事業名:
鳥取梨生産振興事業
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農林水産部 生産振興課 園芸振興担当
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事業費(A) |
人件費(B) |
トータルコスト (A+B) |
正職員 |
会計年度任用職員 |
特別職非常勤職員 |
当初予算額 |
112,279千円 |
27,605千円 |
139,884千円 |
3.5人 |
0.0人 |
0.0人 |
当初予算要求額 |
130,754千円 |
27,605千円 |
158,359千円 |
3.5人 |
0.0人 |
0.0人 |
前年度当初予算額 |
114,122千円 |
27,388千円 |
141,510千円 |
3.5人 |
0.0人 |
0.0人 |
事業費
要求額:130,754千円 (前年度予算額 114,122千円) 財源:単県
一般事業査定:計上 計上額:112,279千円
事業内容
1 事業の目的・概要
本県梨の主力品種である「二十世紀」「新甘泉」等の生産拡大を図るため、省力化栽培技術対策、防災・減災対策、出荷・価格安定対策等を総合的に支援する。
2 主な事業内容
(1)気象災害に強い施設整備事業
高機能を有する(※)多目的防災網や防風ネットの更新を支援する。
(※従来品より軽量で網の展帳・収納作業が容易で、雹や強風等から梨の果実を守る多目的防災網)
(単位:千円)
 | 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 高機能多目的防災網整備支援 | 高機能な多目的防災網への掛け替えに係る経費 | JA、生産組織、認定農業者又は認定農業者に準ずる者など | 1/3
(240千円/10a) | 0 | 1,254 | 果樹カメムシ対策支援事業(R6年度11月補正)でR7年度分を前倒し実施 |
2 | 防風ネット整備支援 | 防風ネットの更新に係る経費 | 1/3
(90千円/10a) | 100 | 継続事業 |
合計 | 100 | 1,254 |  |
(2)「新甘泉等」特別対策事業
梨特別対策品種「二十世紀」、「新甘泉」及び「王秋」の生産拡大を支援する。
(単位:千円)
 | 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 生産基盤整備支援 | 植栽、高接ぎ(一挙更新に限る)、果樹棚・かん水施設、ハウス(二十世紀に限る)、防霜対策設備などの整備に係る経費 | JA、生産組織、認定農業者又は認定農業者に準ずる者など | 1/2〜
2/3 | 82,378 | 66,682 | 継続事業
(網かけ施設整備に関する支援は果樹カメムシ対策支援事業でR7年度分を前倒し実施) |
2 | 育成促進奨励金交付 | ・新植、改植(全面):200千円/10a
・高接ぎ、改植(間植え):106千円/10a | 市町村
※市町村から生産者へ奨励金を交付 | 定額
※県1/2、市町村1/2 | 1,644 | 継続事業 |
組織的な高接ぎに取り組む事業実施主体への一律奨励金:100千円
高接ぎ一挙更新に係る奨励金:50千円/10a
高接ぎ順次更新に係る奨励金:20千円/10a | JA、生産組織 | 定額 | 175 | 継続事業 |
3 | 苗木供給支援 | 苗木供給不足に備え、予備苗木の確保に要する費用 | JA全農とっとり | 10/10
(1,500千円上限) | 750 | 継続事業 |
合計 | 84,947 | 66,682 |  |
(3)ジョイント栽培拡大事業
特別対策品種以外の品種のジョイント栽培※による生産拡大を支援する。ジョイント栽培専用大苗の安定供給のため、大苗育苗業者を支援するとともに、地域の実情に応じた専用大苗の育苗受委託システムづくりを支援する。
(単位:千円)
 | 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 生産基盤整備支援 | 植栽、高接ぎ(一挙更新に限る)、果樹棚・かん水施設、防霜対策設備などの整備に係る経費 | JA、生産組織、認定農業者又は認定農業者に準ずる者など | 1/3〜
1/2 | 14,279 | 17,931 | 継続事業
(網かけ施設整備に関する支援は果樹カメムシ対策支援事業でR7年度分を前倒し実施) |
2 | 育成促進奨励金交付 | ・新植、改植(全面):200千円/10a
・高接ぎ、改植(間植え):106千円/10a | 市町村
※市町村から生産者へ奨励金を交付 | 定額 ※県1/2、市町村1/2 | 625 | 継続事業 |
3 | ジョイント大苗育苗支援 | ジョイント仕立て用2年生大苗の育苗を外部委託する際の経費 | JA、生産組織、農業公社など | 2/3 | 6,832 | 継続事業 |
ジョイント仕立て用2年生大苗を増産する業者がやぐら等育苗施設、かん水施設を設置したり、育苗資材購入する経費 | 苗木業者、山林樹苗協同組合、JA、生産組織、農業公社 | 1,000 | 継続事業 |
