水稲・麦・大豆の高品質安定生産を目指した病害虫防除技術の確立

１ 概略説明

水稲・麦・大豆の生育阻害あるいは品質低下の原因となっている病害虫を対象に、鳥取県に適した効率的防除法を確立し、高品質安定生産を図る。

２ 事業の目的・背景・効果等

(1)事業の背景

• 水稲・麦・大豆の病害虫の異常発生により被害が増加し、生産者が困っている。
いもち病（薬剤耐性菌）、フタオビコヤガ（別名イネアオムシ）等
• 水稲の種子伝染性病害の増加により、優良種子の供給が不安定になっている。
• カメムシ類・細菌性病害の発生による米の品質低下が、農家の収入減と県産米のイメージダウンをまねいている。
• 生産者が防除の省力化を強く要望している。

• 被害につながる病害虫について、鳥取県に適した防除対策を確立する。
• 水稲・大豆の省力防除技術を確立する。

• 的確な病害虫対策、優良種子の供給による生産安定
• 県産米の高品質化による有利販売　→収入アップ
• 生産コスト・労力の低減

(1)生産安定のための病害虫防除技術の確立

• いもち病薬剤耐性菌に対する新薬剤の効果確認
• フタオビコヤガの発生生態の解明と粒剤の効果確認

• 内穎褐変病の発病抑制微生物の農薬化と新薬剤の効果把握
• 斑点米カメムシ類の要防除水準設定とモニタリング法開発

• 細菌性の生育障害ともみ枯細菌病の防除対策の確立

• 高性能育苗箱施用剤の播種時処理による水稲防除回数の削減
• 薬剤少量散布による大豆カメムシ類防除法の確立
  

• いもち病薬剤耐性菌に対する新薬剤（嵐プリンス箱粒剤）の現地適用性を明らかにした。
• フタオビコヤガに対する育苗箱施用剤と粉剤の防除効果を明らかにし、暫定版ではあるが防除対策を確立した。
• 大豆アブラムシ類の省力防除法を確立した。
• 上記の成果は防除歴等に導入予定であり、来年度より現地で活用される見込み。

事業期間 (H18〜22年度)	事業内容	事業費 (千円)
全体	高品質・安定生産を目指した病害虫防除対策の確立	9,165
18年度 （予算額）	・生産安定のための防除技術の確立 ・米の品質向上のための防除技術の確立 ・水稲種子伝染性病害の防除技術の確立 ・省力防除技術の確立	1,962
19年度 （要求額）	同上	2,203
20年度 （概算）	同上	2,000
21年度 （概算）	・米の品質向上のための防除技術の確立 ・水稲種子伝染性病害の防除技術の確立	1,500
22年度 （概算）	同上	1,500