1 事業の目的・概要
(1)里親養育包括支援事業
令和4年改正児童福祉法において、里親の普及啓発、里親の相談に応じた必要な援助、入所児童と里親相互の交流の場の提供、里親の選定・調整、委託児童等の養育の計画作成といった里親支援事業や、里親や委託児童等に対する相談支援等の里親への包括支援を行う施設が「里親支援センター」として児童福祉施設に位置づけられ、民間里親支援機関などにより設置することができることとなった。
本県では現在、里親の包括支援は民間の里親支援機関に委託しているが、令和6年度に里親支援センターを設置するため、児童福祉法の規定に基づきその費用を負担する。
(2)里親家庭支援事業
里親の養育技術の向上や、里親委託児童の生活環境向上に寄与し、里親委託の促進と里親支援体制の充実を図るため、里親に対して各種経費の助成を行う。
(3)鳥取県里親会補助金
鳥取県里親会に対して、里親損害賠償保険料や全国里親大会及び中国里親大会への参加費を助成する。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 内容 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 里親養育包括支援事業 | ・里親制度等普及促進・リクルート業務
・里親研修・トレーニング等業務
・里親委託推進等業務
・里親訪問等支援業務
・里親等委託児童自立支援業務
(想定される実施機関)
民間里親支援機関 等 | 34,583 | 11,789 | 里親支援センターの設置 |
2 | 子どもの家庭養育推進官民協議会負担金 | ・鳥取県が加盟する当該協議会の負担金(年会費) | 30 | 30 | なし |
3 | プロポーザル審査会経費 | ・令和7年度以降の里親養育包括支援事業の委託先選定に係る経費 | ― | 38 | 里親支援センターの設置のためプロポーサルが不要となったため廃止 |
4 | 里親家庭支援事業 | ・里子の養育環境の充実事業
国の措置費対象外経費である、里親家庭で生活する児童の塾及び習い事に係る費用及び高校の受験料を支弁する。 | 490 | 555 | 過去3年間の実績に基づき、要求額を見直し |
・家庭生活体験事業
児童養護施設等の入所児童を盆、年末年始、週末などに里親の自宅で家庭生活を体験させる。
また、児童養護施設等の入所児童を里親家庭に一時的に委託し、季節行事や家族の関わりなど施設では体験できない経験を提供する。 | 686 | 706 |
合計 | 35,789 | 13,118 | |
(単位:千円)
| 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
5 | 鳥取県里親会補助金 | ・里親会が加入する賠償責任保険料
・全国里親会、中国地区里親会の参加旅費
・里親会事務局に係る事務経費(需用費) | 鳥取県里親会 | 10/10 | 601 | 664 | なし |
合計 | 601 | 664 | |
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3 背景
平成28年6月に公布された改正児童福祉法では、まずは、児童が家庭において健やかに養育されるよう保護者を支援することとし、その上で、家庭における養育が適当でない場合、児童が「家庭における養育環境と同様の養育環境」において継続的に養育されるよう必要な措置を講ずることとされた。
「家庭における養育環境と同様の養育環境」とは、養子縁組による家庭、里親家庭及びファミリーホームを指すものと定義されており、里親委託を一層進めることが今後ますます重要視されることからも、里親制度普及と里親委託推進の強化を図っているところである。
また、国の「新しい社会的養育ビジョン」(平成29年8月公表)に基づき、令和2年9月に県が策定した「鳥取県社会的養育推進計画」では、令和11年度の里親委託率の目標値を60%(参考:令和3年9月1日現在の里親委託率は25.7%)と設定しているところであり、社会的養護の施設での支援が必要な子どもの受入体制を十分に確保した上で、目標達成に向けて里親委託を推進する必要がある