1 事業の目的・概要
飼料価格の高騰に加え、これまでにない和子牛価格の急落により、和牛繁殖農家の経営環境は急激に悪化していることから、緊急的に経営支援を行うとともに、鳥取の和子牛市場の子牛価格を回復させる将来を見据えた中長期対策として、購買者が求める発育・肉質の良い和子牛生産への取組を支援することで、本県の和牛生産の維持発展を図る。
2 主な事業内容
(単位:千円)
補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度
予算額 | 前年度からの変更点 |
| | 和子牛飼料緊急支援(※1) | 和子牛価格の向上に向け、子牛の発育を良くするために必要な飼料の給与に係る掛かりまし経費の一部を支援
(上場子牛が発育基準(※2)を満たした場合に交付)
| JA等 | 定額
30千円/頭 | 45,000 | 0 | 新規 |
合計 | 45,000 | 0 | |
※1「白鵬85の3」の後継牛として期待されている「智頭白鵬」の産子は令和7年度にならないと市場には出てこない。
そのため、市場に対する活性化策として令和6年度1年間に限定して、子牛の発育改善に取り組む農家を支援
※2発育基準(1日あたりの平均増体量) 去勢1.15kg/日、雌1.0kg/日
3.背景・課題、事業の必要性
・全国的な和子牛価格の低迷により、令和5年第2四半期に肉用子牛生産者補給金が21年ぶりに発動されるなど、和牛繁殖農家の経営は厳しい状況である。
・国は和子牛の採算の目安(600千円)とブロック別平均売買価格との差額を補填する「和子牛生産者臨時経営支援事業」を措置し、県は、それでもなお発生する農家負担について11月補正予算で応急的に措置した。
・厳しい経営状況であることから、県内でも担い手農家の規模縮小、飼料代確保のために繁殖雌牛を売却するなどの事例が見られ、鳥取県の繁殖雌牛および和子牛生産頭数の減少が危惧されている。
・子牛市場の購買者は発育の良い子牛を求めている。鳥取市場は、白鵬85の3産子などの血統面で評価はされているが、子牛価格向上のためには発育面の改善が課題となっており、将来的に市場価値を高める中長期的対策が必要である。令和2年に畜産試験場が作成した哺育育成マニュアルを活用し、マニュアルに示された飼料規定量を確実に食べさせられる飼養管理の徹底、技術習得が求められている。