1 事業の目的・概要
農作物の優良な種子の生産及び普及を促進し、本県の農作物の品質の確保及び安定的な生産に資する取組を支援することで生産者の実質的な所得増加及び水田農業の維持・発展を目指す。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度
予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 農作物種子人材育成事業 | 【補助対象事業】
(需要調査・人材育成対策)
・事例調査
先進地視察
・マーケティング調査
近隣県:需要・生産量等
・人材育成
種子栽培の手引き作成、技術向上研修会の開催
【補助対象経費】
会場賃借料、旅費、謝金、 資料印刷費等 | 鳥取県産米改良協会 | 1/2 | 300 | 300 | |
2 | 農作物種子生産対策事業 | 【補助対象事業】
(生産対策)
・収量向上・新品種導入促進
実証ほ場の設置
【補助対象経費】
記帳代、サンプル代、報償費、資材費、備品費 | 1/2 | 241 | 241 | |
3 | 農作物種子生産基盤対策事業 | 【補助対象経費】
機械整備経費(色彩選別機設置経費等) | 全農とっとり | 国1/2
県1/6
※国事業対象外の場合
県2/3 | 0 | 0 | 本年は要求しない |
合計 | 541 | 541 | |
3 背景
平成30年4月の主要農作物種子法の廃止にともない、米、麦、大豆等の種子(以下「農作物種子」という)の確保については、各県への義務付けがなくなる一方、国は種苗法に基づき、流通する種子の品質確認を都道府県に負わせることができることとなった。各都道府県は地域の実情を鑑み、農作物種子の安定確保の観点から種子条例を制定し、各関係機関の役割を明確にし、優良な種子の生産に努めてきた。
現在、全国では、各県種子協会を主体に余剰種子を融通することで、突発的な種子の不足に対応しているが、高齢化による生産者の減少、消費者ニーズに対応した複数品種の採種ほ場の設置、気象変動や病害虫等の発生により、各県で余剰種子を融通することが難しくなってきている。
本県では、次年産用の種子のうち水稲を鳥取市国府町で、麦、大豆を各JA管内で、採種ほ場を設置し生産している。県は、「鳥取県農作物種子条例」(令和元年7月4日 鳥取県条例第3号)に基づき、県に代わって採種ほ場の指定等を行う指定種子改良団体として鳥取県産米改良協会を指定し、種子の需給や関係機関との調整を担わせるとともに、当該団体と連携して、種子のもと種となる原種、原原種の採種ほ場への供給、採種ほ場や生産物の審査等を行ってきた。
令和3年度に水稲栽培技術等の向上のマニュアルを作成し、令和4年度から生産技術改善に向けた新たな取り組みがスタートした。令和5年度には喫緊の課題であった施設整備を実施し、生産基盤を改善するととに、関係機関により組織される「県産種子のあり方委員会」が発足し、今後の県産種子生産体制について話し合い場を持つこととなった。しかし、 近年、採種ほ場では、全国と同様に気象変動や病害虫等の発生により、十分な数量・品質の確保が非常に難しい状況が続いており、優良種子の安定生産に向けて、人材育成、技術向上への継続的な支援や調製機械の導入支援が必要である。
4 前年度からの変更点
色彩選別機の導入について、種子のあり方委員会での協議により
R8年度に向けて検討することとなった。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
1 事業目標
事業目標を達成することで、県内農業の農業者所得向上に貢献し
持続可能な産業構造を整備する。
・種子組合担い手者数の増加
・合格種子の各年産の契約数量に対する割合:90%
・種子伝染性病害の発生割合:0%
・種子施設の機能向上
2 取組状況
・R3:採種マニュアル作成
・R4:マニュアルの活用と定点調査ほ場の設置による生産技術改善
・R5:種子乾燥機能の増強
・R5〜6:県産種子のあり方委員会発足
3 改善点
・技術対策と新品種導入に係る事業の設定
・基本技術の継承に必要な情報を整理
・種子乾燥調整施設の改修整備
これまでの取組に対する評価
・近年は種子伝染性病害の発生率が低下した
・マニュアルを作成し、生産技術向上の取り組みがスタートした
・種子乾燥機能の増強により、円滑な乾燥作業が実施出来ている
・種子生産設備の課題を抽出し、改善に向けた必要性を関係機関で共有した