(1)森林環境譲与税は、「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」の規定の範囲内で、各自治体の判断により幅広い事業に活用が可能であるが、森林の少ない都市部においては使途が限定される中、山村部との連携を通じて森林整備の推進を図ることが有効である。具体的な使途としては、例えば、都市部・山村部の子どもたちの植樹活動等を通じた交流会の開催、山村部自治体における森林の整備費用の負担等の活用が想定される。
(2)こうした取組は、都市部と山村部双方にメリットがある。例えば、都市部にとっては、体験学習等により、子どもたちが山村に滞在し、豊かな自然や文化を体験することで、健康でゆとりある生活の実現、山村や森林・林業に対する理解の深化に役立っており、山村部にとっては、人口減少に伴う森林の荒廃など地域資源の保全・管理が困難になりつつある中、特用林産物や農産物の販売、宿泊施設の利用などにより、地域課題解決に向けた糸口や、場合によっては雇用を創出するチャンスにもなり得る。
(3)ただし、自治体間の交流は姉妹都市・友好都市や河川の上下流等の既存のつながりを足掛かりにすることが多く、県内市町村独自の取組として新たな交流を創出していくには限界がある。
(4)そのため、県として、森林環境譲与税活用を呼び水にした都市山村の交流・連携を創出し、それを森林整備に繋げていくという観点で、県内市町村に対して、研修会の開催等による必要なノウハウの提供等に取り組み、都市と山村の双方にメリットをもたらすようマッチングを図っていく。