1 事業の目的・概要
本県の豊かな「食」を支える水産物を安定的に供給するため、主要水産産地における共同利用施設などの整備を支援することにより、生産基盤の底上げを図り、強い水産産地の形成を目指す。
2 主な事業内容
(単位:千円)
補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 |
主要水産産地共同利用施設等整備事業費補助金 | 主要水産産地の活力を維持・発展させるために必要な共同利用施設の整備等に要する経費の一部を補助
※上記を担保するため、浜の活力再生プランへの位置づけを採択の要件とする。 | 漁業協同組合 | 県1/3、市町村1/6
<補助上限>20,000千円/漁協 | 12,234 |
【主要水産産地】
流通拠点漁港(※)を有する地区、生産拠点漁港(※)を有する地区、港湾のうち産地市場を有する地区
【補助対象施設】
漁船のための給水・給氷・給油・給電施設、荷捌施設、鮮度保持施設、作業保管施設、加工処理施設、海水処理施設、畜養施設、漁船保全修理施設、漁業作業等軽労化機能施設 等
※ 「流通拠点漁港」及び「生産拠点漁港」は、漁港漁場整備法第6条の2に規定する漁港漁場整備基本方針の規定を踏まえ、各地域の水産業形態に合わせ、都道府県知事が作成する圏域総合水産基盤整備事業計画にて設定される。
「流通拠点漁港」…産地市場を有し、水産物の集出荷の拠点となる漁港
・圏域の範囲を越えて、広域集出荷圏を持つ全国的流通拠点漁港
・圏域範囲内で陸揚げ・陸送等による集出荷流通拠点を形成する漁港
「生産拠点漁港」…地先に優れた漁場を擁し、生産地として中核的な役割を担う漁港であり、
3 課題
〇これまで国庫事業を中心に水産産地の基盤整備を支援してきたが、国庫の要件が一定の規模や受益者を対象とするため、鳥取のように生産者が少なかったり必要とされる施設の規模が小規模な場合、要件を満たすことができないことがある。
〇また、全国的な生産基盤の老朽化により、年々、予算要望が高まっており、必ずしも採択されない状況となっていること、また、要望から採択まで最短でも1年近くを要し、現地の課題に機動的に対応ができない等の課題がある。
4 背景
〇水産業は、流通・観光等、幅広い産業に貢献しており、その受益は市町村の範囲を大きく越え、幅広い県域の活性化に寄与している。漁獲物は、県内流通はもとより、県外(京阪神、北陸、関東周辺)にも多く流通している。また、流通・加工等、周辺地域の関連事業の雇用創出にも大きく寄与している。
〇主要水産産地の共同利用施設の整備等を支援し、生産基盤を維持することは安定的な水産物の供給のみならず、地域産業の活性化、雇用の創出に重要である。
〇また、本県は、全国の中でも、人口減少、若者の県外流出、高齢化が進んでいるが、全国に先駆けH12年から行っている漁業就業者確保対策の効果により、漁業就業者の若返りが図られている。
〇しかしながら後継者のいる個人漁業経営体はわずかであり、今後も計画的な新規就業者の確保を進めていかなくては、水産産地の維持・発展どころか、産地の存続すら危ぶまれる状態にある。
〇給油施設や鮮度保持施設等の生産基盤が確保されていない場合、操業や出荷に余分な経費や労力を要することから、特に漁業自体にも不慣れな新米就業者にとって大きな負担になる。漁業者の経営安定はもとより、新たな就業者を呼び込むためには、安心して漁業に専念できる施設や体制が必要である。
〇漁業者の経営安定、新規就業者の確保には、安定した漁業収入に加え、基本的な生産基盤が確保されていることが重要であり、生産基盤の維持・改善等により、持続的な水産業の維持発展を図る。
5 令和4年度要求事業
〇田後地区燃油供給施設
(1)総事業費 36,700千円
(2)事業主体 田後漁業協同組合
(3)事業規模 70KLタンク1基、200KL既設タンク解体1基
※ 田後港を拠点とする沖合底びき網漁船は県内23隻のうちの6隻であり、田後地区は本県沖合底びき網漁業の重要な拠点。
※ 燃油供給施設は、今後もこの体制を維持するために必要不可欠な生産基盤。
※ 現有タンクは、S48及びS51に整備されたものであり、老朽化が著しい。