◆対象ため池:防災重点農業用ため池
◆令和6年度事業内容
区分 | 概要 | 要求額(千円) |
ため池に係る管理実態調査
| ため池の「池干し」や「管理体制」について、アンケート及び聞取りにより管理実態把握、分析しながらため池管理の手法や管理体制のあり方を多面的に検証することで、持続可能な地域防災体制の強化につなげる。
○調査対象ため池箇所数:20箇所
○調査内容
(1)池干しの実施の有無
(2)池干しをする場合、水を溜める時期(開始時期)とその理由
(3)池干しをしない場合、水を抜かない理由、今後の意向
(4)管理体制と管理上の課題(水利組合長や樋守から聞取り)
(5)草刈り等共同活動の状況
(6)営農状況(水利組合長から聞取り)
○調査委託先
鳥取大学(農学部水利用学研究室)
○事業費
382千円(委託料、基金※) | 382 |
ため池に係る貯水量、池干し後の管理機能状況及び堆砂土量の調査 | ため池の貯水量について、水上ドローンにより貯水量を把握するとともに、池干し後の斜樋や土砂吐等の取水施設の管理状況を目視確認・点検を実施する。
さらに、ため池底部を空中ドローンにより地形測量を行い、水上ドローンで得られる池干し前の底部地形との比較により、堆砂土量(流出土量)の調査手法を検討し、ため池の管理適正化に繋げる。
併せて、防疫効果がある「池干し」管理手法のマニュアル化を検討し、池干し時期(12〜2月)の適正化や管理者である水利組合の不安解消、意識啓発を通じて一層の取組促進を図り、地域ぐるみでの「池干し」保全活動を推進する。
○調査対象ため池箇所数
調査区分 | 水上ドローンによる貯水量調査 | 空中ドローンによる堆砂土量(流出土量)調査 |
調査箇所数 | 10箇所 | 左欄の調査箇所の中から2箇所を選定 |
○調査内容
(1)水上ドローンにより貯水時におけるため池底部地形や貯水量を把握する。
(2)ため池背後周辺の土砂流入地形特性を把握する。
(3)池干し後の取水施設や土砂吐機能の管理状況を目視確認・点検
(4)池干し後のため池底部を空中ドローンにより測量を実施する。
(5)効果が高い池干し管理手法を検討する。
○調査委託先
鳥取大学(農学部水利用学研究室)
○事業費
5,304千円(委託料、基金※) | 5,304 |
合計 | | 5,686 |
※ 鳥取県中山間ふるさと農山村活性化基金を活用
3 現状・背景
(1)ため池管理について現状は農業者減少や後継者不足、高齢化により、地元水利組合で選ばれた1人の樋守(ひもり)が行っており、ため池の取水管理は大きな負担になっている。このため、ため池の「池干し」は維持管理上年1回の実施が望ましいものの、実施されない大きな要因とされている。その他、できるだけ早い時期(12月頃)から溜め始め、かんがい必要量以上を確保したい意識が強く働くことで、ため池の「池干し」を敬遠することが推測される。
(2)ため池の諸元一つである貯水量はため池台帳で把握しているが、概略図面で推定し算定していることから、正確性に欠けるのが現状である。また、ため池周囲の地形の経年変化や堆砂土量の状況により、貯水量の変動が推定される。
(3)正確な貯水量がわかれば、ため池受益農地におけるかんがい必要水量分相当を確保するために、3月以降に遅らせて溜め始めても支障がないことが合理的に説明可能となり、地元に池干しへの協力が得られやすいことから、鳥インフル警戒時期(12〜2月)における池干し推進の加速化が期待できる。