1 事業の概要(H16−H19年度)
新技術による種雄牛造成手法を利用し、造成の効率を向上させると共に、通常技術も用い種雄牛候補牛を生産する。
2 背景・目的
優良種雄牛の早期造成が求められている。その方策として胚分割、胚の性判別及び胚移植による双子の生産技術等を活用して能力検定の精度を高め、優良種雄牛造成の効率化を図る。
3 事業内容
1)胚の分割による種雄牛造成(H16−H19年度)
胚の二分割による一卵性双子を生産は、産肉能力の精度を向上できるので、種雄牛候補の作出に利用する。
2)胚の性判別による種雄牛造成(H18−H19年度)
性判別技術を用いれば雄産子を選択的に生産できる。また二卵性双子の肥育成績は種雄牛候補雄牛の選定に参考になるので、種雄牛候補牛の作出に利用する。
3)胚移植、人工授精による種雄牛造成(H16−H19年度)
胚移植により全兄弟複数産子を生産し種雄牛候補の選定に活用する。また、胚を数回採取した優良種雌牛は、卵巣機能の回復のため人工授精を行い妊娠分娩させ、その産子を種雄牛候補とする。
4 期待する効果
一卵性双子による検定では、後代検定8頭分相当で産肉能力の推定が可能になり、種雄牛候補雄牛の選定が短期間(20ヵ月)で可能となる。性判別技術を用いれば雄産子を選択的に生産できる。雄の二卵性双子や全兄弟産子の生産により産肉能力を推定する参考となる。
5 これまでの成果
(1)産肉能力検定中頭数
一卵性双子を一組、二卵性双子を一組、雄子牛単子を1頭 分娩させ現在産肉検定中である。
(2)育成中頭数
胚移植により1頭、人工授精により2頭を生産し育成中である。
(3)妊娠中頭数
胚の分割による一卵性双子が3腹、性判別胚移植により2頭、胚移植による全兄弟複数産子が7頭妊娠中である。
平成20年度からは胚の遺伝子診断技術も利用して、雄牛造成成を効率化する予定である。
6 農家の要望等
子牛価格の上昇及び肥育牛の能力向上を実現するため、農家は県内の繁殖雌牛に合致した能力を持つ、優良種雄牛の早期造成を強く求めている。
経費の内訳 (千円)
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需要費(牛の飼養経費等) 1,485
役務費(遺伝病検査等) 147
備品費(牛の購入) 1,050
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合計 2,682
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