1 事業の目的・概要
光化学オキシダントの主要物質であるオゾンの県内での生成リスク等について把握し、光化学オキシダント対策の検討材料とするとともに事業者、県民等への情報提供や注意喚起に活用するため、オゾン発生の原因物質である揮発性有機化合物(VOC)の県内の発生源周辺地区などの大気中濃度調査結果からオゾン生成濃度の試算及び発生源因子等の統計的解析を行う。
2 主な事業内容
鳥取県内のVOC排出源の情報をもとに調査地点を選定して大気中VOC成分調査を実施する。その調査結果とVOC成分毎のオゾン生成能指標値(MIR値)を用いて県内の潜在的なオゾン生成能力を算出する。さらに大気常時監視測定局で連続測定している窒素酸化物(同様にオゾン生成の原因となる)濃度や気象情報等も用いて統計的に解析を行い、県内のオゾン発生源因子、季節毎の推移や移流影響等の解明を目指す。
3 背景
光化学オキシダントの環境基準(0.06ppm)の達成率は全国でわずか0.2%(2局)と極めて低い状態にある。光化学オキシダントは大気中のVOCや窒素酸化物が大気中で太陽光を受けて化学反応を起こすことで生成される。鳥取県でも令和元年度には初の注意報(0.12ppm以上)を発令しており近年増加傾向にあるが、県内の排出源からの影響や移流影響がどれほどあるのか具体的な調査が行われておらず、光化学オキシダントのリスクは不明な点が多い。
4 事業の必要性
光化学オキシダントは人体(目や呼吸器等)に健康影響をもたらし、県民の関心も高く、濃度上昇時において情報提供や注意報発令を行っている県が実施する必要がある。
5 事業期間及び事業費
年度 | 内容 | 事業費(千円) |
令和5年度 | ・VOC排出源の情報収集、調査適地点の検討
・VOC調査の試行
・次年度調査計画検討 | 1120 |
令和6年度 | ・VOC調査
・統計的解析
・最終評価 | 1200 |