1 事業の目的・概要
野生鳥獣による農作物等への被害を減少させるため、侵入防止柵の設置や捕獲、処分等の対策を支援するとともに、対策技術の普及や人材育成を行う。
2 主な事業内容
(単位:千円)
 | 事業名
(補助金名) | 補助対象の事業内容 | 実施
主体 | 県補助率
(上限額) | 事業費 | 要求額 | 前年度
予算額 |
1 | 鳥獣被害総合対策事業費補助金
【単県事業】 | 1 侵入を防ぐ対策
| 市町村
協議会
JA等 | 1/3 | 188,598 | 84,430 | 84,698 |
2 個体数を減らす対策
・有害鳥獣の捕獲(捕獲班員の活動費)
・捕獲班員育成・確保
|
・捕獲奨励金
(イノシシ(猟期以外)、シカ、ヌートリア、アライグマ)
| 市町村 | 1/2 |
| 3 周辺環境を改善する対策
| 協議会 | 1/4 |
2 | 鳥獣被害防止総合対策交付金
【国庫事業】 | 1 推進事業(ソフト)
| 協議会 | 定額
又は1/2 | 181,533 | 179,601 | 169,589 |
|
|
2 整備事業(ハード)
・侵入防止柵等の被害防止施設
・捕獲鳥獣の処理加工施設等
| 協議会(市町村等含む) | 1/2
(自力施工では定額) |
| 3 緊急捕獲事業(ソフト)
| 協議会又は市町村 | 定額 |
3 | 県推進事業
【国庫事業・標準事務費】 |
・実施隊の体制強化
・地域の捕獲力の強化
・鳥獣被害対策の推進支援
| 県 | − | 2,388 | 2,388 | 2,413 |
合計 | 372,519 | 266,419 | 256,700 |
前年度からの変更点
捕獲した鳥獣を埋設する簡易な設備(大型排水管)の設置に対する支援事業を新設する。
背景
・捕獲した鳥獣を埋設処分する捕獲従事者の負担軽減について、6月議会で取り上げられた。
・農水省では、捕獲頭数を増やしていく上で、個体の処理が課題であるとして、新規の支援事業を概算要求している。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・国(農林水産省・環境省)は令和5年度の頭数半減目標を掲げ、有害鳥獣の捕獲強化などによる鳥獣被害の軽減を図られており、市町村はこれを支援する国や県の交付金等も活用して取り組んでいる。
・県においても、国や他県に先駆け、平成10年度から「イノシシ等被害防止対策事業」から単県事業で取り組みをはじめ、平成19年度の鳥獣特措法制定、国交付金事業の創設を受けて、被害状況を勘案し取り組みを強化しながら、有害鳥獣による農作物等への被害の軽減を目的に市町村支援に取り組んでいる。。
・平成25年度には鳥獣被害対策の拠点として八頭庁舎に「鳥獣対策センター」を設置している。
・令和4年度から、猟期外のイノシシ捕獲に対して、交付金による支援拡充を行う一方、捕獲活動委託(単県)との併給を見直した。
・令和5年度から、猟期中のイノシシ捕獲に対しても交付金による支援(単県上乗せはしない)を行うこととした。
これまでの取組に対する評価
・農地への鳥獣の侵入を防ぐ対策、鳥獣の個体数を減らす対策に取り組んできたことで、被害額は平成23年度以降は大きく減少して1億円/年を切り、捕獲頭数は平成28年度以降は大きく伸びるなど一定の成果を上げることができている。
・しかし、暖冬による個体数の増加、奥山の餌不足による平野部への侵出といった自然条件の影響が大きく、侵入防止柵の破損個所や未設置地域への侵入、捕獲従事者の不足など対策する側の課題も小さくなく、依然として鳥獣被害は絶えない。
・これは、農家の自助だけで対応できるものではなく、鳥獣被害に対して公助によるしっかりした支援が必要である。
・捕獲強化の取組みが奏功し、捕獲頭数はイノシシ・シカとも1万頭前後まで増加し、被害額は令和5年度には5千万円近くまで減少。
・しかし、令和6年度は被害額が増加傾向であり、一層の対策が求められる。