ジョイント仕立て用2年生大苗の試作を行った者に育苗経費相当の助成金を交付するのに要する経費 | JA全農とっとり | 定額 | 159 | 継続事業 |
育苗委託中の苗の枯死や生育不良による2年生大苗の不足に備えて予備の大苗を確保する経費 | 4,452 | 継続事業 |
4 | 新技術等実証モデル事業 | ジョイント栽培における新技術・未普及な品種のモデル園を設置する経費 | JA、生産組織、農業公社など | 定額 | 1,200 | 継続事業 |
合計 | 28,547 | 17,931 |  |
※ジョイント栽培とは、密植した長苗を前傾させて隣接樹に接ぎ木(ジョイント)する栽培方法。樹形が単純で作業性が良く、新規就農者でも取り組みやすく、早期多収が期待できる栽培方法
(4)低コスト・体制強化事業
機械の共同利用またはオペレーター体制を整備し、廃園の発生防止や新規参入しやすい条件づくりを支援する。
(単位:千円)
 | 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 機械の共同利用又はオペレーター体制整備推進 | 共同防除に必要な機械購入費等の助成 | 農業者、生産組織 | 1/3 | 6,160 | 17,255 | 継続事業 |
合計 | 6,160 | 17,255 |  |
(5)果実緊急価格安定対策事業
価格安定のための国内外への出荷・需給調整に係る冷蔵保管料や遠隔地への運賃を支援する。
(単位:千円)
 | 補助金名 | 補助対象事業・補助対象経費 | 実施主体 | 県補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度予算額 | 前年度からの変更点 |
1 | 国内外への出荷・需給調整による価格安定化の支援 | ・出荷量調整のため、低温貯蔵庫等に梨を保管する経費
・出荷市場を分散させるため、遠隔地市場へ出荷する際のかかる割増運賃
・輸出前の一次保管に係る経費、輸出検査不合格時に出荷先の変更に係る経費 | (一社)鳥取県果実生産出荷安定基金協会 | 1/2
| 11,000 | 11,000 | 継続事業 |
合計 | 11,000 | 11,000 |  |
3 背景
・農業生産額1千億円プランを達成し、今後の梨生産振興の方向性を示すため、令和元年度に生産現場と一体となって「未来へつなぐ とっとり梨生産振興プラン」(以下、梨プラン)を策定した。新たな担い手の確保・育成、省力的な栽培体系の推進等により、栽培面積の維持・拡大、収量の増加等を図っている。
・目標額達成には収益性の高い品種を省力的かつ安定的に栽培する体系づくりが重要という生産現場からの声がある。
・そこで、高単価で安定している「新甘泉」「王秋」「二十世紀」への重点的な支援、省力的なジョイント栽培の推進、気象災害への対策等を総合的に支援してきた。
4 前年度からの変更点
・「高機能な多目的防災網への掛け替え」及び「網かけ施設の整備」は、令和6年度11月補正要求中の「果樹カメムシ被害対策事業」で緊急対策として支援を検討する。
・R6年度限りとした新たな燃焼資材による霜被害対策実証モデル園の設置は廃止する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
1.事業目標
「鳥取県農業生産額1千億達成プラン」に基づき、果樹新品種を活かした産地振興及び機械化・省力化、苗木・種苗の安定供給システムの構築等を推進する(令和7年度目標:梨新品種栽培面積230ha)。
2.取組状況・改善点
(1)「新甘泉等」特別対策事業、ジョイント栽培拡大事業
・県園芸試験場が育成した「新甘泉」、「秋甘泉」は、品種登録出願の年から生産者への苗木供給を開始(H18〜新甘泉、H20〜秋甘泉)。
・平成20年度から、鳥取県内で育成された梨新品種の植栽や果樹園整備を支援する次世代鳥取梨産地育成事業を開始(H23〜次世代鳥取梨ブランド創出事業、H26〜鳥取梨生産振興事業)。
・国は国内の各果樹産地に対して産地構造改革計画の策定を求めており、鳥取県でも平成28年度に東・中・西部の3地区において計画が策定(令和3年に改訂)され、地域の特性に応じた振興品種を決定している。
・本県が育成したオリジナル品種の中で、特に「新甘泉」は抜群の甘さで人気が高く、高単価で販売できていることから、産地振興の切り札として、平成25年度に「新甘泉」生産強化モデル支援事業を実施し、接ぎ木による生産拡大、苗木の確保、新しい梨栽培のスタイルを提案する「新甘泉」+「低コスト網掛け施設」+「ジョイント整枝」のニューモデル園を整備した。
・低コストな網資材は、設置早々に破れた事例もあったことから、掛け方の工夫が必要となった。そこで、平成30年3月には、多目的防災網の導入の目安として、設置方法の工夫点も示した資料を作成し、生産者等に配布した。
・平成28年の中部地震で収穫前の晩生梨が多数落果したが、「王秋」は訳あり梨販売等で知名度が飛躍的に向上した。平成29年度から「王秋」を復興のシンボルとしてジョイント栽培を活用した生産拡大を進めている。
・また、平成29年度からジョイント栽培専用大苗の安定供給のため、鳥取県山林樹苗組合よる大苗育苗を実施し、平成30年秋から農業者への大苗供給を行っている。
