現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和5年度予算 の 農林水産部の気候・風土に適応した砂丘ラッキョウ・ナガイモの安定生産技術の確立
令和5年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

気候・風土に適応した砂丘ラッキョウ・ナガイモの安定生産技術の確立

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農林水産部 園芸試験場 砂丘地農業研究センター 

電話番号:0858-36-2039  E-mail:engeishiken@pref.tottori.lg.jp

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
令和5年度当初予算額 5,179千円 34,845千円 40,024千円 3.4人 2.9人 0.0人
令和5年度当初予算要求額 5,179千円 34,845千円 40,024千円 3.4人 2.9人 0.0人
R4年度当初予算額 5,179千円 35,060千円 40,239千円 3.4人 2.9人 0.0人

事業費

要求額:5,179千円  (前年度予算額 5,179千円)  財源:単県 

一般事業査定:計上   計上額:5,179千円

事業内容

1 事業の目的・概要

本県東部地区、中部地区の砂丘畑の主要品目であるラッキョウ、ナガイモについて生産振興を図るための生産技術確立を行う。

    (1)ラッキョウ
     冬季および春先の天候不順による単位面積当たり収穫量の減少、人手不足による生産性の低下等により出荷量が減少傾向にあるため、安定生産、作業労力の分散、省力化、生産コスト低減技術の開発を行う。
    (2)ナガイモ
     集中豪雨、夏季の高温等の天候不順により、本県ナガイモの主力品種である「ねばりっ娘」は芋に障害が発生し品質の低下が問題になっているため、原因究明と対策技術開発を行う。あわせて、高齢化等による生産量減少対策として、省力化技術の導入を検討する。また、近年本県で問題となっている、生育期間中に発生する腐敗症状(黒陥没症・褐変症)および出荷後に発生する腐敗症状の原因究明及び対策法の検討を行う。

2 主な事業内容

品目等小課題主な試験内容
ラッキョウ1安定生産技術の確立


2土壌害虫の防除技術確立、ウイルス病の実態調査
(1) 高収量を得られ、かつ省力な施肥法の開発。
(2)高収量を得られる種球育成技術の検討。
(3)早期出荷に向く系統の特性調査・選抜。
(1)土壌害虫対策の検討、ウイルス病のモニタリング及びウイルス病被害の少ない系統選抜
ナガイモ1「ねばりっ娘」専用栽培技術の確立


2黒陥没症・褐変症対策技術の確立
(1) 縦割れ症発生原因の究明と低減技術の確立。
(2)出荷後に発生する腐敗の原因究明。
(3)省力作業化を目的とした技術開発。
(1)発生原因の究明と低減技術確立。
(2)褐変症多発ほ場における褐変症発生低減技術の確立
ラッキョウ・ナガイモ共通 環境に配慮した施肥法の開発(1)硝酸態窒素の流亡のモニタリング。
(2)改良施肥法の窒素・リン酸溶脱量を慣行施肥法の場合と比較。
(3) リン酸施肥の削減。

3 背景

(1)ラッキョウ
ア 鳥取県の栽培面積は171ha(R3)と日本一であるが、近年、漸減傾向にある。
イ 原油高等による原材料費の高騰、高齢化等により、一層の低コスト・省力化技術の開発が求められている。
ウ 近年、春先の天候不順によって出荷時期が遅くなる傾向があり、市場ニーズに合った出荷ができていない。そのため、従来より早く出荷が可能な早出し技術の開発が求められている。
エ 健康食品として認知度も高く、消費者、団体、加工、流通業者および生産者からより安心・安全な、有機・特別栽培への要望が高まっている。
(2)ナガイモ
ア 「ねばりっ娘」は本県育成のオリジナル品種であり、本県以外での栽培はない。そのため、「ねばりっ娘」の特性をいかした、栽培法の確立が急務である。また、近年問題になっている「ねばりっ娘」特有の生理障害(縦割れ症)低減技術の確立が求められている。
イ 夏季の高温・ゲリラ豪雨等の気象変動等により、「ねばりっ娘」・普通ナガイモともに生産量低下の大きな原因となっている芋に発生する障害(黒陥没症・褐変症)の原因究明および対策法の確立が求められている。
ウ 特に生育期間中に発生する障害については早急に解決してほしいという生産部からの強い要望がある。
(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
ア 砂丘地で栽培しているラッキョウ、ナガイモは施肥量が多く、地下水への肥料成分の溶脱も多い。自然環境にやさしい農業が注目されている中、環境に配慮した施肥法の開発が求められている。
(4)事業の対象者:県内ラッキョウ生産者240戸、ナガイモ生産者150戸、消費者。

4 事業効果

(1)ラッキョウ
・安定生産により市場への供給量も安定し、「信頼できる産地」としての評価が一層高まり、高単価での取引も期待でき、生産者の所得向上、産地としてブランド力強化につながる。
(2)ナガイモ
・各種障害による被害が少なくなり、「ねばりっ娘」・ナガイモともに品質の向上や生産量の増大により、所得向上が見込める。
(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
・環境に配慮した施肥法の確立により、無駄な施肥を防ぎ生産コストを削減できる。また、消費者の食への安心・安全志向に合致した「選ばれる産地」になる。

5 令和5年度要求額内訳(単位:千円)

                 内訳
  要求額
現地試験栽培管理委託費    818
(債務負担行為…令和6年度分)   (127)
学会・検討会・研修会への出席旅費    300
使用料及び賃借料(各種作業機械レンタル料)    268
ラッキョウ・ナガイモ栽培用資材・分析用試薬等購入費  3,793
                  合計
  5,179

