1 概略説明
水田営農の主たる作物である水稲・麦類・大豆について、基準となる調査ほ場を設置し、統一された手法によって生育・気象等のデータを集積する。得られた生育情報は速やかに生産現場に提供するとともに、主要作物の品質低下等の諸問題を解決することを目的として、集積されたデータの解析を行う。
2 事業の内容
○ 基準ほ場における作物生育データ集積および提供
<調査対象>
・水稲:主要品種における早・普通・晩植
・大豆:主要品種の早・普通・晩播および不耕起播種
・麦類:二条・六条大麦の普通播
・気象:気温・日射量・降水量等
○ データ解析と活用
・水稲出穂期予測等の生育診断技術における精度向上
・大豆・麦類生育データのデータベース化
・気象および生育類似年との比較による生育予測
・蓄積データの解析による収量・品質変動要因の解明
3 事業の必要性
○ 水稲栽培において技術対策を講じる上で、全県的な生育状況の把握と解析が必要である。
○ 水稲の品質向上を図る上で、穂肥の施用時期が重要であるが、その基準となる出穂期予測の精度向上が必要である。
○ 水稲生育の予測精度の向上には気象と生育情報の蓄積が不可欠である。
○ 大豆・麦類では、ほ場条件・栽培履歴が安定しにくく、生育・収量変動要因の整理が困難であり、これまでのデータ蓄積が少ないことから、場内調査ほ場におけるデータ収集が必要である。
4 事業の効果
○ 生育情報を即時に提供することにより、的確な技術対策を講じることができる。
○ 年毎に異なった気象条件における生育データが蓄積され、生育予測の精度向上および異常気象時の技術対策が可能となる。
○ 蓄積データの解析によって、収量・品質変動要因が解明され、改善技術の確立につながる。
5 18年度の成果と今後の課題
○ 各作目においてデータを収集し、随時情報部会に提供するとともに、大豆開花速報等の防除等の管理作業の参考となる情報を配信した。
○ 大豆の各種平年値の要望が強いため、データ蓄積の継続が必要。
6 平成19年度要求内訳(平成17年度から継続の3年目)
項 目 | 金額(千円) |
水稲現地サンプル報償費 | 39 |
成績検討等会議出席の県外旅費 | 53 |
栽培に係る肥料・農薬等試験資材費 | 488 |
コピー機リース費等事務費用 | 53 |
合計 | 633 |