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令和4年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  政策戦略事業要求      支出科目  款:教育費 項:教育総務費 目:教育連絡調整費
事業名:

不登校児童生徒支援事業

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教育委員会 いじめ・不登校総合対策センター 指導担当 

電話番号:0857-28-2362  E-mail:zaisei@pref.tottori.lg.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
R4年度当初予算要求額 3,189千円 24,911千円 28,100千円 1.5人 4.6人 0.0人
R3年度当初予算額 839千円 24,116千円 24,955千円 1.4人 4.6人 0.0人

事業費

要求額:3,189千円  (前年度予算額 839千円)  財源:国1/3 単県 

事業内容

1 事業の目的・概要

 小・中学校の不登校児童生徒への継続した支援のため、県教育委員会と市町村教育委員会が今まで以上に連携し、学校訪問等による指導助言や教職員研修を行い、校内組織体制づくりと児童生徒理解に基づく支援の充実等を図る。更に中学校(校区内の小学校へも対応)へのスクールカウンセラー配置や学校生活適応支援員配置等により、不登校の未然防止及び早期支援や不登校状態の児童生徒の学校復帰も含めた児童生徒一人一人のための社会的自立を目指す。また、重大な事故等が発生した場合に備えて、臨床心理士を派遣できる体制を整備する。

2 主な事業内容

細事業名
内容
要求額
前年度予算額
前年度からの変更点
【新】全県協働学校づくり事業 小中学生による不登校やいじめ、暴力等の問題解決のため、県及び全市町村が課題解決の方策を協働して検討・実践する。

【背景】
〇本県の小中学生の不登校児童生徒数が過去10年で最も高い。
 ※不登校者数
  [R2年度]小学校:全児童数の1%、中学校:全生徒数の3%
 ※小学生の暴力行為(対教師暴力・生徒間暴力・対人暴力・器物損壊)が過去最多。

【実施内容】
(1)「いじめ・不登校等対策連携会議」の開催
 ・市町村教育委員会の取組、課題等について協議し大学教授等の助言、指導を受けて対策を検討する。(県及び全市町村)
 ・いじめ、不登校対策について研修を行う。
(2)学校への指導助言等
 ・市町村教育委員会は取組重点校を設定し、県と市町村で学校訪問し指導助言を行う。
 ・市町村の個別課題に対して有識者から助言、指導を受ける。
2,190
0
校内サポート教室設置事業(県内公立中学校5校) 通常の学級での学習等や集団での生活が困難となった不登校(傾向)生徒の支援を行う校内サポート教室に専属の支援員を配置し、個々の生徒の状況に応じた学習支援・生活支援を行う。
 また、ICTを活用してサポート教室内または自宅での遠隔授業等の実施を目指す。
50
0
学校生活適応支援員配置事業
(国1/3)
 不登校をはじめとする生徒指導上の諸課題が心配される公立小学校18校に「学校生活適応支援員」を配置し、不登校等の未然防止や早期発見・早期支援に取り組む。小学校18校に配置小学校18校に配置学校生活適応支援員の配置時間数を週12時間から週17時間に拡充
スクールカウンセラーの配置
(国1/3)
 不登校やいじめ、問題行動等の対応の充実を図るため、中学校に臨床心理士等をスクールカウンセラーとして配置する。全中学校56校に配置全中学校56校に配置
臨床心理士等の緊急支援体制の構築(単県) 児童生徒に影響する重大な事故等が発生し、学校や地域が混乱し特別な支援が必要になった際等に、臨床心理士等を派遣し、緊急の支援を行う。
825
275
新型コロナ感染症に対応するための時間増(50時間→150時間)
その他
124
564
合計
3,189
839

