概略説明
二十世紀梨の補完品種としての有望赤ナシ(あきづき、王秋、秋栄、園試H他)の栽培技術を確立する。さらに、梨経営を補完するウメ、イチジク等の特産果樹の栽培技術を確立し、雇用労力に頼らない自家労力完結型の安定経営を確立する。
1 事業の必要性
ア | 梨全体の単価が年々低下しており、高値の期待できる赤ナシ新品種への期待が大きい |
イ | 袋掛けの手間がネックとなる青ナシだけでは、労力配分に無理があり、省力栽培が可能な赤ナシを取り入れることが必須である(現状;青8:赤2→目標;青6:赤4)。 |
ウ | 梨経営を補完するウメ、イチジク等の特産果樹栽培技術の確立が求められている。 |
2 事業の内容
ア | 赤ナシの早期多収および安定生産技術の確立
・新品種の特性解明と早期更新方法の実証
・生産安定技術(高品質化と花芽確保)の確立
・新しい強風対策技術の開発と効果実証 |
イ | 梨経営を支える特産果樹栽培技術の確立
・オウトウ(サクランボ)の栽培法
・ウメの栽培技術の確立 |
3.事業の効果
○赤ナシ、特産果樹との適正な複合栽培で、経営が改善される
○雇用労力を増やさないで所得を向上できる。
品種構成 | 青ナシ単一栽培(ゴールド二十のみ) | 青ナシ:赤ナシ(6:4)の複合栽培 | 青+赤に特産果樹を取り入れた複合栽培 |
自家労力可能栽培面積 | 70a | 105a | 113a |
想定所得 | 4,055千円 | 5,559(37%増) | 5,958(47%増) |
*鳥取県農林水産部編:経営指導の手引きによる試算
4 これまでに得られた成果
ア | 花芽がつきにくい「あきづき」の花芽着生促進法 |
イ | 湾曲しやすい「秋栄」の枝の矯正技術 |
ウ | 晩生ナシ「王秋」を翌年5月まで貯蔵できる保存法 |
エ | ウメ「紅サシ」の反当2t収穫技術 |
5 H19の試験内容
ア | 王秋の果肉崩壊症の発生原因の解明 |
イ | 高糖度の赤ナシ新品種「新甘泉(園試H系統)」の栽培特性解明 |
ウ | 生産者の関心が高い「王秋」「あきづき」の生産安定技術 |
エ | ナシ廃園を活用したウメの栽培技術(省力化) |
オ | オウトウ、イチジクの鳥取向け栽培技術の実証 |
6 平成19年度要求額内訳(単位:千円)
内 訳 | 要求額 |
旅 費 | 197 |
栽培資材・実験器具購入費等 | 1,310 |
合 計 | 1,507 |
7 試験実施期間
平成16年度〜平成20年度