1 事業の目的・概要
島根原子力発電所に係る環境放射能モニタリングの拠点施設である「鳥取県原子力環境センター(以下「センター」という。)」において、島根原子力発電所から30km圏内(UPZ)の環境放射能の平常時モニタリングを行う。
また、放射能測定に係る専門研修等に職員を派遣し、放射能測定の知識及び技術を有する人材を育成する。
2 主な事業内容
1 平常時モニタリング【2,983千円】
(1)概要
県民の安全を守るため、島根原子力発電所周辺地域(UPZ)において、島根原子力発電所に起因する放射性物質による環境への影響及び住民の被ばく線量等の推定、評価を行うため毎年度測定計画を定めて調査を行う。
【主な調査項目】
・空間放射線量率
・浮遊じん、降下物、陸水、植物、土壌、海水、農産物、海産生物に含まれる放射性核種(セシウム137、ヨウ素131等) 等
(2)主な経費
試料採取委託・旅費、消耗品等
2 センター職員に係る人材育成【1,711千円】
(1)概要
放射能分析研修、専門講習会等に職員を派遣し放射能測定に係る技術の習得及び習熟に努めるとともに、放射線障害防止法で設置が義務づけられている放射線取扱主任者の資格者を養成する。
また、原子力施設立地県等の測定機関で構成する「原子力施設等放射能調査機関連絡協議会」へ参加し、相互の課題を共有するとともに、対応・課題解決につなげる。
(2)主な経費
研修旅費・受講料、放調協負担金等
3 センターの管理運営【36,660千円】
(1)概要
測定結果の精度を確保するため、測定機器の点検・校正、クロスチェック等の精度管理を行うとともに、センター設備の維持管理等を適切に行う。
(2)主な経費
機器・設備保守、精度管理委託、光熱水費等
3 背景
平成24年10月に原子力災害対策指針でUPZが定められ、島根原子力発電所のUPZに境港市及び米子市の一部が入ることとなり、緊急時に備えて島根原子力発電所周辺地域における平常時からのモニタリングが必要となった。
そのため、平成25年度からモニタリングの拠点として、センターの整備を開始し、平成29年11月に機能強化を含めた整備が完了した。
4 昨年度からの変更点
委託料について、ゲルマニウム半導体分析装置用PC及び解析ソフトの更新、環境試料の前処理に用いる電気炉の点検、今後廃棄を予定している液体シンチレーションカウンタ装置内の内部線源の引き取り業務について新規に追加した。
また、原子力環境センターの無停電電源装置の蓄電池が交換時期となっていることから、蓄電池の交換を実施する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
センター整備と並行して機器整備を進め、平成25年度から本格的に島根原子力発電所周辺での平常時モニタリングを開始した。
その後も、順次、機器整備を進め、平成29年度にセンターが完成し、測定項目の拡充を図っている。
また、研修、講習会等で放射能測定に係る知識や技術の習得や主任者養成を実施しているところ。
これまでの取組に対する評価
センターの完成により、測定体制が整い、測定計画に基づいて平常時モニタリングを実施しており、測定結果については、鳥取県原子力安全顧問の確認を受けて公表している。
また、研修、講習会等の受講により、放射能測定に係る知識や技術を有する人材を育成し、放射線取扱主任者取得者も年々増加している。