1 概略説明
搾乳牛のフリーストール飼育における、1群管理方式に適した飼料給与方法を策定する。
2 背景・目的
@酪農家の多頭化が進み、フリーストール飼育が増加。
利 点 管理の省力化
問題点 個体管理ができない 繁殖成績の悪化
A多くの農家が複数群管理方式で対応。
問題点 TMR調整の煩雑化 完全な個体管理はできない
B配合飼料個別給与システムの活用により1群管理方式での個体管理がが可能。
利 点 TMR調整の省力化 繁殖成績の向上 泌乳成績の向上
問題点 飼料給与方法が確立されていない
C1群管理方式のTMRと配合飼料の適正な給与方法を策定する。
泌乳成績と繁殖成績の両方を良好にする飼料給与マニュアルの作成
【語句説明】
フリーストール
牛を牛舎内で放し飼いにする飼育方法。
TMRというエサを自由に食べさせる。
TMR:(粗飼料と濃厚飼料をバランスよく混合したエサ)
管理の省力化が図られ多頭数を飼うのに適している。
複数群管理方式
泌乳量が同じような牛を集めて複数の群で管理する方法。
各群に適したTMRを給与するので、作業が煩雑化する。
1群管理方式
全ての牛を1種類のTMRで飼育する方法
各牛の泌乳量は異なるので、摂取エネルギーの過不足が生じる
配合飼料個別給与システム
不足するエネルギー量を各牛ごとに配合飼料で補う方法
各牛への給与量はコンピューターで管理する
3 試験内容
3種の異なる栄養レベルのTMRを給与し、配合飼料の給与方法、泌乳成績及び繁殖成績を比較検討する。
事業年度(試験期間) H17〜H19年度
H17年度 低栄養レベルTMRの検討
H18年度 中栄養レベルTMRの検討
H19年度 高栄養レベルTMRの検討
H17、H18、H19試験成績の比較検討
最適TMR濃度、配合飼料給与方法の策定
マニュアル作成
調査内容 泌乳成績、繁殖成績、牛群の健康状態
4 これまでの成果等
@1群管理方式での泌乳及び繁殖データーの集積、分析。
A視察、研修会等での1群管理方式の有用性の紹介。
5 期待される効果
@1群管理方式の普及促進。
Aフリーストール方式での省力化及び生産性向上。
B酪農家の多頭化意欲の向上 鳥取県酪農の基盤強化。
6 農家の要望等
@繁殖成績の向上。(乳牛の高泌乳化に伴う繁殖成績悪化)
ATMRの適正給与方法を模索。
7 平成19年度要求額内訳
項 目 | 金額(千円) |
原材料費
(木材等の材料購入費用) | 157 |
旅費
(会議等への出席旅費) | 108 |
需用費
(飼料、医薬材料、光熱水費等の飼育管理費用) | 14,251 |
役務費
(血統登録手数料、削蹄手数料 等) | 177 |
合 計 | 14,693 |