1 事業の目的・概要
県内両空港を発着する航空路線の維持・拡充と利便性向上を図るため、両空港の利用促進懇話会等と連携し、各種PR活動や旅行商品造成の働きかけ等を行う。
また、鳥取砂丘コナン空港と鳥取港による「ツインポート」の特色を活かした観光誘客のための取組を実施する。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 鳥取・米子空港利用促進懇話会を通じた取組 | 両懇話会が取り組む航空便の利用促進事業に要する経費の一部を負担する。(路線PRイベント、ノベルティ作成、県内空港利用の旅行商品造成、販促経費の一部支援等) | 29,095 | 29,095 | なし |
2 | 航空便利活用支援事業(エアサポート事業分) | 県の重点施策分野と連携した航空便利用支援を行う。(移住定住・関係人口拡大を目的とした来県、地元ではできない経験のため航空便を利用する子ども、障がい者、介護利用等への運賃支援) | 12,000 | 12,000 | なし |
3 | 航空便利活用支援事業(但馬版キッズエアサポート分) | 但馬圏域への利用拡大に向けた取組
・キッズエアサポート事業の対象を鳥取空港の利用圏域である但馬地域にも適用する。 | 100 | 100 | なし |
4 | 航空便利活用支援事業(空港レンタカー助成) | 県内両空港の航空便利用者に対するレンタカー割引を実施する。
(基本3,000円、外国人最大10,000円) | 15,000 | 6,000 | 増額要求 |
5 | 地元を中心とした航空需要拡大 | 国内便の地元利用を拡大するため、県内に向けて情報発信を行うとともに、新規路線開拓に向けた国内チャーター便(地元発)の就航支援等を行う。 | 4,000 | 4,000 | なし |
6 | 航空路線調査分析 | 県内航空路線の利用動向分析、国内及び国際航空業界の動向分析により路線誘致戦略、効果的な利用促進策等の取組に資する。 | 2,000 | 2,305 | 金額精査 |
7 | 検査機器保守管理等 | 県が保有する検査機器の保守点検等の委託 | 568 | 568 | |
8 | ツインポートの情報発信及び魅力づくり | (1)空の駅PRのための経費 900(600)
(2)空港案内機能強化(2,000)
・鳥取空港に観光・二次交通案内等を行うスタッフを配置する。(土日祝、夏休み等2名配置)
【廃止】(3)鳥取空港ならではの体験メニュー開発0(300)
・空港や港を活かした体験メニューの開発を支援する。 | 2,900 | 2,900 | (1)空の駅PRのための経費を増額要求する。
(3)鳥取空港ならではの体験メニュー開発を廃止する。 |
9 | 全国地域航空システム推進協議会負担金 | 地域航空システムの調査研究を行う協議会への負担金 | 129 | 129 | なし |
合計 | 65,792 | 57,097 | |
3 事業の背景
これまで地元官民が一体となって、航空便の利用促進、空港機能の強化、二次交通対策等の取組を継続的に実施 してきたが、令和2年2月以降、新型コロナウイルス感染症による需要減少に伴う減便などにより搭乗者数が大幅に減少している。
令和4年7月以降、通常運航に戻ったが、搭乗者数はコロナ前の5〜6割ほどまでしか回復していない(令和4年9月末現在)。
コロナの感染状況はいまだ予断を許さず、今後も厳しい状況が継続することが予想されるが、新規路線の就航を含めた両空港の航空路線の充実に向けて、空港利用圏域の拡大や新たな利用者層の開拓など一層の取組が必要である。
また、大幅に減少している搭乗者数の回復に向け、引き続き利用促進の取組を進めていく必要がある。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○鳥取砂丘コナン空港、米子鬼太郎空港の利便性等の向上を進め国内線の利用者増を実現する。また、国内線の定期路線の開設に向け、航空会社へのエアポートセールスを継続する。
○鳥取・米子両空港の利用促進を図るため、鳥取空港の利用を促進する懇話会、米子空港利用促進懇話会と連携し事業を実施するほか、国内路線の充実を図るため、国、航空会社に対して要望を実施している。
○路線の利用状況調査・分析した結果を基に、
・首都圏から観光誘客
…首都圏旅行会社への旅行商品造成、レンタカー助成事業
・地元発の利用増に向けた利用圏域の拡大
…旅行しやすい価格帯での旅行商品造成、但馬・松江圏域へのPR
・航空便の利用による子育て施策や移住定住施策の促進
…エアサポート事業
等を柱に施策を実施しているところ。
○その他、新たな需要拡大に向けて、
・イン・アウト空港の分散による利用拡大
・航空会社と連携した女子旅をターゲットにした情報発信
等に取り組んでいるところ。
これまでの取組に対する評価
○鳥取空港・米子空港ともに、平成26年度以降、羽田便の利用者数は順調に増加しており、令和元年1月までは好調に推移していたものの、令和2年2月以降、新型コロナウイルス感染症による需要減少に伴う減便などにより令和3年度はコロナ前の令和元年度と比較すると、利用者が大幅に減少した。
・鳥取:令和3年度実績133,515人(対R1比:△255,181人/34.3%)
・米子:令和3年度実績198,952人(対R1比:△378,120人/34.5%)
○令和4年7月以降、通常運航に戻ったが、搭乗者数はコロナ前の5〜6割ほどまでしか回復していない(令和4年9月末現在)
○観光入込動態調査においては、コロナ前までは航空便を利用して来県される観光客は増加傾向であり、構成比も年々上がっており、観光利用者による航空便の利用の促進対策に一定の効果が出ていると評価できた。
しかし、令和2年度は構成比は令和元年度と変わらなかったものの、令和3年度は減少に転じている。
・利用交通機関別観光入込客のうち飛行機利用者数(実人数)
R3:149千人(構成比4.9%)
R2:173千人(構成比5.2%)
R1:318千人(構成比5.2%)
○一方で、鳥取空港の5便化は「羽田発着枠政策コンテスト」による臨時的措置であること、米子空港も6-9月は6便から5便になるなど、国内航空路線は流動的な状況にある。
○また羽田便は全国的に利用が好調で、他の自治体も羽田枠を熱望している状況もある。国内航空便の利便性の維持・向上に向けて、国や航空会社に要望し、実現に繋げていくためには、他の空港以上に需要を高めるため取組を強化してく必要がある。