1 事業の目的・概要
プレコンセプションケア(※)を推進するため、市町村と協働でプレコンセプションケア健診事業を実施するとともに、普及啓発の支援を行う。また、県民に対して、プレコンセプションケアに係る正しい情報発信や思春期以降の心身に関する相談対応を行う。
※プレコンセプションケアの定義
・男女ともに、性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うこと
〔出典:成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(R5.3.22改定)〕
・若い男女が将来のライフプランを考えて日々の生活や健康と向き合うこと
〔出典:国立研究開発法人国立成育医療研究センター(プレコンセプションケアセンター)〕
・妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと。女性とカップルの健康を増進し、母子の健康の悪化に繋がる行動や個人的・環境的要因を減らすことを目的とする。
〔出典:WHO(世界保健機関)〕
2 主な事業内容
<プレコンセプションケア健診推進事業> (単位:千円)
 | 細事業名 | 内容 | 実施主体 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | プレコンセプションケア健診事業補助金 | プレコンセプションケア健診(血液検査、性感染症、妊孕性等に関する健診)に取り組む市町村と協働して、個人負担なく検診を無償で受けられるよう支援を行う。
【実施主体】 市町村
(R7年度健診実施予定)
R7当初 境港市、湯梨浜町
R7年度中 三朝町、大山町、南部町
【補助率】 県1/2、市町村1/2
【補助内容】
(1)健診事業 30,000円/回程度
(補助対象)
・18〜39歳の男女(配偶者の有無を問わ ない)のうち、健診実施市町村が定める 者
・県が指定する医療期間で、指定する検査
項目を受診した場合に限る
(2)(1)の実施に係る事務費
<財源>単県 | 市町村 | 10,226 | 0 | 新規 |
2 | プレコンセプションケア健診体制整備補助金 | プレコンセプションケア健診に係る医療機関への支払・請求に係るシステム整備の費用を助成する。
【補助対象】鳥取県国民保険団体連合会
<財源>単県 | 県 | 3,000 | 0 | 新規 |
合計 | 13,226 | 0 |  |
<普及啓発・健診事業検討> (単位:千円)
 | 細事業名 | 内容 | 実施主体 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | プレコンセプションケア情報発信事業 | (1)リーフレット・ポスター等による普及啓発
(2)講演会、オンラインセミナー、支援者向け研修の実施
<財源>国3/4、県1/4 | 県 | 3,285 | 0 | 新規 |
2 | プレコンセプションケア健診の在り方検討会の運営 | プレコンセプションケア健診の在り方について、国や市町村、医療従事者等の専門家により包括的な検討を行う。また、プレコンセプションケア健診事業の経過確認や効果検証を行う。
<財源>国3/4、県1/4 | 県
<委託先>
鳥取県国民保険団体連合会 | 402 | 0 | 新規 |
合計 | 3,687 | 0 |  |
<プレコンセプションケアに係る相談・健診後のフォローアップ体制> (単位:千円)
 | 細事業名 | 内容 | 実施主体 | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 性と健康の相談センター事業 | (1)基礎疾患のある妊産婦等への妊娠と薬外来加算【拡充】
内容:医療機関に委託して、基礎疾患のある妊産婦等への妊娠と薬に関する相談支援を実施する。
補助上限:7,700円/件
(2)プレコンセプションケアに関する相談支援加算【拡充】
内容:医療機関に委託して、プレコンセプションケアに関する相談支援を実施する。
補助上限:7,700円/件
(3)性と健康の相談センター事業
内容:思春期、妊娠、出産等の各ライフステージにおける男女等を対象に、健康相談支援の実施、健康教室・研修の開催、広報活動を実施する。
<財源>国1/2、県1/2 | 県 | (673) | (273) | 拡充 |
2 | 助産師への電話・メール・LINE相談事業 | 悩みや負担を抱える母親や思春期の若者等の相談対応を行い、正しい知識の啓発や助言を行う。
<財源>国1/2、県1/2 | 県
<委託先>
鳥取県助産師会 | (4,112) | (4,112) |  |
合計 |  | (4,785) | (4,385) |  |
背景
近年、若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などによりリスクの高い妊娠や、不妊リスクの増加が課題になっている。
また、プレコンセプションケアについて、県の既存の支援策は、中学生から大学生を対象とした出前講座や現に悩みを抱えている者に対する相談支援が中心となっており、学校卒業後の社会人世代に対するプッシュ型の啓発が不足しているという課題がある。ある調査では、妊娠経験のない女性の98%が「詳しく知らない」又は「全く知らない」と回答(※)しているほか、県の不妊治療支援においても、「年齢が上がるにつれて妊娠する確率が低くなることを知らなかったので驚いた、不妊リスクについてもっと早く知りたかった」等の声も聞かれており、学生に留まらない幅広い世代へのプレコンセプションケアの周知啓発及び健康意識の向上が求められている。
(※)出典:国立大学法人浜松医科大学令和5年9月29日発表資料プレコンセプションケア(妊娠前からの健康管理)は、どの程度女性たちの間に浸透しているか〜静岡県中山間地域での調査報告〜