とっとり健康省エネ住宅の普及を図るため、新築又は既存住宅の改修において基準に適合する住宅を認定し、消費者向けの広報・普及啓発、技術者の養成のほか、認定住宅に対し助成を行う。また、民間団体等のコンソーシアムで策定したとっとり住宅評価システムの普及を図る。 (単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度
予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 未来型省エネ住宅特別促進事業 | 県内工務店が新築するとっとり健康省エネ住宅『NE-ST』(ネスト)に助成
※県産材を一定量使用する場合の補助額を増額する。
(県産材要件:県産材10m3以上又は県産内外装材20m2以上使用)
(T-G1:10万円増額 T-G2:20万円増額 T-G3:30万円増額)
(単位:千円)
要件 | 補助額 | 財源 | 予算額 |
健康省エネ住宅
かつZEH | 最大130万円
県産材利用あり
T-G1:70万円/T-G2:100万円/T-G3:130万円
県産材利用なし
T-G1:60万円/T-G2: 80万円/T-G3:100万円 | 国 約90%
県 約10% | 233,310 |
健康省エネ住宅 | 最大80万円
県産材利用あり
T-G1:20万円/T-G2:50万円/T-G3:80万円
県産材利用なし
T-G1:10万円/T-G2:30万円/T-G3:50万円 | 単県 | 35,280 |
※ZEHとは太陽光発電等によりゼロエネルギー化された住宅 | 268,590 | 190,400 | 補助要件の見直しと増額、住まいる支援事業分は本事業から除外 |
2 | 健康省エネ住宅改修等支援事業 | 県内工務店が断熱改修を行うとっとり健康省エネ改修住宅『Re NE-ST』(リネスト)に助成
※資材高騰を踏まえ、補助額を見直す。
(Re NE-ST:30万円増額 ゾーン改修:20万円増額 国省エネ基準改修:10万円増額)
対象:登録事業者が改修工事を行う既存戸建住宅
補助率:1/3
改修区分 | 補助上限額 | 財源 |
Re NE-ST | 180万円 | 国2/3、県1/3 |
ゾーン改修 | 120万円 | 国10/10 |
国省エネ基準改修 | 60万円 | 国10/10 |
| 84,000 | 70,000 | |
3 | ReNE-STスタートアップ支援事業) | 健康省エネ住宅改修は、新築に比べ施工難易度が高いため、Re NE-STへの取組を促進することを目的として、Re NE-ST改修に新たに取組んだ工務店に対して支援する。
対象:既存住宅を、Re NE-STに改修した工務店等
補助金額:1事業者あたり20万円 | 4,000 | 4,000 | |
4 | 賃貸住宅高断熱化モデル事業 | 賃貸集合住宅で健康省エネ住宅の普及を図るため、基準を満たす賃貸集合住宅を建設する事業者に対してモデル的助成。(※改修基準を設定)
対象:県内に建設される集合型賃貸住宅
要件 | 補助額 | 財源 |
健康省エネ住宅
かつZEH | 最大90万円
T-G1:50万円/T-G2:70万円/T-G3:90万円 | 国 約70%
県 約30% |
健康省エネ住宅 | 最大50万円
T-G1:10万円/T-G2:30万円/T-G3:50万円 | 単県 |
| 20,000 | 15,000 | 定額10万円から性能に応じた補助額に見直し |
5 | とっとり住宅評価システム普及事業 | NE-STやRe NE-STなど良質な住宅ストックの普及を目的として工務店や不動産団体等で構成するコンソーシアムの活動を支援する。
・NE-ST等の性能を資産価値として評価できる「とっとり住宅評価システム」の普及啓発
・事業者モニター(評価額、実取引価格、感想、改善点等を調査)
・金融機関の担保評価に評価システムを導入するための外部有識者による検討委員会の開催
・普及啓発を目的としたホームページの作成 | 2,660 | (8,000) | ( )内は6月補正 |
6 | 家づくりガイドブックの作成 | 健康省エネ住宅の要素である断熱や気密のほか、土地選びや住宅ローンなど施主が新築時に知っておくべき情報を家づくりのステップごとに学べる冊子を作成する。また、鳥取県版住宅性能等評価指針など性能が資産価値として評価される仕組みなどを盛り込み周知を図る。 | 3,850 | 0 | 新規 |
7 | フェア開催・体感ハウス出展事業 | ・親子を対象にSDGsと住まいの関係を考える体験型イベントの開催
・国省エネ基準とNE-STの断熱性能を比較できる体感ハウスの展示
・体感ハウスはフェアに加え、各種イベントに出展 | 9,800 | (8,700) | ( )内は6月補正 |
8 | 普及啓発 | 県民の健康省エネ住宅に対する認知度を上げていくため、デジタルサイネージやYoutubeを活用した広告掲載のほか新聞、フリー冊子等への記事掲載を行う。また、NE-ST賃貸の入居者を対象とした温度測定やアンケートを行い、広報に活用する。 | 9,154 | 5,694 | |
9 | 設計・工務店の研修等 | 健康省エネ住宅の新築及び改修の設計、施工ができる技術者の養成等を行う。
・技術研修(Eラーニング形式(録画を配信))の開催
・技術研修を修了し、考査に合格した者を技術者として登録
・登録事業者を対象に実際の施工現場を活用した研修等を実施
・気密性能を確保するためのアドバイザー派遣 | 1,961 | 1,961 | R4の研修動画を活用 |
10 | 標準事務費 | − | 27 | 27 | |
小計 | 404,042 | 285,582
(16,700) | ( )内は6月補正の内数 |
背景・現状の課題
・県では住生活基本法に基づく住生活基本計画を令和3年度に見直し、「持続可能な住生活環境基本計画」(計画期間:2021年〜2030年)を策定し、2030年までに新築住宅ではとっとり健康省エネ住宅を標準化し、2050年の住宅ストックでは平均でZEHの省エネ性能を確保する目標を設定している。
・新築住宅では、制度開始から3年が経過し、400棟を超えるなど、順調に増加しているものの、物価高騰により令和4年の工事価格は令和元年比で約4割以上上昇しており、健康省エネ住宅への助成を継続する必要がある。
・既存住宅では、大規模な改修は少ないものの、着実に改修件数を増やしていき、改修によるメリットを広くPRしていく必要がある。
・これまでの住宅市場では品質や性能に関わらず経過年数で査定される慣行があり、住宅の品質や性能に応じた評価を行うことができる鳥取県住宅性能等評価指針を策定し、民間団体と連携して作成したエクセル形式の評価システム「T-HAS」(ティーハス)を令和6年度から運用開始する予定であり、こうした評価の仕組みを不動産事業者、消費者の両面から認知を広げていく必要がある。
期待される効果
・新築で健康省エネ住宅が増え、住まい手がそのメリットを体感することで、そこから知人などに高性能住宅の必要性が広まっていくことで既存住宅における断熱改修につながる。
・新築、改修の両面から住宅の高断熱化が進むことにより、CO2排出量の削減だけでなく、健康寿命の延伸による社会保障費の抑制などが期待される。
・物価高騰により新築が難しい方でも、空き家等を断熱改修することにより新築よりも安価に高性能住宅を取得することも可能であるため、新築に代わる住まいの選択肢として普及を図ることで、既存ストックの需要拡大、空き家の抑制に寄与する。
・住宅市場において品質や性能が適正に評価されることにより、NE-STで新築することの優位性が向上し、健康省エネ住宅が選択されやすくなる。