1 事業の目的・概要
鳥取大学浜坂キャンパスの先進技術実証フィールドを拠点として、ハード・ソフトを連携させた実証を鳥取大学と共同で行い、イノベーション創発により建設生産体制の効率化を図る。さらに、DX人材をはじめ担い手のリスキリング、働き方改革に向けた地域企業のスタートアップ支援を鳥取大学と連携しながら、生産性の高い地場産業への変革につなげる。
2 主な事業内容
(1)実証フィールドを活用した先進技術の検証 C=85,808千円
| 細事業 | 事業内容 | 要求額
(千円) |
1 | 3次元測量設計とICT工事の導入促進 | ・3次元測量設計及びそれを活用したICT工事を県内企業に普及するための先進技術研修会を実施する。
(1)ドローン等を用いた3次元測量
(2)取得データをデジタル加工した3次元設計
(3)3次元設計に基づく建設機械の自動制御による掘削盛土工事(ICT工事)
・3次元測量設計及びICT施工に係る課題整理 | 30,049 |
2 | 先進技術の導入による生産性向上(鳥取大学共同研究) | ・官民の業務効率化に向けた先端技術(パワーアシストスーツやスマートグラス等)のIoTデバイスによる作業支援、労働環境改善の検証
・橋梁やトンネルの点検作業にロボット技術を活用するため、県内企業で導入可能かつ費用対効果の高い技術の検証
・実証フィールドを運営する地方創生ラボ(仮称)(主体:鳥取大学)に対し、運営費支援及び実証フィールドで実施した技術検証のとりまとめを行い、県内企業への普及・拡大を図る | 39,438 |
3 | フィールド設備及び維持管理 | ・監視スペース及び電気設備の設置
・飛砂などの環境対策や周回道路の補修等の維持管理 | 16,321 |
※1 浜坂実証フィールドについては、鳥取大学も文科省からの補助を受けて学生のデジタル技術に関する人材育成の場として活用する予定。
※2 3次元測量設計とICT工事の導入促進については、普及段階のR5年度までは県主導により対応するが、導入促進段階となるR6年度以降は参加者(受注者)からの負担により対応する予定。
※3 先進技術導入に係るフィールド利用については、新技術の開発企業と技術を利用する地元企業とのマッチングの場として活用することを想定しており、開発企業から利用料を徴取することも検討中。
3 主な効果
●ドローン等による測量・設計技術の導入
上空から地表面に短時間に高密度なレーザーを照射することにより、地表面を点群データとして取得し3次元で図化できるため、従 来の測量計画や現場作業の省力化、3次元データからの立面・断面イメージの円滑な把握、完成までの段階的な現場シミュレートに よる安全管理が可能になる。
●ICT建機による無人化施工技術の活用
3次元で設計された形状をICT建機に入力することで自動制御された作業工程による土工が実現するため、作業の安全性向上、熟 練者に頼らない作業、丁張等の準備作業の省力化などが可能になる。
●新技術導入に関連した人材育成研修の実施
県内技術者が参画した技術習得の機会を創出できるため、3次元測量設計やICT建機の導入の促進による生産性の向上が可能に なる。
4 背景・課題
本県の建設産業では、県内GDP7.7%、県内就労者数7.3%を占めるが、全国や県内他産業と比較して労働者の高齢化と減少が進んでいるため、測量設計や工事において、少人数で生産性を向上できる先進技術の試行を進めてきた。しかし、多数を占める中小企業において、先進技術に関わる機会も少なく、導入につながっていない。
このため、平成28年から共同して技術開発している鳥取大学を拠点として、先進技術に触れ、その効果を検証する機会をつくり、県内企業への普及導入を進めていく必要がある。(イノベーション、スタートアップ)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
業務効率化・働き方改革を念頭に置いた業務改善等の取り組みを推進している。特に、鳥取大学浜坂キャンパスの先進技術実証フィールドを拠点として、建設生産体制の効率化を図る。
これまでの取組に対する評価
令和4年4月からシステムを運用開始し、業務の効率化を推進した。