3 背景・現状

不登校児童生徒は全国的にも増加の一途であり、鳥取県においても喫緊の課題である。令和2年度の文部科学省調査によると県内の小中学生の不登校児童生徒数出現率は過去10年で最も高く、小学校では全児童数の1%、中学校では全生徒数の3%が不登校となった。併せて、小学生の暴力行為(対教師暴力・生徒間暴力・対人暴力・器物損壊)も過去最多となり、学校現場において様々な教育的課題が表出している。
    • 児童生徒を取り巻く環境が多様化・複雑化してきており、不登校児童生徒の要因・背景も一人一人異なる。そこで、不登校児童生徒の要因・背景を見立て、適切な支援を早期に行うことが必要となる。不登校というだけで問題行動であると受けとらず、子どもを中心において状況を把握し、周りの大人によって不登校児童生徒の困り感及び環境面への支援を充実させることが必要となってきている。また、教育相談体制の充実を図る学校組織において、今後10年で50歳代のベテラン教員が退職し、若手教員が急増する大きな年齢構成の変化も見込まれており、これに対応する学校組織体制の構築が急務となっている。
    • 不登校支援(その他の教育的課題の解決においても)には、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門家や関係機関と連携した組織的対応が必要な事案が増えている。
    • 平成29年2月14日に施行された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」における基本的な考え方に基づき、不登校児童生徒の学校復帰(「学校に登校する」という結果)のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的自立に向けた多様な支援を行うことが必要となっている。この考えのもと文部科学省から令和元年10月「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」が出され、本県では令和元年度、不登校児童生徒の学習機会を確保するため、県教育支援センター(県内3ヶ所)に各1名(計3名)の自宅学習支援員を配置し、ICTを活用した自宅学習支援事業を実施、令和2年度から校内サポート教室を県内中学校に3校配置し、令和3年度から5校へ拡充している。
    • 新型コロナウイルス感染症に児童生徒が感染した場合、感染した児童生徒のみならず、周りの児童生徒への心のケアも必要となり、そのケアは長期にわたる。通常の相談案件に加えて、新型コロナウイルス感染症に関係した相談案件が加わると、既に割り当てられているスクールカウンセラーの相談時間数では足りなくなるため、相談時間の確保が必要である。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

【事業目標】
 不登校の要因・背景に着目した児童生徒理解に基づく支援の充実を図る。
【取組状況】
・小学校における不登校の支援の充実を目的として、学校生活適応支援員を18校に配置し、支援体制を強化した。
・スクールカウンセラーを中・義務教育学校に配置し、校区内の小学校を含めて相談等に対応している。
・スクールカウンセラーの資質向上のため、連絡協議会(年2回)、研修会(年2回:東・中部、年1回:西部)を実施した。
・重大な事故等で緊急支援が必要になったときに迅速に臨床心理士等を派遣できる体制を整備している。
・令和2年8月に「不登校の理解と児童生徒支援のためのガイドブック『あしたも、笑顔で』」を作成し、教職員の不登校児童生徒の状況に応じた支援等の充実を図っている。
【改善点】
・学校教育支援サイトに不登校に係る校内研修用動画「鳥取県がめざす不登校支援について」を掲載し、校長会等で活用を促している。

これまでの取組に対する評価

(1)学校生活適応支援員配置事業
・学校生活適応支援員を配置した小学校18校では、不登校(傾向)児童へのきめ細かな支援が進み、登校へとつながる例が多数あった。
(2)スクールカウンセラーの配置
・校内支援委員会やケース会議等で専門的な視点でのアドバイスを行い、児童生徒の効果的な支援につなげることができた。
・勤務開始日を4月1日に早めたことで、学年始休業中から勤務が可能となり、校種間の引継等において有効に活用できた。
(3)スクールカウンセラー研修充実事業
・毎年、事例検討や講義等を実施し、スクールカウンセラーの資質向上につながっている。
(4)臨床心理士等の緊急支援体制の構築
・臨床心理士等が迅速に対応し、子どもが落ち着いて学校生活が送れるようになった。
(5)学級力・組織力による不登校改善事業
・「学校の支援体制の充実」に係る研修会を2回実施した。毎回概ね200名程度参加があり、学校における支援体制のさらなる充実につながった。
(6)子どもの不安解消プロジェクト事業
・DVD(スタートプログラム)の貸出しにより、不安を抱えた児童への関わり方など教員の資質向上につながった。




要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 839 31 0 0 0 0 0 0 808
要求額 3,189 31 0 0 0 0 0 0 3,158