1 事業の目的・概要
中国における飼料需要増加や南米産のトウモロコシの作況悪化、ロシア・ウクライナ情勢、原油高、円安など様々な影響により、飼料価格、資材・燃料代などが高騰し、県内畜産農家の経営を圧迫していることから、緊急的に畜産農家へ支援を行う。
2 主な事業内容
これまでに例を見ない飼料高騰の中において、経営継続及び経営改善に取組む酪農家等に対し、飼料費の一部を支援する。
(1)飼料高騰等への支援
対象者 | 現行の制度による補填 | 対象経費 | 補助率 | 事業実施主体 | 事業対象期間 | 補正要求額
(単位:千円) |
酪農農家 |
- 配合飼料価格安定制度の補填対象は、飼料全体の2割であり、その他の飼料(独自の配合飼料4割、粗飼料4割)は、補填対象外。
【飼料内訳】
配合飼料 20%
独自の配合飼料 40%(補填対象外)
粗飼料 40%(補填対象外) | 令和3年度の1頭あたりの飼料価格を基準として、基準価格を超えた飼料代の一部を支援
※配合飼料価格安定制度で補填される額を除く | 1/3以内 | 大山乳業農業協同組合 | 令和4年4月〜令和5年3月 | 338,428 |
養鶏農家 |
- 配合飼料価格安定制度で、飼料全体を補填できているが、原資の一部である生産者の負担金(R3まで400円/トン、R4から600円/トン)が値上がりした。
【飼料内訳】
配合飼料 100% | 配合飼料価格安定制度の生産者負担金の一部を支援 | 1/2以内 | 鳥取県配合飼料安定基金協会等 | 令和4年4月〜令和5年3月 | 35,584 |
※配合飼料価格安定制度:配合飼料価格(輸入原料価格ベース)の上昇が畜産経営に及ぼす影響を緩和するため、生産者と配合飼料メーカー、国による積立金から生産者へ補填する制度
(2)既存セーフティネット制度の拡充支援
対象者 | 現行の制度による補填 | 対象経費 | 補助率 | 事業実施主体 | 事業対象期間 | 補正要求額
(単位:千円) |
養豚農家
肉牛農家 |
- 配合飼料価格安定制度による補填
- 牛・豚マルキン制度による補填
【飼料内訳】
配合飼料 100% | 牛・豚マルキンで経営補償されない1割部分を支援
※牛マルキンは既に制度化済み。
※豚マルキンを新たに制度化する。(拡充) | 1/2以内 | (公社)鳥取県畜産推進機構 | 令和4年4月〜令和5年3月 | 28,688 |
※牛・豚マルキン制度:販売価格が生産費を下回った場合に、交付金を交付する制度(差額の9割補填)
(3)経営悪化した農家に対する経営改善のための支援
対象者 | 補正理由 | 対象経費 | 補助率 | 事業実施主体 | 事業対象期間 | 補正要求額
(単位:千円) |
県内畜産農家 | 飼料高騰等により資金繰り等悪化した農家に対して、抜本的な経営改善のための緊急支援が必要 | 経営改善のための専門的経営コンサルタントによる指導費の一部を助成 | 1/3以内 | 県内JA等 | 令和4年4月〜令和5年3月 | 3,000 |
3 要求理由
輸入穀物価格の高騰により、生産に係る飼料費が増加している中、コロナ禍等で畜産物価格に転嫁できない状況で、畜産経営が圧迫されている状況に追い込まれている。
◆配合飼料価格安定制度による補填及び生産者負担
※生産者負担額
(1)酪農 35,624千円(4千円×8,906t(年間消費))
(2)養鶏 464,952千円(4千円×116,238t(年間契約数量))
◆牛豚マルキンによる補填
※生産者負担額(補填されない1割)
(1)牛マルキン 45,224千円(1頭当たり6,000円)
(2)豚マルキン 12,151千円(1頭当たり88円)
※補填実績
(1)配合飼料価格安定制度>>
(2)牛マルキン>>
(3)豚マルキン>> ※H25以降発動なし