1 事業の目的・概要
令和7年も飼料用米等の転作品目は引き続き一定の需要が見込まれるとともに、輪作作物としての重要性は高いことから、新たな水田農業の収益性向上を図ることで、地域や担い手による飼料用米、小麦、大豆等の生産拡大に向けた取組を支援する。
2 主な事業内容
(単位:千円)
| 細事業名 | 補助対象経費 | 事業実施主体 | 補助率
(上限額) | 要求額 | 前年度
予算額 | 前年度
からの
変更点 |
1 | 大豆等産地生産性向上支援事業 | 生産性向上の推進 | 地域農業再生
協議会 | 国(定額) | 5,180 | 9,300 | なし |
新たな営農技術等の導入 | 国(定額) |
農業機械の導入 | 国
(1/2以内) |
2 | 畑地化促進事業 | 水稲の作付転換から畑作物の本作化へ向かう産地の体制づくり等を支援 | 地域農業再生
協議会 | 国
(1/2以内) | 8,500 | 6,000 | なし |
3 | 飼料用米・麦・大豆の収量品質向上支援 | 収量向上や品質改善に向けた試験研究等の取組支援
・品種比較の実証試験
・衛星画像等を用いた実証試験 | 生産組織、JA、
農業者、法人等 | | 640 | 640 | なし |
4 | 飼料用米・麦・大豆の生産拡大支援事業(都道府県連携型助成) | 飼料用米・麦・大豆の作付面積拡大に応じた交付金(県が補助する場合に同額を国が追加支援) | 地域農業再生
協議会 | (上限額)
県:5,000円/10a
(国:5,000円/10a
別途直接支払) | 10,000 | 14,000 | なし |
5 | 飼料用米・麦・大豆の生産拡大推進事業 | 推進事業の運用経費 |
合計 | | 24,320 | 29,940 | |
<国関連事業>
麦・大豆生産技術向上事業、畑地化促進事業、水田活用の直接支払交付金(都道府県連携型助成)
3 事業目標・取組状況・改善点
(1)事業目標
水田を有効活用するため、飼料用米、麦、大豆等の転換作物の生産拡大と水田農業の収益性向上を図る。
(2)取組状況・改善点
・令和7年度の本県主食用米生産数量は、60,104トンから62,925トン(前年計画比1,070トンから1,232トン増)へ目標設定しているが、県産の飼料用米、麦、大豆等の転換作物は引き続き一定の需要が見込まれ、輪作作物としての重要性も高い。
・新たな水田農業の収益性向上を図るため、麦・大豆の営農技術の導入、生産機械の導入、産地の体制づくり、実証試験の推進、作付転換の対象品目・対象地目の要件緩和等の支援を実施している。
4 背景等
(1)国は令和6年産主食用米の適正生産量を669万トンと設定した。
(2)本県ではJAグループの販売計画、国の需給見直し情報等を勘案し、令和6年産主食用米作付面積について11,452ha〜12,032haを目安として作付転換を進め、主食用米作付面積は目安の範囲内となる11,505ha(対前年175ha減)となった。
(3)一方、令和3年度に本事業が創設され、作付転換により令和5年度の飼料用米面積は、令和2年比159%増加した。麦・大豆についても令和5年度に事業創設され、面積は麦で前年比105%、大豆で前年比102%増加した。
(4)そこで、引き続き本事業により米の需給の緩みによる生産者の収入悪化を回避し、経営安定に寄与する。
(5)また、水田活用の直接支払交付金では、5年間に一度も水稲作付が行われない農地については、令和9年度以降交付対象外となるため、畑作物が定着化している農地は、畑地化促進事業を活用して畑地化へ向かうこととしている。現在、各地域農業再生協議会で制度周知を進めており、今後、畑地化への移行が増える見込みである。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○事業目標・取組状況・改善点
<事業目標>
転換作物の生産拡大と水田農業の収益性向上を図る。
<取組状況・改善点>
・大豆等産地生産性のため、団地化基準面積の要件緩和を行い、効率化な生産性向上を支援している。
・作付転換の補助金単価は、令和3年度:3,300円/10aから令和4年度:5,000円/10aへ引き上げた。
・作付転換作物は、令和6年度から飼料用米のみから新たに麦・大豆を対象品目に加えるとともに、対象地目の拡充(畑地など水田も対象)も行った。
これまでの取組に対する評価
・大豆等産地生産性向上のための団地化る要件緩和によって、事業活用地区は、令和3年度1地区(北栄町)、令和4年度1地区(米子市)、令和5年度3地区(米子市南部町、大山町)、令和6年度2地区(米子市、伯耆町)と着実に増加し、作付面積の拡大、産地強化が進んでいる。
・転換作物の品目拡充、要件緩和によって、R6年度の転換面積(飼料用米・麦・大豆)は、165.5ha(令和5年度91.4haから82%増加)となり、作付転換が大幅に進んだ。