1 事業の概要
「鳥取地どりピヨ」は、おいしさに定評があり、生産量は年々増加している。しかし、元となる鶏種は県外導入に依存していることにより、肉用としての地鶏の生産性や品質が安定しないなど解決すべき問題が残っている。このため生産者や販売業者の要望を満たすよう、魅力的で独自性のある高品質な鳥取県独自の地鶏種鶏に改良を行う。
2 事業の目的・背景・効果等
(1)事業の目的・背景
ア「鳥取地どりピヨ」 はおいしさに定評があり、商標登録及び地鶏特定JASの取得により地鶏としての地位を確立し、生産量は年々増加している。
イ しかし、全ての鶏種を県外からの導入に依存しているため、県外導入元での日々の改良により地鶏の生産性や品質が安定しない。
ウ 生産者や流通小売業者から魅力的で独自性のある高品質な鳥取県独自の地鶏種鶏への強い要望がある。
●「鳥取地どりピヨ」の種鶏改良関連試験の関係
事業名(事業期間) | 内 容 |
「鳥取地どりピヨ」の種鶏改良に係る種鶏の能力検定試験
(H15-23) | 血統固定化試験が完成するまで導入原種鶏の能力を絶えず検定し、性能維持と品質向上を図る。 |
「鳥取地どりピヨ」の種鶏改良に係る交雑種鶏の血統固定化試験(H16-27) | 交雑種鶏を累代交配し血統的に固定化することにより、県独自の地鶏種鶏を作出。 |
(2)事業の効果
ア 消費者及び流通小売業者の要望を満たす改良により、消費拡大を進めてブランドの定着が図れる。
イ 高品質な肉用地鶏の供給が可能となる。
ウ 県外導入に依存しない、鳥取県独自の地鶏生産体制が確立できる。
これまでの成果 |
平成17年度は、16年度に導入した鶏を交配し、孵化した第1世代鶏を育成し、黒色拡張遺伝子の除去、単冠発現個体の独立淘汰を実施した。平成18年度は第2世代鶏を育成し、表現型や能力の基礎データを調査中。 |
3 事業内容
平成16年度に導入した4系統のシャモとロードアイランドレッドを交配・選抜し、作出される交雑種鶏を基本群として血統的に固定化することにより、県独自の地鶏種鶏群を作出する。
〔選抜項目〕増体量、産肉量、羽装、鶏冠
〔実施期間〕H16〜H23(交雑種固定化実用化予定)
〔計画〕
H16 原種鶏4系統の導入・育成・交配
H17-22 次世代の育成、選抜・交配(繰り返し)
(表現型や産肉量等の形質について遺伝子情報を用いて育種選抜を実施)
H23(8年目) 実用化予定・・・民間への種卵供給開始
H27(12年目) 固定化完了・・・民間への種鶏群移譲段階
4 平成19年度要求額内訳(単位:千円)
内 訳 | 要求額 |
マイコプラズマ加温処理装置の購入費 | 2,184 |
学会・技術研修会等への出席旅費 | 366 |
鶏の飼養管理費 | 2,579 |
食鳥処理及び肉質分析検査料等 | 519 |
合 計 | 5,648 |
5 事業期間および経費
事業期間
< H16〜27 12年間の試験研究のうち4年目 >
区 分 | 事業内容 | 事業費(千円) |
全 体 | 血統固定化 | 43,580 |
17年度(前年度) | 血統固定化,備品購入 | 4,834 |
18年度(予算額) | 血統固定化,備品購入 | 3,357 |
19年度(要求額) | 血統固定化,備品購入 | 5,648 |
20年度(以 降) (20〜27年度) | 血統固定化 | 27,648
(3,456×8年) |