〇養育費を受給することや離れて暮らす親と面会等で定期的に交流することは、父母が離婚した子どもにとって、経済面で養育環境を整えるものであるだけでなく、父母どちらからも愛されていると実感できることによって深い安心感と自尊心を育み、精神面の安定をもたらすものといわれている。また、別居親にとっても子どもとの交流は養育費を支払う意欲にもつながるといわれており、養育費と面会交流は子どもの健やかな成長を支えるための車の両輪の役割を果たすものである。
〇母子父子寡婦福祉法には、子の養育にかかる費用の負担など扶養義務の履行が明記されているほか、平成23年の民法改正により、面会交流及び養育費の分担を離婚の際に夫婦が取り決めなければならない事項として明文化された。
〇県が実施した「平成30年度 鳥取県ひとり親家庭等実態調査」結果によると、養育費や面会交流の取り決め・実施が進んでいない状況にある(養育費の取り決めをしていない割合:母子世帯40.9%、父子世帯66.2%、養育費を現在受給している割合:母子世帯、27.2%、父子世帯:3.1%、面会交流を現在実施している割合:母子世帯33.1%、父子世帯40.0%)。
〇取り決め・実施が進まない理由として、以下のような要因が考えられる。
(1)養育費・面会交流に関する理解が進んでいない。
(2)離婚した父母の相手に対する複雑な感情や心理的葛藤から面会交流の実施が困難な場合があることが多い。
(3)養育費負担に関する合意が法的拘束力のない口頭などで取り決められており不払いが発生している。
〇これらのことから、養育費・面会交流に関する理解を深めるための啓発活動を行うとともに、養育費・面会交流の取り決めと実施の支援を行うことにより、養育費受給と面会交流の実施の促進を図る。