これまでの取組と成果
これまでの取組状況
(1) 事業目標
本県養殖振興に資するため、県内に普及していない養殖技術の普及、栽培基本計画に位置付けられた養殖対象種の養殖生産量の増大、生産の効率化や環境配慮型養殖への取組を実施するために必要な施設整備に対して助成を行うことで、本県の養殖業を推進し、本県水産物の安定供給や養殖業経営の安定を図る。
(2)取組状況・改善点
これまで本県では、沿岸の地理的条件により海面養殖業が発展してこなかったが、H23年度に境港市に企業誘致し、H25年度に美保湾でのギンザケ養殖が本格事業化したのをきっかけに、養殖事業者のギンザケ稚魚生産施設をはじめ、井戸海水を利用した陸上養殖施設の整備を支援し、H28年度に琴浦町でギンザケ、H29年度に岩美町でマサバ、R2年度に淀江町でマサバ、琴浦町でニジマスの陸上養殖がそれぞれ開始され、R5年度には、県漁協が魚類の港内養殖の取組を事業化するなど、県内で徐々に養殖業が拡大してきている。
R5年度まで、新たな生産ロットを増やし、県内に普及していない新技術を用いた養殖推進は「養殖生産施設整備事業」で支援してきたが、技術の新旧に関わらず既存の養殖や蓄養の生産量増大等の経営発展に取り組む場合の支援制度がなかったため、R5年度6月補正予算で「がんばる養殖支援事業」を整備した。
これまでの取組に対する評価
養殖生産施設整備事業では、これまでに令和2年度に米子市淀江町でマサバ陸上養殖施設、琴浦町でニジマス陸上養殖施設の計2件の大規模な養殖場整備を支援してきた。これにより県内養殖生産ロットの増加に寄与した。
一方、陸上養殖施設は養殖場ごとに水質、水量が異なり、生産開始後、養殖場ごとに異なる生産上の問題が生じてくる。こうした各養殖事業者の課題を解決し、生産量増大、経営強化につながる支援が必要である。