現在の位置: 予算編成過程の公開 の 令和7年度予算 の 水産振興局の小わざ魚道改修事業
令和7年度
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:農林水産業費 項:水産業費 目:水産業振興費
事業名:

小わざ魚道改修事業

もどる  もどる
(この事業に対するご質問・ご意見はこちらにお寄せください)

水産振興局 水産振興課 漁業振興担当 

電話番号:0857-26-7317  E-mail:suisan@pref.tottori.lg.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 会計年度任用職員 特別職非常勤職員
R7年度当初予算要求額 49,639千円 1,577千円 51,215千円 0.2人 0.0人 0.0人
R6年度当初予算額 39,320千円 783千円 40,103千円 0.1人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:49,639千円  (前年度予算額 39,320千円)  財源:単県 

事業内容

1 事業の目的・概要

 県内3河川(千代川、天神川、日野川)ではアユの遡上量が減少し、特に平成26年以降からアユ資源量、漁獲量が共に歴史的低水準となった。各河川の漁協では、産卵場造成やカワウ対策等、アユ資源回復のための取組を続けているが、過去の資源水準まで回復していない。天然アユの遡上量が増加しても、機能が低下した魚道では遡上期のアユが生息場適地に辿りつけないため、資源低下の要因となっている。また、機能が低下した魚道周辺部では遡上できないアユが滞留するため、カワウによる食害被害が起こっている。このことから、平成29年度に国、県、漁協、専門家で組織した「水辺の環境保全協議会」を県が設置し、3河川における小わざ魚道の必要箇所、優先順位等を協議している。

     令和7年度は天神川の大原堰で小わざ魚道を整備し、千代川の大井手用水堰で整備する小わざ魚道の設計を行う。また、水辺の環境保全協議会を開催し、アユ資源増殖促進のための状況把握として水温や遊漁者数等を把握する。

2 主な事業内容

(単位:千円)   
細事業名
内容
要求額
前年度要求額
小わざ魚道の設計箇所:千代川(千代川水系)大井手用水堰(鳥取市)
前年:なし
3,713
小わざ魚道の整備箇所:天神川(天神川水系)大原堰(倉吉市)
前年:天神川(天神川水系)郡山大口堰(倉吉市)
45,105
38,500
水辺の環境保全協議会の開催3河川における小わざ魚道の必要箇所等を協議をする。
開催回数:年1回
参集範囲:国、県、河川漁協、専門家
経費の内訳:報償費19千円、特別旅費5千円
24
24
アユ資源増殖促進のための状況把握・3河川における年間を通した水温計測を実施する。
・遊漁者数、放流尾数を把握する。
経費の内訳:委託料796千円
796
796
合計
49,638
39,320

3 事業背景

 水産資源保護法(第22条)の規定により、土地改良区等(堰堤等の所有者又は占有者)は、河性魚類の上を妨げないように堰堤等の管理をしなければならないとされており、多くの堰堤には魚道設備が設置されている。しかし、設置当時は機能していた魚道も、その後の自然災害による損壊や澪筋の変化等により機能しなくなったものが多数見られるようになった。機能の回復が望まれるところであるが、土地改良区等の組合員数の減少等から資金が捻出できず、魚道の修繕が進んでいないのが現状である。

 一方、内水面漁業協同組合では、漁業権魚種(アユ等)の増殖義務に基づき、毎年、アユの放流等を行っているが、魚道の機能不全等により十分な資源を増殖させるには至っていない。すなわち、各漁協が増殖のために努力しているにもかかわらず、アユ資源量は近年、非常に低い水準にある。魚道改修により河川の連続性(遡上・降下の容易さ)を回復させることは、アユ資源回復の一助となることが期待されるとともに、その他河川回遊性魚介類にとっても有効となる。魚道修繕には生態系保全など河川環境の改善といった公共的な側面も含まれており、早急に県で修繕を行うこととする。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況

(事業目標)
 県内3河川(千代川・天神川・日野川)において堰堤等により河川の連続性が妨げられている箇所を修繕することで、アユ等有用魚介類資源ならびに河川生態系の回復に寄与することを目指す。
(取組状況)
 各水系全体の生態系を豊かにするために、関係機関(国、県、漁協、専門家)が河川環境や生物・生態系保全等に関して情報を共有し、水辺の環境保全の推進及び実施について協議する「水辺の環境保全協議会」を平成29年6月5日に設置した。水辺の環境保全協議会では魚類等の遡上を阻害している魚道の改修や河川環境の改善に関わる施策等について、全体の協議会及び各水系毎の部会で協議している。
 現在、天神川の郡山大口堰で小わざ魚道の整備を進めており、来年度は天神川の大原堰で小わざ魚道の整備を、千代川の大井手用水堰で小わざ魚道の設計を実施する予定である。
(改善点)
 水産振興課では本事業において、水辺の環境保全協議で承認を得た修繕すべき魚道について年1基のペースで修繕等を実施してきた。しかし、緊急で改善する必要があると判断される堰堤は9基あり、全ての工事が終了するのに10年以上掛かることから、修繕ペースを上げることとし、より早く良好な河川環境に回復出来ることを目指した。

これまでの取組に対する評価

平成30年度事業で千代川の大井手用水堰のスロープを小わざ魚道として修繕した。令和2年度事業で天神川の郡山大口堰に袋詰め玉石を魚道様に設置する設計をし、令和3年度事業で天神川の郡山大口堰で施工。令和4年度事業で千代川水系八東川の永野堰と日野川の蚊屋堰で小わざ魚道を整備した。これらの事業により、各河川で魚介類が遡上できるよう改善を進めているところである。
 平成30年度以降に整備した小わざ魚道は、適切に粗石を設置したことで通水時の流速が抑えられ、アユの遡上に寄与していると判断され、漁協からも評価されている。
 また、天神川郡山大口堰における袋詰め玉石設置に関して、漁協や釣り人からの聞き取りによると、改修前までは堰堤の下にアユが溜まっていたが、改修後は上流までアユの遡上が見られ漁場が広がっていた、とのことだった。
 なお、水辺の環境保全協議会は、各漁協も参加し、魚道に限らずカワウやその他について情報を共有するとともに、対策を検討・協議する場として、漁協等から評価を得ている。




要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 39,320 0 0 0 0 29,000 0 0 10,320
要求額 49,639 0 0 0 0 37,000 0 0 12,639