境漁港は、まき網漁業、ベニズワイガニかにかご漁業、沖合底びき網漁業、いか釣り漁業等の沖合漁業を中心として、令和2年の水産物取扱量は重量93,829t(全国6位)、金額17,766百万円(全国7位)を誇る全国有数の漁港である。しかし、漁港の防災対策が講じられておらず、大規模な地震や津波の発生時には、何百人もの市場関係者の生命が危険にさらされるばかりでなく、水産物の流通に多大な支障をきたすことになる。また、市場の上屋は、出入りが自由な吹きさらしとなっており、海鳥等の動物が自由に侵入できる状態となっており、衛生面で課題がある。
以上から、災害に強く流通の拠点となる防災対応型漁港の整備と消費者の「安心・安全」のニーズに対応した高度衛生管理型市場を整備し、水産物の安定な供給と、輸出など漁業の国際化にも対応できる力強い水産業を推進するものである。
【参考】境漁港・市場の将来のあるべき姿(さかいみなと漁港・市場活性化ビジョン、H25.3策定)
(1)信頼される漁港・市場づくり(漁港・市場機能の強化)
東日本大震災を踏まえ、地震・津波などの災害に強く安全な漁港・市場を整備する。また、食品の安全・安心に対する関心が高まる中、適切な衛生管理対策を講じ、消費者から信頼される漁港・市場を目指す。
(2)活力がある漁港・市場づくり(集荷・販売力の強化)
水産資源、漁獲、相場の状況を常に意識し、生産者、卸売業者、仲卸業者が連携して集荷力を強化するとともに、国内外における水産物の消費・流通の動向、消費者ニーズを的確に把握して販売力の強化を図る。
(3)親しまれる漁港・市場づくり(観光連携及び地域活性化の推進)
日本有数の漁業基地である境漁港で水揚げされる新鮮で豊富な水産物を地域・観光資源として活用し、水木しげるロードを訪れる多くの観光客を取り組むとともに、地元住民から親しまれる漁港、市場を目指す。