●昨今、広域化・多様化している鳥獣被害は、農家の営農意欲を低下させ、耕作放棄地の増加をもたらす状況である。さらに過疎化、高齢化の進む中山間地域においては、農業被害だけに留まらず、最終的には、集落の維持存続さえ危ぶまれることが懸念されている。
●日野郡では、H22に3町と県が締結した「鳥取県日野地区連携・共同協議会」(H27から「鳥取県日野郡ふるさと広域連携協約」へ移行)に基づき、郡内3町、関係団体及び県で構成する本協議会をH25に設立し、深刻化する野生鳥獣被害に対し、町を超えた被害対策を展開している。
●平成26年4月に本協議会の活動を担う「実施隊」が組織され、現在に至るまで以下活動を実施している。
・日野郡内の鳥獣被害対策総合窓口としての役割、現地巡回・被害状況の確認、集落での侵入防止柵設置研修会の開催
・講習会の開催、自治体の視察受け入れ、研修会への参加
・鳥獣誘因及び捕獲手法の試作、ドローンを活用した被害確認実証、二ホンジカの生息調査、ケーブルテレビ等での広報活動
●少子高齢化が急速に進展する日野郡にあって、本協議会の役割は年々高まっている。このような町を超えて広域的に取り組む事例は全国的にもまれで、この組織が将来にわたり持続可能なものとなるよう、県としても人的支援、財政支援の両面で継続的な支援をするものである。