・令和元年度に策定した「未来へつなぐ とっとり梨生産振興プラン」の達成に向け、令和2年度から本県の主要品種「二十世紀」を特別対策品種に追加し、省力的な栽培へのシフトを支援。
・令和3年の霜害を機に、気象災害に対する防災・減災対策へのニーズが高まっており、また、気候変動の影響による生育の前進化で、近年の降霜遭遇頻度が高まっていることから、令和4年度から霜害対策施設(防霜ファン、防霜用散水施設)の整備を支援対象に追加。
(2)低コスト・体制強化事業
資材価格の高騰などから補助事業があっても施設整備が難しくなっており、機械の共同利用やオペレーター体制整備を推進し、事業費の低減と農家負担の軽減を図っている。
(3)緊急価格安定対策事業
平成13年以降、梨の価格下落が顕著化し、価格安定を図る取組として支援を開始。
(事業の変遷)
・H13〜17:二十世紀梨再生促進事業(流通販売体制整備事業)
・H18〜20:二十世紀梨再生促進事業(内外流通促進対策)
・H21〜23:食のみやこ鳥取梨流通対策事業
・H24〜27:果実緊急価格安定対策事業
・H18から、販売単価が目標単価を上回った場合、生産者等負担金の10%以内を次年度向けとして基金に積立てるシステムを導入。
・H21から、低温貯蔵庫入出庫時の収支差補てんを実施(上限200円/10kg)、H24から上限単価を300円/kgへ引き上げ。
・H24から、下級品の海外販売が難しくなったため、九州出荷する場合の運賃補てんを拡充。
・H26には、中華圏の中秋節の早まりによる輸出量の減少に伴う国内価格の低下が懸念されたため、これらを進物向けに販路開拓するために要した費用への補助等を実施。
・令和2年より九州への出荷も補助対象として拡充。
(4)気象災害に強い施設整備事業
頻発する気象災害から果実を守るため、令和元年度より機能向上した多目的防災網への掛け替えの支援を開始。
令和2年度より防風ネットの更新も対象として拡充。
これまでの取組に対する評価
(1)「新甘泉等」特別対策事業、ジョイント栽培拡大事業
・「新甘泉」を含む梨新品種の栽培面積は、令和5年度末時点で233haまで増加している。
・「新甘泉」は、栽培面積が令和5年度末時点で143haへと順調に増えており、販売単価は令和5年産で705円/kg(市場+進物販売)と高単価を維持している。
・「新甘泉」のニューモデル園は、ジョイント栽培と網かけ施設により、作業性の良さと早期に収穫できること、気象災害のリスクが軽減されること等から高評価を得ている。
・低コスト網は、軽量で作業性は良いという好評価があるものの、破れが生じやすいという負の結果が口コミで広がり、普及には至っていない。
・苗木業者によるジョイント栽培専用大苗の受託育成システムにより、大苗の委託希望量は年々増加(令和元年:2,544本→令和5年:3,288本)し、県内のジョイント栽培の面積は着実に増加(令和元年:129ha→令和5年:187ha)している。
・「二十世紀」を特別対策品種に位置づけたことにより、ハウス整備やジョイント栽培への改植が進みつつある。
・霜害への備えとして、気象モニタリングシステムと連動した防霜ファンや防霜用散水施設の導入が進んだ。
(2)低コスト・体制強化事業
・防除用機械や除草用機械を共同利用体制で整備する事例が増え、農業者の負担軽減に寄与している。令和元年度から5年度までに、44件の活用実績があった。
(3)緊急価格安定対策事業
・平成21年に関東出荷への運賃補てん事業を拡充し、関西市場へ集中していた出荷を関東市場向けにも確保できるようになり、需給調整と首都圏での本県梨PR、販路開拓に役立っている。
・主要輸出先である台湾の輸出検疫が強化されたが、検査不合格時の転送経費等への支援によってリスクを軽減することで、積極的な梨輸出が可能となっている。また、国内では好まれない大玉果実を輸出することで、国内の価格安定につながっている。
(4)気象災害に強い施設整備事業
・高機能な多目的防災網への掛け替えは、令和元年度から令和5年度までに32件、12.6haの園地で実施された。
財政課処理欄
「新甘泉等」特別対策事業(生産基盤整備支援)及び果実緊急価格安定対策事業について実績を勘案し金額を精査しました。
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
114,122 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
114,122 |
要求額 |
130,754 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
130,754 |
財政課使用欄(単位:千円)
区分 |
事業費 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
計上額 |
112,279 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
112,279 |
保留 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
別途 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |