1 事業の概要
「鳥取地どりピヨ」は元となる全ての鶏種(下表参照)を県外導入に依存している。このため、導入元での改良が行われることにより肉用としての地鶏の生産性と品質が安定していない。そこで、原種鶏及び交雑種鶏の能力検定を実施し、原種鶏の選定及び飼育上の注意点等を種鶏農場及び地鶏生産者へ情報提供する。また、種鶏農場へ交雑種鶏卵を供給し、生産現場では種鶏及び「鳥取地どりピヨ」の能力調査を実施する。
2 事業の目的・背景・効果等
(1)事業の目的・背景
ア 「鳥取地どりピヨ」は特産鶏として養鶏専門農協を中心とした体制が整い、生産量は年々増加して流通業者や消費者の評価も定着した。
●H11年「鳥取地どりピヨ」商標登録→ブランド化
●H15年地鶏特定JAS認定→差別化
●年間生産量 年々増加し、H14年以降は約6万羽で推移
イ しかし、原種鶏及び種鶏の全てを県外導入に依存しているため、導入元の改良が日々行われている現状では「鳥取地どりピヨ」の生産性と品質が安定していない。
ウ そのため、導入原種鶏の能力を絶えず検定し、性能維持と品質向上を図るよう地鶏生産者から強く要望されている。
表.鳥取地どりピヨの交配鶏種
原種鶏 | シャモ♂ ロードアイランドレッド♀
(G) L____」 (SR)
↓ |
種 鶏 | 交雑種鶏♂ 白色プリマスロック♀
(GSR) L____」(WR)
↓ |
肉用地鶏 | 鳥取地どりピヨ |
(2)事業の効果
ア 原種鶏を検定して検定済み交雑種鶏卵を種鶏農場へ供給することにより、肉質等の性能が安定した地鶏の生産体制の確立と併せて消費者への評価を高めることができる。
イ 試験場で検定することにより飼料消費量及び精肉量、肉質等の計測が可能となり、原種鶏及び種鶏の評価が確実に実施できる。
これまでの成果 |
原種鶏及び種鶏の能力検定を調査し、原種鶏を選定した。また、原種鶏及び種鶏の能力の調査結果を種鶏農場及び生産者に情報提供を実施。
SRの系統変更(前年度比157%体重増加)をうけ、H17年度のGSRの体重は120%増加した。これにより、ピヨの急激な体重増加の悪影響が懸念されたため、ピヨの飼育日数短縮を指示し、原種鶏の選定見直しを行った。 |
3 事業内容
ア 試験場は家畜改良センターから導入する原種鶏の能力及び交雑種の能力を検定し、原種鶏の選定と種鶏農場と生産者に情報提供を実施する。また、能力検定された交雑種鶏の種卵を供給する。
イ 交雑種鶏卵の供給を受けた種鶏農場は「鳥取地どりピヨ」の生産のため種鶏飼育を行う。
4 平成19年度要求額内訳(単位:千円)
内 訳 | 要求額 |
全国会議・研修会への出席旅費 | 203 |
鶏の飼養管理費 | 859 |
食鳥処理及び肉質分析検査料等 | 483 |
合 計 | 1,545 |
5 事業期間および経費
事業期間 <H15〜23 9年間の試験研究のうち5年目>
区 分 | 事業内容 | 事業費(千円) |
全 体 | 能力検定 | 14,175 |
17年度(前年度) | 能力検定 | 1,603 |
18年度(予算額) | 能力検定 | 1,584 |
19年度(要求額) | 能力検定 | 1,545 |
20年度(以 降) (20〜23年度) | 能力検定 | 6,180
(1,545×4年) |