これまでの取組と成果
これまでの取組状況
【埋設農薬安全処理対策事業】
(1)昭和45年8月、大阪市場において本県産キュウリから残留農薬基準を上回る農薬(ディルドリン)が検出された。これを契機に県、市町村、農協等が一体となって「農薬適正使用運動」を行い、県、市町村の指導の下に、農協は農家の所有する10種類の規制対象農薬を回収した。
(2)農協は県の指導により、昭和46年から47年にかけて回収した農薬249トンを県内45箇所に埋設処理した。
(3)昭和59年に埋設農薬の安全性について議論があり、埋設全地点における土地利用状況等の概況調査を行うとともに、代表地点11箇所において、周辺の土壌・水質を調査した。その結果、「周辺への農薬の流出はなく、現状を維持する限り安全である。今後は、埋設場所が開発等により破壊されることを未然に防止するための処置を講ずることが重要である。」と結論づけられた。
(4)このため県は、「鳥取県回収農薬埋設場所保全管理要領」を定め、県、市町村、農協が一体となって埋設場所の定期的な点検および随時監視を行い、安全性の確認を行ってきた。
(5)平成6年1月に埋設農薬対策について、専門的な助演指導を受けるための「専門家会議」と、対策の実施方策を検討する「対策委員会」を設置した。
(6)専門家会議の意見をもとに、平成6年度に5箇所を県が試堀回収した。また、全ての埋設箇所において、年2回の水質調査等の監視を行うこととした。
(7)平成7年度から、専門家会議及び対策委員会で決定した基本方針に基づき、市町村又は市町村・農協等で構成する市町村実行委員会等が事業主体となり回収した。
(平成6年度から12年度までに26箇所の掘削回収が完了。)
(8)平成15年度から、新たに年2回の現地調査を追加し、既に実施している年2回の水質調査と併せ、年4回の現地調査を行う体制とした。
(9)平成16年〜17年に、掘削回収が可能となった1箇所で農薬を回収し、最終処分を行った。
(平成17年度末までに27箇所の掘削回収が完了。)
(10)平成24〜25年に、1箇所で地上部の開発行為が行われ、水質調査方法の検討のために専門家の助言を頂いた。
【マイナー作物等農薬登録推進事業】
マイナー作物の農薬登録を目指し、作物残留試験を実施している。
これまでの取組に対する評価
【埋設農薬安全処理対策事業】
(1)未回収である18箇所について、年4回の定期的な現地調査と、年2回の水質調査で監視を行い、適正に管理されていることを確認している。
(2)水質検査を行うことにより、周辺環境への汚染がないことを確認し、県民への安全性を講じている。
(3)埋設地点に変化があった際に、適宜、専門家の意見をもらって対応している。
【マイナー作物等農薬登録推進事業】
・本県は、ラッキョウ等全国的にはマイナーな産地を抱えており、それら栽培に使用できる農薬はまだ十分ではない。
・マイナー作物はメジャー作物と比較して販売額が低いため、農薬メーカーは農薬登録に消極的な場合があり、都道府県が協力して試験を実施することが登録推進に有効である。