談:月〜金曜、午前9時〜午後5時
・訪問相談:要請により随時
・メール相談:24時間受付 | 1,219 | 1,160 | 読み書きのつまずきがある小学生に対する個別支援プログラムの新設 |
2 | 専門指導員による教育相談 | 発達が気になる幼児について、継続的な指導・支援及び保護者支援を行う。また、就学に関する情報提供や在籍園との連携を行う。
(教育相談内容 「発達の遅れ」「言葉の遅れ」)
(火・水・木・金曜 午前9時〜午後5時) | 100 | 261 | タブレット端末を購入したため、リース代等が不要 |
3 | 専門医による教育相談会 | 不登校、ひきこもり、発達に関する相談に医学的立場からの助言を行う。
(東・中・西部地区別に1か月に1〜2回実施) | 948 | 948 | |
合計 | 2,267 | 2,369 | |
3 背景
○近年、幼児期・児童期の子育ての難しさとして、基本的生活習慣が身についていない、他者とのかかわりの苦手さ、自制心や規範意識の弱さなどが指摘されている。また、養育者はこの子育ての困難さを解消するために、過度に叱る、規制や禁止を与えるなどをしてしまうため、子どもの自己肯定感を下げ、反抗的な態度や消極的な姿勢を助長してしまう傾向がある。
○保護者や教職員は、困り感を示す子どもへの対応に苦慮し、ストレスや悩みを抱え込む傾向にある。また、具体的な解決に向けての道筋が見いだせないことで、保護者や教職員自身が心理的に追い込まれてしまう状況がある。
〇子どもの困り感は、関わり方の工夫や環境調整を行っても改善されないことが多くあり、医学的支援に対するニーズが高まっている。
〇小学校低学年において読み書きの困難さは生じやすく、既存の支援システムから外れてしまい支援が遅れその後の学校生活の適応に課題が生じてしまう状況が一定数ある。
4 前年度からの変更点
〇(拡充)当センターの幼児支援を終了し就学した児童に対して、学習におけるつまずきを予防するために、読み書きに係る個別プログラムを実施する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
【事業目標】
教育に係る困り感を持つ保護者等の相談者の課題解決のため各種相談活動を実施する。
・電話や来所等による相談者への支援等の実施
・教職員への児童生徒理解に係る講義・講演の実施
・相談に係る取組の周知
・専門医による教育相談会の実施
・関係機関との連携
【取組状況】
・「落ち着きがない」「対人関係のトラブルが多い」「集団に入れない」「登校ができない」等の相談内容が多く、幼児期における個別支援プログラムの実施や保護者、園・学校、関係機関等と連携を図っている。
【改善点】
・電話相談や来所相談において心理学的理論を活用しながら、相談者の主訴の解消に努める。
これまでの取組に対する評価
〇指導主事、教育相談員、相談員による教育相談
相談に対して、相談手法の工夫やケース検討会などを適宜実施し、組織力を活かした取組で主訴の軽減・解消を図ることができた。
〇専門指導員による教育相談及び個別指導
園や学校をはじめ関係機関との連携を図りながら、就学に向けて細やかな支援を行った。保護者アンケートでは、9割の保護者が「大変満足」「満足」と回答し、支援内容の妥当性が示された。幼児の発達ニーズに対応できる個別支援プログラムの開発が進んだ。
〇専門医による教育相談会
相談者へのアンケートでは、8割が「大変満足」「満足」と回答があり、所期の目的が達成できた。
〇小学校低学年における読み書きの困難さに関する相談が一定数あり、既存の支援システムに加えた新たな支援システムの構築が必要である。