1 事業の目的・概要
鳥取県の特定希少野生動植物に指定されているカラスガイについて、湖山池流域での保全を進めるとともに、保全技術の伝承及び共有化を図る。
2 主な事業内容
(1)稚貝の人工生産及び中間育成
自生地の成貝から人工的に稚貝を生産し、室内水槽等で飼育する。
(2)放流先の環境調査
湖山池に流入する河川・水路を対象に、環境調査を実施し、生息環境の適否を判断する。
(3)試験放流及び追跡調査
環境調査で確認された生息条件の適地に室内飼育した稚貝を放流し、その後の生息確認を行う。
※上記を地元の教育機関と共同で実施することにより、保全技術の伝承を及び共有化を進める。
3 背景
県では湖山池で消失したカラスガイについて湖山池流域での保全を進めており、これまで稚貝の人工生産技術に成功し、流域内のため池で保全を進めてきた。しかし、現在の保全状況では不十分として、「湖山池環境モニタリング委員会(附属機関)」より、さらなる積極的な対策が求められている。
4 事業の必要性
「鳥取県の将来ビジョン」では、生物多様性の重要性が広く認識され、豊かな自然と希少動物等の保全することを掲げており、「令和新時代とっとり環境イニシアティブプラン」において、希少動植物の保全を図ることとしている。
5 事業期間及び事業費内訳
内訳 | 内容 | 事業費(千円) |
令和4年度 | 〇稚貝生産
〇中間育成
〇放流候補地環境調査 | 1,080 |
令和5年度 | 〇稚貝生産
〇中間育成
〇放流候補地環境調査 | 1,080 |
令和6年度 | 〇中間育成
〇試験放流
〇追跡調査 | 900 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・保全対象水域を複数地点に増やし、環境変化等の悪影響からのリスク分散を図る。
・現在当研究所のみで保有している保全技術を地元の教育機関へ確実に普及させる。
これまでの取組に対する評価
・カラスガイの保全は全国的にも実施例が少なく、湖山池環境モニタリング委員会からも一定の評価を得ている。