1 事業の目的・概要
国民・県民共有の財産である国史跡妻木晩田遺跡を適切に保存・管理するとともに、公開・活用するために必要な遺構整備、環境整備等を行う。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 既公開施設修繕等事業 | 妻木山地区復元建物修繕【単県】
- 茅の腐食が顕著なMK209号掘立柱建物(高床倉庫)の屋根修繕(茅葺き替え)を行う。
- 屋根修繕用茅の購入
| 5,203 | 4,707 | |
2 | 第1期後期整備等事業 | (1)仙谷地区墳丘墓群整備【国補1/2】
- 仙谷地区墳丘墓群(仙谷地区西側丘陵)の整備工事を行う。
- 仙谷地区の法面保護のための斜面崩落調査・実施設計を行う。
- 妻木山地区未整備地区の整備方針を検討する。
| 49,984 | 17,561 | 仙谷地区の整備工事に着手する。
令和5年度は、令和4年度に実施設計を行った仙谷地区のうち、西側丘陵の仙谷8・9号墓の遺構保護のための埋め戻し、遺構復元工事を行う。
令和4年度の実施設計において、整備工事範囲に斜面崩落が確認されたため、調査及び実施設計を追加で行う。 |
3 | とっとり弥生の王国調査整備活用委員会・整備活用部会の開催、整備現地指導 | (1)とっとり弥生の王国調査整備活用委員会(整備活用部会)【国補1/2】
- 史跡妻木晩田遺跡及び史跡青谷上寺地遺跡の整備活用の方法、計画に関する事項を検討する「整備活用部会」(委員7名、うち2名は県民等より公募)を開催〔3回〕。
(2)整備現地指導等【国補1/2】
- 仙谷地区墳丘墓群等の整備公開手法について、上記委員会委員及び委員外の有識者(保存科学等)を現地に招聘して専門的見地から指導、助言を得る。
| 643 | 639 | |
4 | その他 | (1)茅葺屋根講習会【単県】
- 県内の茅葺事業者のすそ野を広げ、適切に維持管理できる環境を整えていく。
| 0 | 193 | 毎年実施することとしていたが、計画を見直し、数年に一度実施することに変更。このため、令和5年度は休止。 |
5 | 標準事務費 | | 1,360 | 1,561 | |
合計 | 57,190 | 24,661 | |
3 事業の背景
MK209号掘立柱建物(高床倉庫)は雨漏りが進行しており、躯体に腐食が及ぶ前に早急に屋根修繕を行う必要がある。
- 仙谷1・8・9号墓は早急に適切な遺構保護措置(整地・植栽)を図る必要がある。また、平成23年度に国庫補助を得て整備した園路が仙谷1号墓等の未整備・非公開によって通行止めとなっていることについて、早期の改善が必要。
4 前年度からの変更点
第1期後期整備等事業
令和4年度の実施設計において、整備工事付近で斜面崩落が確認されたため、調査及び実施設計を追加で行う。
仙谷地区の整備工事に着手する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<事業目標>
・既公開施設において、毎年復元建物の大規模改修1棟を実施する。
・とっとり弥生の王国調査整備活用委員会の指導・助言を得ながら、早期に第1期未整備エリアの整備を完成させる。
<取組状況>
・第1期整備は一部未了範囲を除きほぼ終了。整備未了範囲(仙谷地区及び妻木山地区の一部)について、とっとり弥生の王国調査整備活用委員会の指導、助言を得ながら整備、活用のあり方を検討し、令和3年度から基本設計に着手した。
・整備後約20年が経過し、経年劣化により倒壊等のおそれがある復元建物については状態を監視しながら順次大規模改修を行い、安全に見学、活用ができる環境を維持している。
・復元建物は日常的な点検によって状態を注視しながら、適時維持管理作業員による小修繕(指定管理者による作業)を行い、経年劣化による損傷を最低限に抑制するとともに、公園景観を適切に維持している。
これまでの取組に対する評価
<評価>
・第1期整備範囲は年次計画に沿って整備を進め、平成23年度にグランドオープン(未整備エリアを除く)を迎えた。
・豊かな自然環境に囲まれた弥生時代のムラの景観を復元整備し、そのフィールドを舞台として様々な体験活動等活用事業を実施しており、年間約35,000人前後の方が史跡公園に来園している。
・現在は、既公開地区の改善を検討し、追加的な整備を行って、来園者がより快適、安全に活動できる環境を整えている。
<課題>
・既整備箇所(復元建物等)の適切な維持管理と経年劣化に伴う再整備。
・第1期整備未施工箇所及び第2期整備の整備活用方針等についての検討、施工。特に、仙谷地区墳丘墓は新たな首長墓の発見もあって注目度が高いが、整備方法等が未決定のため発掘調査終了後仮保護の状態となっており、保存・公開に向けて早急な整備の施工が急務(令和3年度は基本設計、令和4年度は実施設計を実施)。
・雨天等悪天候時でも団体の来園者(観光・教育旅行)の受け入れ、体験活動が可能な施設の整備、拡充。