これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○「非行少年を生まない社会づくり」の推進のため、出前型支援による少年に手を差し伸べる立ち直り支援活動を推進すると共に、関係機関や地域ボランティア等と連携した少年の規範意識の向上を図るための取組を推進する。
○人身の安全を確保するための取組を推進するため、関係機関と連携した被害者の保護対策を推進するとともに、あらゆる法令を駆使した加害者の検挙や行政措置を積極的に推進する。
○詐欺被害防止対策の推進
【取組状況・改善点】
<少年非行防止・保護総合対策の推進>
違法・有害情報へのアクセスを防止するための出前型講習会の開催、ミニ広報紙、各種媒体を活用した広報活動の実施など、児童生徒が使用する携帯電話、スマートフォンへのフィルタリング、保護者が児童生徒のインターネット利用を適切に管理するペアレンタルコントロール普及啓発活動を推進し児童ポルノ事犯等の被害防止に努めた。また、少年警察ボランティアや高校生ボランティア等と協働して万引き、自転車盗などの初発型非行防止に向けた街頭広報活動の実施、学校・警察連絡制度の活用による児童生徒の非行防止や学校の安全対策の推進、少年警察補導員やスクールサポーターによる非行防止・犯罪被害防止教室等の開催により、少年の規範意識の醸成を図った。
<女性・子供・高齢者の人身の安全を守るための取組の推進>
ストーカー・DV、児童虐待等の人身安全関連事案への対応に当たっては、常に組織的な対応を行い、関係機関等と連携した的確な被害者等の保護対策を講じるとともに、加害者に対してもあらゆる法令を駆使した積極的な事件化と禁止命令等の行政措置を効果的に組み合わせることで、被害者等の安全確保を最優先とした取組を推進した。また、関係機関との連携強化に向け、児童虐待の対処に関する児童相談所、県内市町村要保護児童対策地域協議会事務局等と合同研修会を実施した。さらに、認知症行方不明者の早期発見に向けて、行政機関や協力団体による幅広い情報発信と地域住民等と連携した検索を実施した。
<特殊詐欺被害防止対策の推進>
犯行グループは、その時々の社会情勢に乗じて犯行手口を巧妙化・複雑化させることから、その手口に応じた広報用チラシをタイムリーに作成して発信したほか、テレビ・新聞・ラジオ・YouTubeCM・防災行政無線等の各種媒体を活用して多角的な広報を実施した。
官民連携による被害防止対策として、NTT西日本鳥取支店及び日本海ケーブルネットワーク(NCN)と、それぞれ連携協力協定を締結し、協働による広報やテレビ放送を通じた情報発信等を実施した。
また、水際阻止対策として、警察官OBである「特殊詐欺被害防止アドバイザー」が、金融機関やコンビニエンスストアを繰り返し巡回し、職員等に対する防犯指導や声掛け訓練等を実施して特殊詐欺被害を水際で阻止する協力体制を構築した。
これまでの取組に対する評価
<少年非行防止・保護総合対策の推進>
令和4年中に刑法犯で検挙・補導された少年の総数は、前年と比べ増加し、全体に占める中学生以下の割合は高水準で推移していることから、非行防止教室の積極的な開催等により低年齢層の規範意識の醸成を図るとともに、支援対象少年に対する各種体験活動等による立ち直り支援活動の推進、関係機関と一層の連携強化等した各種非行防止対策を展開していく必要がある。また、インターネット利用に起因する非行、犯罪被害、トラブル等の防止のため、児童生徒及びその保護者等に対し、被害防止教室やチラシ等広報資料を活用したインターネットの適切な利用、ペアレンタルコントロール等の普及啓発活動を強力に推進していく必要がある。
<女性・子供・高齢者の人身の安全を守るための取組の推進>
ストーカー・DV、児童虐待等の人身安全関連事案への対応に当たっては、認知段階から事案の危険性、切迫性を慎重に見極め、直近の事案対処と将来の危険を防ぐ長期的な対処の2つの時間軸に最も効果的な手段を用いて臨み、令和4年中は、事案の重大化を未然に防ぐことができ、人身安全関連事案に係る重大事件の発生なし、DV・ストーカー事案の検挙数及びストーカー禁止命令等の行政措置件数減少という結果を生んだ。高齢者の行方不明については、初期捜索への警察力の大量投入はもちろん、自治体等を初めとした関係、協力機関等の連携による情報発信、捜索への参加等により、令和4年中は、高齢者行方不明事案の発生件数に締める発見者の割合は、9割を超えた。人身の安全を守るための取組については、1件でも痛ましい事件の発生をさせないという強い信念のもと、相談・事件への対処、継続的な支援に向けた関係機関との連携強化を今後も推進して行く必要がある。
<特殊詐欺被害水際阻止強化対策事業>
令和4年中の水際阻止件数は、71件(阻止金額約645万円)、令和5年は9月末で58件(阻止金額約494万円)であり、その約7割がコンビニエンスストア従業員による阻止であることから、特殊詐欺被害防止アドバイザーの活動による効果が現れている。
しかし、犯人グループは社会情勢の変化に機敏に反応し、犯行手口も一層巧妙化、複雑化させるなどして犯行に及んでおり、被害が後を絶たない現状にある中、特殊詐欺被害の認知件数は、令和3年から2年連続で増加し、昨年は51件を認知するなど増加傾向にある。
本年は、9月末現在で、47件を認知しており、被害額は約1億9,137万円と過去最高額を更新するなど、極めて深刻な情勢となっている。
特殊詐欺被害を防止するためには、犯行手口を知って抵抗力を身につけることが重要であることから、今後もマスメディアや防災無線等の各種媒体を通じた情報発信や被害の水際阻止に重点を置いた事業を継続して行っていく必要がある。
○特殊詐欺認知状況
・平成30年 23件 約1,503万円
・令和元年 23件 約2,232万円
・令和2年 26件 約8,785万円
・令和3年 42件 約8,472万円
・令和4年 51件 約1億2,610万円
○特殊詐欺水際阻止状況
・平成30年 46件 約1,742万円
・令和元年 28件 約542万円
・令和2年 54件 約1,279万円
・令和3年 89件 約802万円
・令和4年 71件 約645万円