1 事業の目的・概要
本県では、従来のバス中心の交通体系からタクシーや共助交通を組み合わせた交通体系への転換を図り、効率的・効果的な地域交通体系構築や担い手不足解消に向けた市町村の取組が進んできたころである。
一方で、コロナ禍を経て、バス・タクシー運転手が大幅に減少したほか、自家用車依存や人口減少等により公共交通利用者が減少し、中山間地域等において、事業者の撤退や路線の廃止・縮小などに歯止めがかかっていない。
こうした状況を踏まえ、中山間地域を中心としたバス・タクシー事業者と住民ドライバーの協働型の交通システム構築や住民共助型の共助運送、市町村によるデマンドバス運行など、住民・地域・行政の共創によるコミュニティ・ドライブ・シェアを推進する新たな制度を創設する。
2 主な事業内容
■要求額:70,000千円
細事業名 | 内容 | 補助事業者等 |
交通事業者等と住民ドライバーの協働型 | バス・タクシー事業者等と住民との協力の下、運行管理に係る負担軽減や安全性の担保を図ることで取組の持続可能性を高めた交通空白地有償運送。
<支援内容> ※先行事例におけるこれまでの課題を踏まえ既存支援を拡充
- 運行経費(運行収入で賄えない部分)(最大3年間)
- 運行管理システム等の導入経費等
- 住民ドライバーの新規確保に係る奨励金
- ドライバー自家用車のメンテナンス費用、安全装置等
| 市町村
補助率:1/2 |
住民共助型 | タクシー事業者が撤退した空白エリアでの住民自らによる共助運送。
<支援内容>
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事業者無償運送活用型 | 観光・宿泊事業者等の送迎車両や貨物車両の空席を有効活用した空白エリアでの無償運送。
<支援内容>
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市町村主体型 | 市町村によるデマンドバス運行やタクシーの相乗り促進など、市町村主体による交通体系構築。
<支援内容>
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交通事業者主導型 | バス・タクシー事業者のドライバー確保対策を支援し、公共交通の供給力を確保。
<支援内容>
- 2種免許取得経費
- 新規採用や求人に係る広報経費 など
| 県バス協会、
県ハイヤータクシー協会
補助率:2/3 |
3 参考
智頭町AIオンデマンド乗合交通「のりりん」は、住民ドライバーが自家用車を活用した地域交通体系(自家用有償旅客運送)を構築している。
<智頭町AIオンデマンド乗合交通「のりりん」の概要>
・町内各戸に配備されているIP告知放送端末から予約可能なIオンデマンド乗合交通(令和5年4月から町全域で実施)。
・住民ドライバーが自らの自家用車を活用した共助交通(交通空白地有償運送)サービスを提供。
・ドライバーは、住民と町役場を合わせ20名弱で実施。4.5時間4シフト制で対応しており、ドライバーには1シフト3,500円を謝礼として支給。
・7月1日からはトラック・バス製造販売大手の日野自動車が遠隔運行管理業務を実施。