6 年度別試験内容と事業費

年度  事業費    事業内容
  (千円)ラッキョウナガイモ共通
H31 5,507施肥・早出し系統・種球植付け時期の検討
土壌害虫調査・ウイルス病モニタリング
「ねばりっ娘」栽培法・普通ナガイモの安定生産技術の検討
黒陥没症原因究明
環境に配慮した施肥法の検討
R2 5,507施肥・早出し系統・種球植付け時期の検討
土壌害虫調査・ウイルス病モニタリング
「ねばりっ娘」栽培法・普通ナガイモの安定生産技術の検討
黒陥没症原因究明
環境に配慮した施肥法の検討
R3 5,179年内施肥法確立、早出し系統選抜、種球育成法検討
土壌害虫調査・ウイルス病モニタリング
「ねばりっ娘」栽培法・黒陥没症低減技術の検討環境に配慮した施肥法の検証
R4 5,179施肥法や種球育成法等を組合せた技術検討
土壌害虫防除薬剤の探索・ウイルス病モニタリング
「ねばりっ娘」栽培法・黒陥没症・褐変症低減技術の検討環境に配慮した施肥法の検証
R5 5,179安定生産技術確立
土壌害虫防除薬剤の探索・ウイルス病モニタリング
ウイルス感染被害の少ない系統選抜
「ねばりっ娘」栽培法・黒陥没症・褐変症低減技術の確立環境に配慮した施肥法の確立
合計26,551

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

(1)ラッキョウ
目標:高収量を得られる施肥法・種球育成技術確立、早出しに向く系統選抜
取組状況:収量に影響する重点施肥時期を明らかにした。
早期出荷に向く品種を選抜中。
改善点:肥効調節型肥料を用いた基肥一発施肥による省力栽培法を検討する。
種球植付時期及び種球への施肥方法を検討する。

目標:土壌害虫の防除技術確立、ウイルス病の実態調査
取組状況:種球に寄生したネグサレセンチュウ対策に効果の高い温湯処理条件を明らかにした。
ウイルス感染が認められるが収量に影響の少ない系統を選抜中。

目標:特別栽培技術の確立
取組状況:化学肥料を半減しても慣行並みの収量を得られる施肥体系を確立した。特別栽培防除体系でも生育に影響はなく、慣行と同等の収量が得られた。
改善点:特別栽培法の試験結果をまとめ、栽培体系を確立する。

(2)ナガイモ
目標:「ねばりっ娘」専用栽培技術の確立
取組状況:「ねばりっ娘」特有の縦割れ症の発生は土壌pHが高い場合や増肥によって助長されることが分かってきた。
油圧ショベルによる収穫は従来のトレンチャー収穫と比べて収量および芋品質に差はなかった。
改善点:縦割れ症の原因究明及び低減法を検討する。
つる切り時期の早晩が長期保存した芋品質に影響を及ぼすか調査する。
かん水間隔の違いによるムカゴ低減等、省力栽培技術の確立を行う。
目標:ナガイモ黒陥没症対策技術の確立
取組状況:黒陥没症は無かん水区と比較してかん水処理区で発生が多く、かん水の影響が考えられた。
     土壌改良資材を連年施用した結果、黒陥没症の発生が低減する傾向が見られた。
褐変症発生に品種間差はなかったが、褐変症が発生した芋から採取した種芋を褐変症多発ほ場に定植すると褐変症が激発した。
改善点:土壌改良資材による発生低減効果確認、土壌pHの影響やかん水量・頻度について検討する。
褐変症多発ほ場において、種芋の来歴による影響や土壌消毒による効果等を検討する。

(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
目標:環境に配慮した施肥法の開発
取組状況:ラッキョウの9・10月重点施肥区の窒素溶脱量は慣行区と比較して減少した。
ナガイモでは生育後半施用した窒素が多く溶脱していた。
改善点:新たな改良施肥法の窒素・リン酸溶脱量を慣行施肥法の場合と比較する。

これまでの取組に対する評価

令和3年度 外部評価委員会議(中間評価)の結果
   評点 13.1  判定 ◎
(評点9以上で試験実施)
評価委員の主な意見
・着実に成果が得られている。経年的な結果が必要な技術については、再現性を十分に把握すること。
・安定生産に繋がるよう期待する。
・生産性の維持や市場評価ともに安定していると思うが、今後も品質や生産性を維持すること、様々なアクシデント(病害など)への対処などに注力してほしい。

〈自己分析〉
(1)ラッキョウ
天候不順にも対応し安定的な生産を可能とする施肥体系を確立し、「信頼できる産地」として評価が高まるよう支援したい。
(2)ナガイモ
鳥取オリジナル品種「ねばりっ娘」の品質・収量向上に最適な栽培法を早期に確立するとともに、ナガイモ産地が抱える栽培に関する課題を解決し、より産地が発展していくための支援を行っていきたい。
(3)ラッキョウ・ナガイモ共通
環境負荷の少ない持続可能な栽培ができる技術確立を行い、生産コスト削減と消費者から選ばれる産地づくりを支援したい。

財政課処理欄


要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 5,179 0 0 0 0 0 0 0 5,179
要求額 5,179 0 0 0 0 0 0 0 5,179

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
計上額 5,179 0 0 0 0 0 0 0 5,179
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0