1 事業の目的・概要
コロナ禍の影響等による令和5年産主食用米の需給緩和を受ける中で、今後もさらに米消費が減少していくことが見込まれることから、主食用米以外の農産物の生産拡大を推進し、新たな水田農業の収益性向上を図るため、地域や担い手の飼料用米、小麦、大豆等の生産拡大に向けた取組を支援する。
2 主な事業内容
| 細事業名 | 補助対象経費 | 実施主体 | 補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 |
1 | 大豆等産地生産性向上支援事業 | 生産性向上の推進 | 地域農業再生協議会 | 国 定額 | 9,300千円 | 9,400千円 |
新たな営農技術等の導入 | 地域農業再生協議会 | 国 定額 |
生産性向上の取組 | 市町村 | 国 事業費の1/2以内 |
2 | 畑地化促進事業 | 水稲の作付転換から畑作物の本作化へ向かう産地の体制づくり等を支援 | 地域農業再生協議会 | 国 定額 | 6,000千円 | 0円 |
3 | 飼料用米・麦・大豆の収量品質向上支援 | 収量向上や品質改善に向けた試験研究等の取組支援
・品種比較の実証試験
・衛星画像等を用いた実証試験 | 生産組織、JA、農業者、法人等 | 1/3、市町村任意 | 640千円 | 0円 |
4 | 飼料用米・麦・大豆の生産拡大支援事業 | 飼料用米・麦・大豆への作付転換の推進(面積拡大に対する交付金 5,000円/10a) | 地域農業再生協議会 | 県 定額 | 14,000千円 | 11,000千円 |
飼料用米・麦・大豆の生産拡大推進事業 | 推進事業の運用経費 | 県 10/10 |
合計 | 29,940千円 | 20,400千円 |
3 背景
(1)国は令和4年産主食用米の適正生産量を675万トンと設定し、引き続き全国的な減産(前年比18万トン)の取組が必要となった。
(2)本県ではJAグループの販売計画、国の需給見直し情報等を勘案し、令和4年産主食用米作付面積について11,745ha〜12,303haを目安として作付転換を進め、主食用米作付面積は目安の範囲内となる11,957ha(対前年483ha減)となった。
(3)一方、令和3年度に本事業が創設され、作付転換により令和5年度の飼料用米面積は、令和2年比159%増加見込。麦・大豆についても令和5年度に事業創設され、面積は麦で前年比105%、大豆で前年比102%増加。今後も米の消費量減に伴い、作付転換を一層進める必要がある。
(4)そこで、引き続き本事業により米の急激な需給の緩みによる生産者の収入悪化を回避し、経営安定に寄与する。
4 取組状況
・大豆等産地生産性向上支援事業については、令和3年度1地区、令和4年度1地区、令和5年度3地区で事業活用され、作付面積は増加している。
・生産拡大支援事業について、飼料用米では令和3年産の上限3,300/10aから、上限5,000円/10aに引きあげた。麦・大豆についても、令和5年産より飼料用米と同額の上限5,000円/10aと設定している。令和6年産についても更なる生産拡大に向けて、上限5,000円/10aを継続する。
5 前年度からの変更点
・令和6年度要求より、小麦等供給体制整備支援事業と統合し、生産拡大について飼料用米に加えて、麦・大豆を対象品目とした。小麦等供給体制整備支援事業で行っていた、麦・大豆の収量品質向上支援事業については、飼料用米も対象品目に加えた。
・畑地化促進事業は、国の令和4年度第2次補正予算から事業化されたもので、産地づくり体制構築等支援について、令和6年度より活用見込みがあることから新規区分とする。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
事業目標:転換作物(飼料用米、麦、大豆)の生産拡大と水田農業の収益性向上
取組状況:生産拡大について、飼料用米は前年からの作付面積拡大部分のみが対象となるため、令和4年産から上限3,300円/10aから上限5,000円/10aに引き上げた。麦、大豆については令和5年度より事業創設し、飼料用米と同額の上限5,000円/10aとした。
大豆等産地生産性向上支援については、団地化基準面積の要件緩和を行ない、事業活用により産地強化を図る地域が増えるよう推進している。
作付転換面積は飼料用米:91.6ha、麦・大豆:82.4ha、大豆産地の生産性向上に係る営農技術の導入や機械導入を実施。
これまでの取組に対する評価
R5年度は飼料用米91.6ha、麦・大豆:82.4haで作付転換が図られた。大豆についても新規技術の導入や生産性向上に係る機械の導入により、団地化が進められ、産地の生産力強化が図られた。