自給飼料増産支援事業

１　事業内容

　酪農家による良質なコーンサイレージ（トウモロコシを乳酸発酵させたエサ）生産を促進し、高栄養飼料の自給を進めるため、個人農家向けのバンカーサイロ整備を支援する。

＜事業が必要な理由＞

（１）酪農をめぐる飼料の現状

• 　乳量確保には濃厚飼料の給与が不可欠だが、現在、そのほとんどを輸入に頼っている。
• 　濃厚飼料の主原料となるトウモロコシは、バイオエタノール需要と競合しており、近年の価格高騰が著しい。これが酪農家の飼料費増大を招き、生乳の生産調整とあわせて、酪農経営をひっ迫させる大きな要因となっている。

→酪農経営の安定、継続のためには、輸入濃厚飼料の代替となるトウモロコシを自給できる体制づくりが不可欠　

（２）トウモロコシの調製と給与方法の特徴

• トウモロコシを周年で給与するためには、長期貯蔵を可能にする必要があり、そのために調製施設（漬け込み用サイロ）が必要となる。
• 調製施設として、低コスト設置が可能で、良質サイレージ生産にもつながりやすいバンカーサイロの整備は最も有効である。
• 飼料給与は、毎日朝晩２回の作業であり、その度にバンカーサイロからのサイレージの取り出し、運搬が必要となる。

　　　　

→各農家の牛舎と隣接した場所へのバンカーサイロ設置が必要

（３）国庫補助事業上の問題

• 既存の国庫事業（強い農業づくり交付金）によるバンカーサイロ整備は可能。しかし、５戸の共同利用要件があり、本事業を活用して共同利用のバンカーサイロを整備した場合、次のような問題が生じるため、活用できない。

　　　　
　　　　　　　　


　

　（１）から（３）により、トウモロコシの自給を推進し、安定した酪農経営を維持するためには、個人利用のバンカーサイロ整備を支援することが必要である。
２　補正理由

�@近年、トウモロコシサイレージの作付意欲は高まりつつある。特に、冬作牧草の栽培を中止し、夏作のトウモロコシのみを栽培する傾向が強くなっており、これに伴い収穫時期も年々早まっている。このことから、７月下旬にはバンカーサイロが必要になる。

�Aバンカーサイロを設置するにあたっては、「農業振興地域の整備に関する法律（農振法）」による用途区分の変更および「農地法」による農地転用許可が必要となり、それらの手続きには申請から約２ヶ月を要する。

�Bバンカーサイロ整備の工期は、コンクリートの養生期間を含めると約２ヶ月が必要である。

�C当初予算での対応では、４月に交付決定を行っても、７月下旬の利用には間に合わないため、補正予算対応が必要である。

３　要求内容

　施設機械整備事業(個人利用バンカーサイロ整備支援事業)の創設

�@事業実施主体：大山乳業農協（農家へのリース方式）
�A事業実施期間： 平成１９年度〜平成２１年度
�B補　　助　　率：１／２
�C上限事業費：１，０００千円
�D事業の仕組み　

　　 　
４　補正要求額

　　１，０００千円
　　（１，０００千円×２基×１／２）
　　

※２の�A及び�Bにより、農地転用手続から工事完了まで４ヶ月を要することとなり、補正対応しても工事の年度内完了ができない。そのため、転用手続きが完了している案件（２基）のみ歳出予算を補正要求することとし、その他案件（２０基)については債務負担行為の設定を行う。

　　

５　所要経費及び財源内訳

事業区分		事業 主体	事業費 （当初）	負担 区分	要求額 （当初）	要求額の財源内訳 （当初）
						国庫	その 他	一般 財源
施設機械整備事業 (個人利用バンカーサイロ整備支援事業)		農協	(0) 2,000	県 1/2 農協1/2	(0) 1,000			(0) 1,000
標 準 事 務 費	飼料生産受託組織 技術的支援事業	県	(401) 0	県 10/10	(103) 0			(103) 0
	自給飼料増産推進事業				(111) 0			(111) 0
	放牧利用推進事業				(187) 0			(187) 0
計			(401) 2,000		(401) 1,000			(401) 1,000