概略説明
汚泥(排水処理後に残る泥)を原料とした農業用資材の施用が、土壌の化学性及び農産物に及ぼす影響について調査し、適切な施用方法について明らかにする。
平成19年度より農政課から移管(旧事業名:土壌保全対策事業(平成15年〜18年度))。
1 事業の必要性
ア 近年集落排水処理施設から排出される汚泥を原料とした安価な農業用の資材が利用されており、地域資源有効利用の観点から今後利用が増加することも考えられる。
これらの汚泥中には土壌中よりも高濃度の重金属が含まれているものがあり、連続して大量に使用した場合重金属による土壌の汚染等が懸念される。
イ 重金属のうちカドミウムについては、食品中の国際的な濃度基準が設定されている。また国内においても食品に対するカドミウムの濃度基準の策定に向けて健康影響評価等が実施されており、今後食品中の重金属濃度についての基準等が設定されることが予想される。
ウ また消費者の食品安全性に対する関心は高く、県産農産物に対する安全性、信頼性を確保するためにも、県内で発生する汚泥を原料とする資材の適切な使用方法や農産物への影響等を明らかにすることが必要である。
2 事業の内容
ア 汚泥コンポスト(汚泥を発酵させたもの)と焼却灰(汚泥を燃やした後の灰)の適正施用量の策定
・汚泥コンポストと焼却灰の連用が土壌や農作物の重金属含量に及ぼす影響を明らかにする。
3 事業の効果
ア 汚泥を原料とする資材の適正な利用→消費者の求める食品の安全性の確保
4 これまでの成果
ア 汚泥の施用により土壌中の含量が増加してきている重金属があり、継続調査が必要である。
5 平成19年度の試験
ア 汚泥コンポストと焼却灰の適正施用量の策定
・汚泥コンポストと汚泥焼却灰、作物体、土壌中の重金属含量を測定して、ほ場に投入される重金属と持ち出される重金属の推定量を算出し、適切な使用量を策定する。またこれらの資材を用いたスイカ、ブロッコリーの品質についても調査する。
6 平成19年度要求内訳(単位:千円)
内 訳 | 要 求 額 |
旅費 | 43 |
栽培資材、実験器具購入費等 | 242 |
その他物件費 | 26 |
合計 | 311 |
7 試験実施期間 平成19年度〜21年度