1 事業の目的・概要
医療的ケア児とその家族に係る多様な課題解消に向け、令和3年9月18日に施行された医療的ケア児支援法に基づく「医療的ケア児支援センター」を設置するとともに、医療的ケア児者の在宅支援に係る人材の育成・確保等を総合的に行い、地域で安心して生活できるための環境を整える。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 事業内容 | 要求額 |
1 | 医療的ケア児支援センター設置事業 | 医療的ケア児の支援に関する専門性の高い相談に総合的に対応できる窓口を設置し、医療的ケア児やその家族等の適切な支援に繋げる。
■業務内容
(1)相談業務
医ケア児や家族の総合的な相談対応、ケアに関わる専門職、関係機関からの専門相談支援など
(2)関係機関との連携・調整
関係機関と医ケア児の情報を共有した連携支援、小児期から成人期への円滑な移行支援、広域的課題や調整困難案件のコーディネートなど
(3)人材育成
医ケア児コーディネータ―や訪問看護師の養成、フォローアップなど
■医療的ケア児支援センター(総合窓口)の設置
〇委託先:社会医療法人同愛会博愛こども発達・在宅支援クリニック
〇医療的ケア児支援マネージャー(看護師1名、福祉職1名)、事務職1名を配置
■東部相談窓口の設置
〇委託先:公益社団法人鳥取県看護協会
〇医療的ケア児支援マネージャー(看護師1名)、事務職1名を配置 | 37,788 |
2 | 医療的ケア児に係る訪問看護師育成支援事業 | 医療的ケア児の訪問看護を行う際に、経験の少ない他の訪問看護ステーションの訪問看護師を育成目的で同行させた場合、それぞれの訪問看護ステーションに人件費相当額を補助し、医療的ケア児の支援ができる訪問看護ステーションの拡大を図る。
<補助単価>
(参加側)実地研修に参加する看護師1名につき1.1万円/回
※特定の利用者に係る同一看護師の研修は3回まで
(受入側)実地研修を行う場合1.1万円/回 | 1,980 |
3 | 在宅医療的ケア児者支援体制強化事業 | 訪問系のサービスについては、手厚いケアが必要な重度者への支援を積極的に提供するインセンティブが殆どない制度(基本報酬は時間区分のみによって単価設定)となっているため、独自の加算制度を設ける。
また、遠隔地の利用者宅への移動や通院移動時(運転時)についても、事業者の負担を軽減するための独自の加算制度を設ける。
補助対象者 | 居宅介護、重度訪問介護サービスを提供する障害福祉サービス事業者 |
対象(加算)経費 | 障害支援区分が区分6の超重度者で医療的ケアを必要とする障がい児者等にサービスを提供する際に発生する報酬 |
補助率・加算割合 | <補助率>
県1/2、市町村1/2 ※市町村負担は任意
<加算割合>
【重度加算】通所系サービスにおける基本報酬への加算額(約15%)と同程度(10,710千円)
【遠隔地加算】サービス提供1回あたり最大で2千円(500千円)
【通院加算】通院等介助等のサービスを提供した場合に1回あたり最大で2千円(250千円) |
| 11,460 |
4 | 障害福祉サービス利用コーディネート機能強化事業 | 複数のサービス種別・事業所を組み合わせをコーディネートする人材である「相談支援専門員」が不足しており、相談支援専門員を新規に配置する事業所、追加で配置する事業所に対して、相談支援専門員の設置にかかる人件費の一部を支援する。
補助対象者 | 指定特定相談支援事業を行う事業所等 |
対象経費 | 相談支援専門員の設置にかかる人件費 |
補助率 | 補助対象経費に対して市町村が補助する額の1/2(上限1,000千円) |
| 3,000 |
5 | たん吸引研修等受講奨励金交付事業 | たん吸引等の資格を得るための研修を受講する際に、サービス提供をしていれば本来得られたであろう報酬額の1/2程度の奨励金を交付し、資格取得者を増やす。
補助対象者 | 研修を受講する障がい福祉従事者の所属する障害福祉サービス事業者 |
対象経費 | 研修受講に必要となる経費、逸失利益 |
| 745 |
6 | 後方支援看護師の配置
[組織要求] | 保育所、学校、事業所等の配置看護師の初期サポートや、業務の困りごとについて相談できる後方支援看護師を県立療育機関(総合療育センター、鳥取療育園、中部療育園)に配置し、巡回サポート等で配置看護師の不安や負担を軽減し、医療的ケア児の通所、通学の安定を図る。 | − |
合計 | 54,973 |
3 背景と必要性
医療的ケア児の支援の充実を検討するにあたり、県においてプロジェクトチームを立ち上げ、相談、情報、調整機能の充実、人材や受け皿の拡充、質の向上(人材育成)の必要性を整理し、推進するための取組として本事業を新たに行うこととした。
4 財源について
センターについては、国庫補助金として、8,783千円(補助率 国1/2)が充当される見込みであり、地方負担分については、普通交付税措置される予定。