これまでの取組と成果
これまでの取組状況
01ギンザケ養殖生産技術支援事業
〇事業目標
鳥取県内で生産量が増加しているギンザケ養殖について、生産量向上及び生産コスト削減を図るための技術的な支援を行う。
〇取組状況
ギンザケの海水馴致、餌料別飼育、肥満度別飼育等の試験を実施し、データ分析を行い、養殖業者への報告及び課題整理を行っている。
02魚病対策事業
〇事業目標
養殖場の巡回指導や疾病検査を行い魚病被害の軽減を図るとともに、持続的養殖生産確保法に基づき、コイヘルペス症等の特定疾病一次検査を実施する。
〇取組状況
魚病発生時の検査及び対策検討を随時実施している。また、養殖魚の適正な飼育や水産用医薬品の使用指導等に関する指導を行っている。コイヘルペス症等の特定疾病一次検査を1件実施した。
03マサバ養殖技術高度化事業
〇事業目標
マサバ養殖現場で抱えている、生残率の低下、成長不良、成熟による身ヤセなどの問題を解決するため、飼育方法等について改良及び高度化を図り、安定的な養殖生産を実現する。
〇取組状況
マサバ種苗の成長率、生残率の向上、成熟抑制による身ヤセ防除に繋がる以下の項目について比較試験を実施する。
・低塩分海水飼育による衝突等によるダメージの緩和
・飼料への消化酵素添加による消化不良の緩和
・給餌量の調節等による生殖腺のコントロール
04養殖振興事業
〇事業目標
これまで未利用であった海藻や漁港内養殖について、事業化に向けた更なる普及指導が求められている。また、新たな養殖事業者の進出に伴い、課題解決や本格稼働前の事前調査に関する養殖業者との共同研究の依頼が増加している。当センターで開発した養殖技術の普及指導、養殖業者が抱える課題の解決、漁業者の新規養殖への取り組み支援といった養殖技術の支援を継続的に行い、養殖振興を図る。
〇取組状況
これまでにアカモク、ハバノリ、の増養殖手法について検中であり、フサイワズタ(海ブドウ)、ムラサキウニの養殖試験を実施した。
これまでの取組に対する評価
01ギンザケ養殖生産技術支援事業
ギンザケを早期海水馴致した場合、適水温であれば淡水飼育より成長が良く外海への沖出しも良好であること、海水馴致の際、種苗を直接海水に投入しても適水温であれば問題なく馴致すること、馴致前に肥満度を下げてから海水飼育した方がその後の成長がよいこと等、養殖現場での海水馴致作業の省力化やその後の効率的な増産に繋がる結果を得ている。
02魚病対策事業
巡回指導による魚病未然防止や魚病発生時の検査により、魚病被害の軽減を図ることができた。
03マサバ養殖技術高度化事業
安定したマサバ種苗供給体制は維持できている一方、養殖現場の課題解決(成長率、生残率の向上)に向けて、R4年度に実施した飼料への大豆油添加による比較試験では有効な結果は得られなかった。今後、養殖現場のフォローを継続しつつ、各事業者が利用できる飼育方法の改善策を検討するための比較試験等を実施していく。
04養殖振興事業
ムラサキウニ及びフサイワズタ養殖については事業者と連携した試験飼育を実施できている。事業者所有の設備で一定の生産基盤を確立できた。