1 事業の目的・概要
飼料高騰の影響により、経営が悪化している畜産農家を支援するため、国による追加対策や乳価値上げをしてもなお赤字が発生している畜産農家に対して支援する。
2 主な事業内容
対象者 | 対象経費 | 補助率 | 事業実施主体 | 事業対象期間 | 補正要求額
(単位:千円) |
1 酪農家 | 飼料高騰に係る国の追加対策や乳価の値上げ(R5.8月)をしてもなお不足する経費について、一定の農家負担除き、赤字経費を支援
(市町村及び大山乳業も協調支援を実施) | 1/2以内 | 大山乳業農協 | 令和5年8月〜令和6年3月 | 190,147 |
2 和牛繁殖農家 | 肉用子牛生産者補給金制度で補填されない「輸送費」の上昇分に係る農家負担の一部を支援 | 1/2以内 | JA | 令和5年4月〜令和6年3月 | 16,000 |
3 養鶏農家 | 飼料価格の高騰により令和4年に損失が発生した農家について、配合飼料価格安定制度で補填される上限を超える農家負担の一部を支援
(畜産経営緊急救済事業の継続実施) | 1/3以内 | 鳥取県養鶏協会等 | 令和5年10月〜令和6年3月 | 47,250 |
4 肉牛・養豚農家 | 牛及び豚マルキン※で補填される上限を超える部分の一部を支援
(畜産経営緊急救済事業の継続実施) | 1/2以内 | 鳥取県畜産推進機構 | 令和5年10月〜令和6年3月 | 26,617 |
5 公共牧場 | 公共牧場に預託している後継牛が加入できない配合飼料価格安定制度の補填相当及び粗飼料の増加分の一部を支援 | 1/2以内 | 鳥取県畜産振興協会 | 令和5年4月〜令和6年3月 | 24,423 |
| | | | 合計 | 304,437 |
3 要求理由
(1)令和4年11月に10円/kgに乳価の値上げが行われ、令和5年度も乳価の再値上げが8月から実施される見込みだが、酪農経営を維持するために十分な乳価ではないことから、令和5年当初から実施される国の対策や県の既存制度では農家負担の軽減がなされない部分について緊急的に支援が必要である。
(2)鳥取県和子牛平均価格が全国平均価格を下回るまで急落している和牛繁殖農家は、肉用子牛生産者補給金制度ではカバーできない、セリ出荷の子牛輸送費の上昇分についての支援が急務である。
(3)所得補償制度のない養鶏農家は、価格転嫁が進んでいない経営もあり、経営を維持していくために9月以降も畜産経営緊急救済事業の継続が必要である。
(4)肉牛・養豚農家では、特に牛マルキンの補填金の交付が令和5年2月算定で9万円/頭を超えるまでに収支が悪化し、今後もこの状況が続くことが予想されることから9月以降も畜産経営緊急救済事業の継続が必要である。
(5)また公共牧場は、配合飼料価格安定制度による補填金交付を受けられないことから、豆腐粕を活用した配合飼料給与の削減などに取り組んでいるものの、飼料価格が依然高止まりしていることによって預託料の大幅値上げが避けられない。急激な値上げは、農家経営への影響が大きいことから段階的な値上げの対応が必要となっている。