1 事業の目的・概要
5年・10年先の本県産業の成長軸となる産業分野として、「脱炭素分野(次世代車)」「脱炭素分野(水素技術)」「宇宙関連産業分野」「産業DX」の4分野から着手をしているが、既に県内にある技術・産業等についても、新たな刺激を受けてさらなる進化につながる可能性を有している。
既に県内にある技術・産業のさらなる展開を促すため、県内の様々な技術・産業等の異分野交流から生まれる偶発的な出会いを新たな産業・事業に展開し、それがさらに次の偶発的な出会いのサイクルを回す「産業創出のエコシステム」として、プラットフォーム「とっとりインダストリーMix」を構築する。
2 主な事業内容
プラットフォーム「とっとりインダストリーMix」は、オンラインとオフラインの2つの要素で構成する。
(1)異分野交流「とっとりインダストリーMixオンライン」構築事業
県内の技術・人材の交流の場をチャットツール等でオンライン上に構築し、異分野交流による協働の取組、シーズとニーズのマッチング等のプラットフォームとする。
(2)異分野交流「とっとりインダストリーMix展示発表会」実施事業
定期的にこれらのオンライン活動の結果報告及び交流の場として「展示発表会」を開催する。
多様な分野の取組に触れる場として機能させ、偶発的な産業同士の交流による新たな事業展開につなげていく。
この「オンライン」「オフライン」のプラットフォームを運営しつつ、産業同士の偶発的な出会いに導いていく。
(単位:千円)
| 区分 | 内容 | 要求額 |
1 | 【新規】
異分野交流「とっとりインダストリーMixオンライン」構築事業
<地方創生推進交付金充当> |
オンライン上で参加者同士が交流できるアプリケーションを使って、「とっとりインダストリーMix」オンライン異分野交流プラットフォームを構築し、日常的な異分野交流を促進する。
■オンラインプラットフォームの構築
オンライン上で参加者同士が交流できるアプリケーション(Slack・無料版)を使って、「とっとりインダストリーMix」オンライン異分野交流プラットフォームを構築する。
■プラットフォームの管理運営 事業費:1,000千円 (委託料)
プラットフォームのコーディネーター役として、利用者管理や定期的な情報提供業務(知財情報、県内外の新たな技術情報等のトピック)を委託する。
| 1,000
|
2 | 【新規】
異分野交流「とっとりインダストリーMix展示発表会」実施事業
<地方創生推進交付金充当> | 定期的なオンライン活動の報告及び直接対面によるオフライン交流の場として、「とっとりインダストリーMix展示発表会」を2回開催する。
| 1,000 |
| | 合計 | 2,000 |
参考事例1
本県発の技術として、偶然から生まれた「氷温技術」があり、既に830品目が認定されるような一大産業となっている。 この事業では、複数の偶発的な出会いから「第二の氷温技術」候補を発掘することを目指す。
参考事例2
「広島県が開設したオンラインコンソーシアム」
令和3年10月、広島県、広島大学、県立広島大学、叡啓大学、広島市立大学がオンラインチャットツール「Slack」を使った産学連携組織「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」を発足させた。
県内外約100社の参加を得て年度内にも始動させる予定。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<事業目標>
県内の様々な技術・産業等の異分野交流(ミックス)による偶発的な出会いから産業を創出する「産業創出のエコシステム」を構築する
(令和4年度目標)
「とっとりインダストリーMix」参加者数 50人
<取組状況・改善点>
※以降、「ファインバブル」は「マイクロバブル」と記載します。
○ベース技術となる「ファインバブル産業創出事業」について
・平成30年度に、マイクロバブル技術による新規産業の創出、地方創生を目指す自治体・関係機関による情報交換等を実施する「ファインバブル地方創生協議会」の総会を本県で開催した。その際、マイクロバブル技術の導入可能性・実例等を紹介するセミナーを開催し、県内外の企業等から約100名が参加した。
・令和元年度より県内企業・米子高専・研究機関等で構成する「ファインバブル研究会」に対し、事業可能性調査・技術研究への支援を開始した。
・令和2年度からは、マイクロバルブ技術の陸上養殖への活用検討のため水産業分野を加え、事業化に向けた研究を開始した。
これまでの取組に対する評価
令和元年度より、米子工業高等専門学校を事務局に、鳥取県産業技術センター、鳥取県産業振興機構及び県内企業を交えた産官学で連携した「ファインバブル研究会」を立ち上げ、マイクロバブル技術に係る事業可能性調査・技術研究を開始した。
・ 研究会のキックオフセミナーには県内企業をはじめ約40名が参加し、マイクロバブル技術導入機運の醸成及び具体的な事業展開へ向けたスタートを切った。
・ マイクロバブル技術は多岐にわたる分野で応用が可能であり、徐々に分野別研究会の種類を増やし、その運営を支援することで、地域産業の強化・創出へ向けた取り組みを推進してきた。
・ 令和2年度には、食品加工分野及び洗浄分野に加え、水産業分野の研究を開始した。研究内容として特に、陸上養殖における魚類の成長促進、食品加工分野における機械洗浄の効果など大きな期待が寄せられている。